【クラシック音楽-006】 テノール:ペーター・シュライアー Ⅱ

掟を破ってしまいました。彼の「冬の旅」のCDを聴いています。
僕の持っているCDは1991年の録音で、伴奏はハンガリーの希代のシューベルト弾きとして知られているピアニスト、アンドラーシュ・シフが弾いています。ペーターはアンドラーシュと、シューベルトの3大歌曲集(美しき水車小屋の娘/白鳥の歌/冬の旅)をこれで全部録音したことになります。それだけペーターはシフを信頼し、シフはペーターを敬愛していたということなのでしょうか。
しかし、ペーターとシフの演奏が、オーソドックスな定番であるかというと、そうではないのです。確かに、ペーターはシューベルトが後半の12曲を作曲したときに合わせて直した改訂版(今日、殆どがこの楽譜を用いるようです)ではなくて、改訂前のオリジナル版を敢えて使っているし、シフの伴奏は、いままでに聴いたことのないような冒険をあちこちでしています。こういう演奏が、録音当時50歳代の半ばであったペーターにとっての新たな刺激にもなったのでしょうね。まだまだ挑戦し続けるペーターの姿勢に脱帽です。
50歳代のペーターの歌は、既に20歳代からオペラ歌い、ドイツリート歌いとして名を馳せていた、若い頃の歌とは違って、その声の艶は幾分落ちています。裏を返すように、円熟とか渋みが出てきたというよりは、音楽がより精緻になっていて、それでいて、ぐいぐいと前に進んでいく推進力は誰にも止められないといった力強さのようなものも感じます。でも落ち着きがあるんです。留まるべきところに、きちんと納まりよく、はまっていく...。こういう歌が自分の心にしっくり納まるようになったPapalinも、年をとったということなのでしょうか。羨望の眼差し。明日のPapalinは、いったいどんな眼差しで、この歌い手を見つめて、その歌を聴くのでしょうか。
最後に、この連作歌曲、テノールの声の高さをターゲットにして書かれたのです。デートリッヒ・フィッシャーディスカウを始めとするバリトンの歌手がよくレパートリーに入れる歌集なのですが、元はテノール歌手のために書かれたもののようです。当時は男声はテノールとバスという区分けだったようで、中間の音域であるバリトンというのは、まだ認知度が低かったようですね。でも時代を遡りますが、モーツァルトはテノールよりもバリトンをより好んで使っていました。モーツァルトも稀だったということでしょうか、僕も知りませんでした。
ペーターは、調も改訂された調ではなく、改訂版より曲によっては高いオリジナルの調で歌っています。テノール歌手としては、より高い調の方が、説得力を増すからでしょうか。
さて、明日はどうでしょう。もう既にPapalinの鼓動は高鳴っています。
【写真の撮影データ】
タイトル 「Peter Schreier Andras Schiff Shubert Winterreise in 1991」
カメラ機種名 EPSON Scanner GT-7600U(スキャナー)
この記事へのコメント
違うブログで書いてtらっしゃいましたね。
「日陰が日向を、日向が日陰を強調する・・・」
(ちょっと、文章が違うかもしれませんが)
そうなんですよね。互いに、相反するものがその相手を強調するするんですよね。
シュライヤーののびやかで若々しいテノールが、傷心と、孤独の深さを比類ないものにしていると思います。
シフとのコンビ、確かほかにもありました。ゲーテの歌曲だったかしら?
ここで、すぐ確認できないのが残念です。
(相変わらず、図書館からです・・・)
影と日向、どこかでかいたような気もしますが、いい加減なので、覚えていません。もし書いているとすれば...日向に光を存分に浴びていると、影もくっきりはっきりと出てしまう...というようなものだったかと思います。うろ覚えです。
ちょい、忙しくしております。(^^;
理由は、今月中に、クリスマスの曲を全てアップしようと思っていること&来月に入ったら開催するクリスマスイベントの準備です。
Papalinさんも、ぜひ参加してくださいね♪
ペーター・シュライアー。
初めて知りました。
っていうか、私は音楽に関して、かなり無知です。(苦笑)
Papalinさんは、とてもお好きなのね?
でも、どうして掟破りだったんでしょう・・・?
しかし、Papalinさんの音楽に対する造詣の深さは、ほんとすごいですね~
尊敬いたします♪
さて、そろそろ行くとしますか...。体調がちょっと悪いのが気がかりですが、回復薬となることを祈っています。
体調悪かったんですか。
最近クラシックの話題だと開いていないかも。(反省)
今朝はこちらでも氷点下になりました。風邪も流行ります。十分お気をつけくださいね。
お大事に。
Papalinは、風が原因の頭痛と腹痛に既に3日も悩まされ、シャワートイレのありがたさをひしひしと感じているところです。でも、ペーターが歌を歌った時間だけは、自分のお腹の存在を忘れることができました。最高の薬だったようです。
クラシックのブログも、見てちょ。(笑)
了解です!
風邪お大事に・・・。
>sakuraさんのことをイメージしながら書いています。
これはひょっとして私への熱烈なLove Call?(笑)
いえいえ クラシックに興味がなかった人株式会社代表取締役兼社長が私ってことですよね(笑)
以後クラシックのブログに関しても途中で読むのをあきらめず最後まで目を通し 時にはコメントすることお誓いいたします。
今日で4日目。お腹の調子が悪く、本当に風邪かなぁと思いつつ、ちょっと不安を抱えています。四六時中、トイレのことを気にしていないといけないので、集中できません。参ったなぁ。
そう、Love Call。
体調なかなか回復しないようですね。やはりしっかり休息しないとダメかもしれませんね。今日は金曜日。もう一日なんとか持たせて後はゆっくり休む これしかないかもしれません。
Love Callへのお返事はブログへのコメントでかえすということでよろしいでしょうか(笑)
今日中に回復しないといけません。明日はMamalinから庭の手入れや薪割りなどの冬支度を仰せつかっておりますので。
> Love Callへのお返事はブログへのコメントでかえすということでよろしいでしょうか(笑)
その他の選択肢があったのですか? そっちの方が面白そうだなぁ。(笑)
>その他の選択肢があったのですか? そっちの方が面白そうだなぁ。(笑)
株主総会にかけておきます。(クラシック興味なかった人株式会社代表取締役兼社長との兼務なので・・・笑)
今朝も寒いですね。
風邪の具合はどうですか。
今朝も寒いですが 昨日の朝のほうが寒かったように思います。