◆IL DIVO◆ バッハ 「無伴奏チェロ組曲」 (リコーダー演奏版) 全集

J.S. Bach: The Unaccompanied Cello Suites Tetsuya Muto, alto recorder
URL : http://papalin.yas.mu/W101/
◇ジャンル: リコーダー、バッハ
◇公開日: 2005年10月1日
◇連続演奏時間: 2時間22分6秒
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記念すべき、Papalinの音楽サイトのオープンを飾る曲集です。
(1)J.S.バッハ 「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007」
J.S.BACH Suite Nr.1 G-dur, BWV1007
(2)J.S.バッハ 「無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008」
J.S.BACH Suite Nr.2 d-moll, BWV1008
(3)J.S.バッハ 「無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009」
J.S.BACH Suite Nr.3 C-dur, BWV1009
(4)J.S.バッハ 「無伴奏チェロ組曲 第4番 ヘ長調 BWV1010」
J.S.BACH Suite Nr.4 F-dur, BWV1010
(5)J.S.バッハ 「無伴奏チェロ組曲 第5番 ニ短調 BWV1011」
J.S.BACH Suite Nr.5 d-moll, BWV1011
(6)J.S.バッハ 「無伴奏チェロ組曲 第6番 変ロ長調 BWV1012」
J.S.BACH Suite Nr.6 B-dur, BWV1012
■■■ 武藤哲也 自筆 ■■■
ヨーヨー・マというチェリストを御存知でしょうか。1981年末に初来日し、演奏を聴かせてくれたのですが、私はその演奏を聴いてチェロという楽器のもつ表現能力の深さと彼自身の音楽に心を動かされ、見事に打ちのめされました。そのヨーヨー・マがいよいよ待望の無伴奏チェロ組曲全集をこの11月に出したのですね。今回、ヨーヨー・マのバッハを初めて聴いて、驚かされたのは、とかくバッハの作品というと峻厳で厳粛なものであると頭からおさえつけられたようなイメージを私を含めて幾人かの人達が抱いていることでありましょう。しかし、彼の演奏はのびやかに歌う、まるでチェロが彼の身体の一部ででもあるかのように自由自在に歌い楽しんでいるのです。彼のバッハは、ひょっとしたらヨーロッパ社会の中で継承されてきたバッハ像とはやや性格を異にしているのかもしれません。つまりパブロ・カザルス(Vc)、ピエール・フルニエ(Vc)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)、ヘンリク・シェリング(Vn)らのように精神の深いところでとらえて演奏する以前に彼は歌ってしまっているのです。そしてそれに不満があるかといえば、その前に圧倒的な技巧と彼の大きな歌にのみこまれてしまうのです。それでもバッハです。今日の私は、何分深い精神力などないものですから、思いっきり歌ってみようと思ってます。
1983.12.10 武藤哲也
■■■ CRE創設者 片山保之さん「リサイタルによせて」 ■■■
リコーダーを愛好する人々には、いくつかのタイプがあるように思うのですが(そしてまたそのタイプの分け方にもいろいろあるのですが)それらの人々を美しい横文字で分けるならばacademique[アカデミーク]な人々、romantique[ロマンティーク]な人々、 melancolique[メランコリーク]な人々ということになるので(もちろん誰もこのいずれかに入るのであって私は例外は認めたくないのですが)その中でも今日演奏するこの人ほどromantiqueな人はなく、そのリコーダーから出る音色は、あまたの人を、これも例外なく6割のfantasie[ファンタジー]と3割のextase[エクスタシー]と残り1割の jealousie[ジェラシー]に引き込まずにはおかないことは、私も精一杯の愛とjealousie を込めてお約束ができると思うのですが、今日は、melancoliqueな人もacademiqueな人も、あこがれを抱いて彼を見つめることになるでしょう。---けれど私は告白しておかなければならないのですが、彼のromantisume[ロマン]の源は、そのextraordinarie [エクストラオディナリ]さにあるのです。ご注意を!
1983.12.10 片山保之
みなさまのご感想を、コメント欄に是非書いてください。
【写真の撮影データ】
タイトル 「1983年 リサイタル前後のPrePapalin Photo by PreMamalin」
カメラ機種名 EPSON Scanner GT-7600U(スキャナー)
![]() リコーダー |
この記事へのコメント
チェロという楽器、人を虜にする深ぶかと豊なその響き。ベートーヴェンのピアノソナタで「音楽」に出会った時と同じ感動です。おおげさに聞こえるかもかもしれませんが、これらと出会った時、「生きている歓び」を体がまざまざと感じていたように思います。
以来、バッハの無伴奏、ベートーヴェンの、そして、フランクの、チェロソナタなどは私がもっとも愛聴する楽曲となりました。
ヨーヨー・マ、実のところ、初めて聴いた時あまりに「歌いすぎる」ような気がして、気にはなりながら、ちょっと退いていました。カザルス、ロストロポーヴィチといった、正統派を一番としてきた弊害でしょうか?
イツァーク・パールマンで聴きました。
大好きな曲です。
そ、そんなことはどうでもよく(^^ゞ
今までにこの曲を何回聴いたことだろう。
僕が最初に聴いたのは、ロストロポービッチ。聴いてるうちに正座してたのを思い出しますです。ヨー・ヨー・マのは大学に入ってからだったかなぁ。朗々と謳うものに感激。当時は若かったせいか俄然、こちらばかりになってしまいました。何でも包み込んでしまうバッハの深さは計り知れないですね。
むとさんの全曲演奏を一気に流すのもこれで何回目だろう。適度に厳かに程良く軽やかに、正座はしませんが、星座をぼんやりと見つめながら浸りたい。生涯大切にしたい演奏です。高音質期待できるCD販売なさらないんですか?一応、予約しときますです(^^)
リコーダーでこれ演ってるのって他にあるんですか?ブリュッヘン、ペトリくらいしかプレーヤは知らないんですが…。
ついでに…。シェリングのバイオリン版あるんですけど、一気には最近は聴けなくなってしまいました。僕の緊張の糸が長くは持たないんでしょうね。
先生のコメントのほうが、第一号にふさわしい内容です。私、思いついて、ぱーっと書いてしまったので。papalinさんのバッハについて書くべきでした。(反省)
papalinさんの演奏、もう一度聴いてから出なおします。
シェリングのバッハは、すごく正統派のバッハだと思います。というか、足を崩して聞けるバッハって、当時はなかったように思います。ヨーヨー・マだとか、グレン・グールドのことを天才だと思ってしまうのは、題材が何でも、バッハでも、思い切り歌ってしまうところかなぁ。殆ど衝撃に近いものを感じました。でもそれは、否定的なものでなく、感動をしたんです。
ヨーヨー・マの全曲版(CDぢゃなくてLPでした)は、1983年の発売です。Papalinが大学4年生のPre-Papalinだった頃です。今では当然CDでも持っていますが、そして、第2弾となったinspired版も持っていますが、僕の宝物ですね。
僕が初めてのリサイタル(たった一人の演奏会)をおこなったときの、パンフレット(と言っても、B4一枚のコピーだったかな。きれいに手書きで清書してくれたのがPre-Mamalinでした。ひゅうひゅう!) ちなみに、この絵も、Pre-Mamalinが描いてくれた、僕が大学3年の頃の写実描写による絵です。
■■■ CRE創設者 片山保之さん「リサイタルによせて」 ■■■ は、その名の通り、僕のリサイタルのパンフレットに寄稿して下さった、もう一人のバッハのリコーダー演奏家、サークルの初代会長によるものです。ホント、その通りだと、いたく感動したのを覚えています。言い得て妙とは、このことかと。(笑)
私の全曲演奏をして下さったのですね。それも一回だけでなく。(2回でしょうか。) もう涙がこぼれそうです。適度に厳かに程良く軽やかに...最大の賛辞です!
第5番は極めて厳粛に演奏したつもりです。第1番、第3番は、軽やかに演奏したつもりです。第2番は、もうちょっとで倒れそうな精神力で演奏したつもりです。第4番は唯一のライブ録音です。第6番は、難しくて、気を失いそうでした。あーあ、各曲のブログに書くべきことを書いちゃったよー。でも、本当に嬉しいです!
> 生涯大切にしたい演奏です・・・は、ほめすぎです。
> 高音質期待できるCD販売なさらないんですか?
実はこの2枚組みのCDが、世の中に十数セット出回っています。フリーマーケットで、\3000で売れました! 「世界初録音」というキャッチコピーが良かったようです。でも嘘じゃないと思います。
F.ブリュッヘンは、第1番~第3番のリコーダー録音を残しています。ペトリは聴いたことがありません。他にも聴いたことはありません。全集は、これだけかも!!!
> 一応、予約しときますです(^^) ・・・了解です。(笑)
> 僕の緊張の糸が長くは持たないんでしょうね。
僕の演奏は、連続再生して下さった、シェリングは無理だった...これすら、僕には賛辞に聞えます。肩のこらないバッハが僕の目指すところでした。あるアマチュアのリコーダー奏者に感想を伺ったときに、「むとうさんのリコーダーによるバッハは、とても明朗で、楽しいですね。」と言って下さいました。これもとても嬉しかったです。(ちょっと、いやかなり舞い上がってますね。フーフー。)
たまに、このサイトの名前を忘れちゃうんだよね。薔薇も英国庭園も大好きですから~~~!
何だかバックも「雰囲気」違うし・・・(笑)。
チェロやヴァイオリンをはじめ、弦楽器は、「琴線に触れる」という言葉のとおり、
心の奥底で共鳴する何かがあるような気がします。
その昔、私の「琴線」に触れた曲のひとつに、シューベルトの「アルぺジョーネ ソナタ」がありました。小品ではありますがたとえようもなく美しい作品だと思います。
あまりにも、短かったその生涯の中で残していった、宝石のような楽曲の数々。シューベルトが恋しい季節になりましたね。
琴線に触れるというのは、琴の弦に由来する言葉でしょうか。好きな言い回しの一つです。自分の中にある弦に触ってしまった、音が生じてしまった、なんともいい表現です。琴線に触れるのは、弦楽器だけでなく、管楽器も、声楽もあります。おいおい紹介します。3年くらいかかるかな。
ほう、秋はシューベルトですか。僕は彼は冬。「冬の歌」からくる、単純な連想です。秋は誰だろう、のだめの千秋かな。これも単純すぎますね。(笑)
秋は、ヴィヴァルティの四季の秋が印象的です。
のほかの曲を聴く事で、「冬の旅」へと、はやる気持ちを宥める、そういった意味で私の秋はシューベルトな気分なのです。
寝不足で今日もまたもや「れんこん頭」の
私です。文章がうまくまとまらない~!
一世を風靡したアーヨ、輝かしくも懐かしい名前ですね。
私は「夏」が一番好きです。第三楽章のプレスト。季節を感じるというのではなく、何かが疾走していく感じ、まるで何かに追われ、駆け抜けていくような、切羽詰ったものを感じるのですが...ト短調だからでしょうか?
今まで私のこの感想にうなづいてくれた人はあまりいません。独断的な感想です。
未完成交響曲が完成交響曲になっていたら、第3楽章、第4楽章はどうだったろうか。はたまた、第5楽章があったかもしれませんね。才能のある人って、惜しまれながら早世しますよね。長生きした人が才能がないわけではありませんが。芸術家...自ら命を絶った人の多いこと...。
ヴィヴァルディの「夏」の3楽章、いい感想じゃないですか。低弦楽器がいい働きをしていますよね。理解者第一号になりましょう。
誰より心強い理解者を得て、百人力のaostaです。
ミケルッチのLPの表紙の絵は、オペラの舞台のような絵で、作者は、Jean van Blarenbergheという人で、タイトルは「四季」だそうです。確かアーヨのLPの表紙も、4枚の絵だったような木がするので、アンリ・ルソーの絵は、そっちじゃないかなぁ。
私は、今回初めて聴きました。ネットで購入した記念すべき第一号です。
アーヨともミケルッチとも違う、歯切れのいい素敵な演奏でした。
三者三様の「四季」どれが一番ときめられませんが、今はパールマンにはまってます。
美しいトーンの装飾的な絵です。ミュシャの絵に似ています。本の装丁と一緒で、気に入ったCDの絵が素敵だと、嬉しくなります。
下に(床に)本を置いてはいけない、またぐなんてもってのほか!そんなことを言う親ももういないのでしょうね。
ハトロン紙って、あの半透明で、片方がツルツルで、裏がザラザラの、あの紙? そういわれると、見ないですね。古本再販量品店では、よく見ますけど。
無伴奏チェロ組曲のリコーダー版はフェアブリュッヘンのアルバムがあります。世界初かどうかは?ですね。
フェア・ブリュッヘンのアルバムは、いつの録音でしょうか。僕は知らなくていけないのですが、私は1983年~4年でした。まぁどっちでもいいのですが...。(笑)
フェアブリュッヘンの第4番から第6番のCDを実際に持っているのは事実です。逆に第1番から第3番のCDを入手できないのが遺憾です。
フェアブリュッヘンのこと、名前しか知りませんでしたので、情報を頂き、ありがたく思っております。4~6番の方がマニアックで、1~3番の方が親しみやすい(?)と思っていましたので、後者のCDの入手が困難だとは思いもしませんでした。廃盤にはなっていないのでしょうか。とすると、ネットには乗ってこない、街のクラシック大好きCD屋さんが狙いめですね。
お目当てのCDと出会えますこと、お祈りいたしております。
このCDを買ったときはちょうどギターで#5を弾こうとしていて(ご存知のとおり,チェロ#5はリュート組曲#3でもあります),いろいろな楽器での演奏を聴きあさっていたころでもあります。レオンハルトのBWV1001(バイオリン#1)なんてのもあって,これはチェンバロのシャコンヌと同様かなり厚化粧で私は悪趣味に感じました。あとは吉野直子さんのハープの演奏とか。最近はエレクトリックギターでガシガシ弾く人も多くなって(やはりイングウェイの影響が長い),やはりこの曲群は楽器を選ばないらしいなと再認識。
(解説にはフランス=ブリュッヘンの同曲の東芝EMIのLPがあったがCD化されていない,と記されています。
でもまあ,それはそれとして(笑)。
いろんな楽器でのトライがあるっていうことが、そもそもこの曲集の魅力が余りあるってことだと思うのです。でも、いまだに、僕の感性にしっくりきているのは、チェロとリュートだけです。(笑)
東京で下手なチェロを弾いています。バッハのチェロ無伴奏は自分にとっては特別な曲です。リコーダーで全曲やられるとは正直びっくりしました。
まだ聴き始めたばかりなのでおろそかなことは言えませんが、その熱意に敬意を表します。
バッハもあの世で喜んでいるのではないか(笑)と思います。
これからゆっくり楽しませていただきます。
たこすけさん、はじめまして。
そして、ようこそお出で下さいました。
お言葉、ありがとうございました。
まだ学生時代の録音、もう四半世紀も昔の録音で恐縮です。たいして勉強しなかった学生の頃の唯一のまともな(?)アウトプットです。(笑)
チェロを弾かれるなんて、羨ましいです。
たこすけさんのサイトで聴かせて戴いたことがあります。こっそりと。(笑)
これからもどうぞ宜しくお願い致します。