マリア・カラス! 1

画像
 今宵はどうしても、マリア・カラスについて書きたい!

 理屈抜きで、とにかく好きなのです、マリア・カラスの芸術が。敢えて歌と書かず、芸術と書いたのは、彼女は歌の領域をはるかに超えたディーヴァだと思うからです。

 まずは、カラスの録音された"歌"に惹きつけられました。最初からステレオ録音で育った私は、モノラル録音は「広がりのない平面的なつまらない音」だったのに、モノラル録音のカラスの歌にすっかりしびれてしまいました。受け止める私がまだ子供だったので、カラスとは同時代を過ごしたとはいえず、"録音された歌"から入るのは当然ですよね。しびれたのは、正しくは、"歌"でなくて"声"だったかもしれません。

 僕はいつも言ったり書いたりしていますが、どんなに歌が上手くても、声そのものに魅力のある人とない人がいて、やっぱり声そのものに魅力がある人の方に惹かれしまいます。というか、聴き手をしてここまで夢中にさせはしないと思うのです。彼女が例えDIVAとして短命に終わる発声方法をしていようと、長く歌うことより、無理を承知で最高を求めたのにも充分惹かれます。もうメロメロなのです。

 僕の数少ないボキャブラリでは筆舌に尽くしがたいのですが、彼女の声は、神がかっているとしか言いようがありません。もちろんオペラのアリアで彼女を知ったのですが、彼女は役に完全になりきっている...、それは後に彼女のコンサートの模様を映像で見たときに確信しました。コンサートで様々な作曲家の様々なオペラのプリマ・ドンナのアリアを歌うのですが、指揮者に準備OKの目配せをする前に、既に"入っちゃっている"のです。 すごい! 今もって、こんなスゴイDIVAにはお目にかかってないように思います。歌の上手いDIVAは大勢いますが。

 彼女が徐々に名声を勝ち得ていく頃の録音、1940年代、彼女がまだ10代後半から20代前半の歌を聴いてみたいです。僕が聴いた事のある録音は1953年以降のものです。身長175cm、体重3桁の頃の、まだ荒削り(のはずなんだけど)ではあるが、オペラ・ハウスを次々と制覇していった頃の歌を是非聴いてみたいのです。どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えて下さい。

 さて、今日のブログのタイトルに、あえて「-1」と表題に書いたのは、今日はまだ「-序」が本当は正しいのですが、まだまだカラスについては沢山書きたいからなのです。またどうぞお付き合い下さい。

PS:マリア・カラスと名づけられた薔薇があります。
  ご覧の通り、わずかにピンクがかった赤い薔薇です。
  僕にとってのマリア・カラスの印象は、この薔薇にピッタリです。


【写真】 花フェスタ記念公園にて H.T.Rose "Maria Callas" in 2005

にほんブログ村 トラコミュ マリア・カラスへ
マリア・カラス

この記事へのコメント

sakura
2005年07月30日 06:54
おはようございます。
マリア・カラス・・・名前とそしてその名前のついたバラのあることだけは知っていましたが・・・。
花のイメージそのままのかたなんですね。華やかで一瞬にして人の心をつかんでしまう・・・。一度見たら忘れられない人・バラかもしれません。
Papalin
2005年07月30日 07:49
sakuraさん、おはようございます。
 ☆ 一度聴いたら忘れられない声、
 ☆ 一度見たら忘れられない薔薇、
 ☆ 一瞬で人の心をつかんでしまう、
うん、その通りだと思います。
sakura
2005年07月30日 09:27
アシュピンのママさん アシナガバチにさされたようですね。
これからの作業 くれぐれもお気をつけくださいね。
お大事に・・・。
Papalin
2005年07月30日 17:52
アシュピンのママの悲鳴で、今朝は起こされました。巣と足長蜂数匹は殺虫剤で撃退したのですが、腕を刺され、今でも腕全体がブクブクに腫れています。蜂、今年は多いような気がします。
塾の先生
2005年07月31日 10:07
おはようございます。
マリア・カラス様こそ「MUSE」そのものなのかも知れませんですね。
僕も何枚かアルバム持ってますが
未だに色褪せないですもん。
その意味では僕にとって晩年のワルターVSモーツァルトと同じくらい大切。

ところで、友だちのMMBrosさんから
教えてもらいました。
「先生のblogで Papalinさんが言ってられたのは...
>曲名は忘れちゃいましたが、
>♪cause I love you and ruse again♪
>と歌われるバラードも大好きでした。

カーラ・ボノフ作の"Lose Again" ですネ。
カーラさんの曲はリンダさんよくレコーディングしてますネ。
この曲はリンダさんのコンサートではいつもオープニングで
歌います!」
とのことでした。

では。
Papalin
2005年07月31日 12:33
塾の先生、まさにMUSEです! その言葉がぴったりですね。カラス以上のDIVAが現れるのかどうか、それは僕にもわかりません(カラスの再来というコピーはよく聞きますが...)が、僕にとって永遠のDIVAすなわちMUSEであることには変りなさそうです。
Papalin
2005年07月31日 12:33
ご存知だと思いますが、ブルーノ・ワルターはとても声の美しい指揮者で、練習風景の録音をきくと、メロディアスな部分を、こういう風に弾いてと、流麗に歌っていたりします。その対極的にあったのが・・・つまりだみ声だったのが・・・カラヤンですよね。モーツァルトのSymphony No.40の練習風景を聴いたら、"タリラー タリラー タリリーラ"って凄い声で歌ってました。(笑)
Papalin
2005年07月31日 12:34
リンダ・ロンシュタットの、Lose Again、スペルめちゃくちゃでしたね。済みません。
 とても好きな一曲です。そうなんですか、コンサートのオープニングの曲なんですね。カーラ・ボノフ、懐かしい響きです。
さらら
2005年09月05日 09:16
なれないブログなるもの・・・何となくおそるおそる・・。ざーっと色々読ませていただきました。いまいちまだつかめてないのですけど・・・。

でも、「お~ぉ、私の大好きなカラスのことが書いてある!!」
Papalinさんが音楽好きだってことは、知ってましたけど、正直ここまで造詣が深いとは・・・!
それにマリア・カラスにのめりこんでいる・・・うれしいじゃありませんか。
私、今は少々オペラ狂いは休憩なのですが、一時狂いに狂っていたことがあります。何だかあの頃が懐かしくなってきました。 

薔薇のマリア・カラス、北アメリカではミス・オール・アメリカン・ビューティなんて長ったらしい名前がついているんですけど、ヨーロッパ名のマリア・カラスの方が断然好きです。
揮わなかった今年の我が家の薔薇の中で、この薔薇は見事な花を見せてくれました。香りもいいんですよね。
Papalin
2005年09月05日 10:46
さららさん、ようこそいらっしゃいました。大歓迎です。
 マリア・カラスにぞっこんはまっています。(笑) さららさんもお気に入りだったなんて、奇遇ですね。毎日聴いても飽きないというのは、既にカラス症候群(病気)にかかっているのでしょうね。
 そちらは大変な水害があったようで、お見舞い致します。気晴らしにでも、また遊びに来て下さいね。
2011年08月18日 13:55
はじめまして。
マリア・カラスのトラコミュから来ました。
これからじっくり続編も楽しませていただきます!
カラスは、特に若い頃のライヴ音源が大好きです。
Papalin
2011年08月19日 23:50
◆◆ 若い頃のライヴ音源が大好きです。

guuchokipantenさん、ありがとうございます。
刈らすの若い頃の声は、録音技術がまだ成長途上にあった時代ではあるものの、そんなことは関係ないといった凄さを感じます。そして、やり直しのきかないライブ録音。もう言葉がありませんね。

この記事へのトラックバック

  • 『私の愛聴盤』マリア・カラスのレコード

    Excerpt: <Papalinさんへのトラバ> クラシック音楽の入門が声楽(オペラ)という人は少ないのではないかと思うのですが、私の場合もまずはオーケストラものからでした。 「ウイリアム・テル序曲」・「.. Weblog: 彷徨の軌跡(写真/花/鳥/風景/オ-ディオ/レコード・音楽) racked: 2005-08-02 05:14
  • 100ブログ記事達成で 振り返り (1/2)

    Excerpt: まずはランキングについて。 Weblog: ローズガーデン・むとう & クラシック音楽 racked: 2005-09-04 07:17
  • ★好きな薔薇★ : マリア・カラス

    Excerpt: 大事な花を忘れていました。 Weblog: ローズガーデン・むとう & クラシック音楽 racked: 2005-10-29 13:25