◆IL DIVO◆ テレマン 「二本のアルト・リコーダーのためのソナタ」第3番 ヘ長調

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Telemann  Duet Nr.3 F-dur
URL : http://papalin.yas.mu/W202/M003/

  ◇公開日: 2006年1月2日
  ◇連続演奏時間: 6分13秒
  ◆録音日: 1984年08月14日 (23歳)
  ◆上記の英語の曲目名をクリックする
    と、Papalinの音楽サイトに直行でき
    ます。


 明るい調性のヘ長調。ドレミファソラシドの音階で始まる第一楽章の冒頭は、カノン風です。以降、カノン形式がこの楽章をずっと支配します。

 第2楽章はテーマ(主題)が調性を変えながら、何度も何度も登場します。16分音符の変形スケールが2本のリコーダーがなかなか合わずに、苦労しました。

 第3楽章は、物憂いLARGOです。お互いが旋律を奏で合います。伴奏側のリコーダーは、楽譜上は8分音符を綺麗に刻んでいるのですが、大胆にもPapalinは、フランス・バロック風に、付点のリズムで演奏してみました。たったこれだけの違いで、ドイツの作曲家:テレマンの曲が、フランス・バロックの曲になってしまいます。それにしても、これは作曲家の意図するところの演奏ではないでしょうね。

 軽快な終曲である第4楽章は、VIVACEであります。16分音符と、16分音符の三連符とが美しく混ざり合い、バロック時代の優雅さが彷彿できます。前半、後半の、最後から5小節目からの3小節は、上下のリコーダーが代わる代わる旋律を取り合います。モノラルで聴いたら、片一方が旋律を、そしてもう片方が伴奏をしているように聴こえるでしょう。

 20年前の第3番の演奏は、冒険に満ち溢れた演奏でした。明らかにドイツの曲でありながら、当時Papalinが傾注していたフランス・バロックの演奏様式をこの曲の第3楽章に当てはめてみたところ、これがなんともしっくりと来ちゃうのでした。面白い、じゃぁ完全なるフランス風装飾で貫いてしまおうということになりました。こういった挑戦的な演奏スタイルは、仲間とは演奏できず、Papalinの一人二重奏だからこそ実現したものだと思います。

   1-Dolce  2-Allegro  3-Largo  4-Vivace   (0-Narration)

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【写真】 1984年 ちょっとジャニーズ系・・・だったかな? 精悍な横顔です。

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この記事へのコメント

2006年01月03日 09:39
僕にとってのフランス・バロックは、世紀末にも似た退廃的なイメージです。この曲の演奏が退廃的かどうかはわかりませんが、1番や2番と明らかに違うことは感じて頂けたかなぁ。
aosta001
2006年01月03日 13:57
>ドイツの作曲家テレマンの曲がフランスバロックの曲になってしまいます。

う~ん!こちらもお見事です。
「作曲家の意図」、この時代の音楽を考えるとそのことがそれほど厳格な意味をもっていなかったのではありませんか?
時に、ひとつのテーマを与えられて、その場で様々なヴァリエーションで演奏をしたり、作曲をしたりshていた時代です。
今では考えられないほどの艱難辛苦を伴う旅に、あえて身を投じて諸外国の音楽家との交流を図ったり、また少年時代のモーツァルトがそうであったように、旅そのもが生活だったりした時代ですよね。
こうした背景を考えるとこの時代の「音楽」は今よりもっと広範囲な意識の中で共有されていたのではないでしょうか?
仮に、テレマンがpapalinさんの演奏を聴いたとして(すごい話になってきました!)テレマンはNO!というでしょうか。
私はむしろ面白がって聞いてくれるような気がするのですが・・・
2006年01月03日 14:00
aostaさん、素敵なコメントをありがとうございました。音楽界、絵画の世界もそうだけど、後世の人が、整理したり分類してわかりやすいようにして、初めて、ドイツ音楽だとか、イタリア音楽だとか言われるんですよね。aostaさんが仰るように、偉大な作曲家達は、いろいろ旅をしています。部屋に閉じこもっていただけでは、いい作品は出来ないのでしょう。
aosta001
2006年01月03日 14:21
王侯貴族の宮廷や、サロンでのプライヴェートな演奏が主だったこの時代、与えられたひとつのテーマでさまざまなヴァリエーションをその場で演奏したり、また作曲したりという時代ですよね?
左右で一拍ずつ代わる代わる音を演奏したり、上下二本のリコーダーで旋律を取り合ったりという手法を見ると(聴くと)王侯貴族のみならず演奏者自らが、演奏を心から楽しんでいたのではないかと思います。
そうしたことも、楽譜から見えてくるのですね。
aosta001
2006年01月03日 14:29
ごめんなさい!
コメントの内容がだぶってしまいました!
一度このコメントが全部消えてしまったので(これが初めてではありません時々変なことをして、送信するばかりのコメント消しちゃうことがたびたびです)
も一度、同じものをと思っても書いた端から忘れている現実に気づいて呆然!
もう、いいやあ~って送ったら内容だぶってしまいました。ま、たいしたことは書いていませんので、ご勘弁のほど。
aosta001
2006年01月03日 14:41
第二楽章。
4番のVIVACEと並んで、指使いのめまぐるしい曲ですね。こうした曲を聴くとき、papalinさんの指がいったいどのように動いているのかと想像してしまいます。
ヴァイオリンの、上下するボウイングのように、またピアノの鍵盤の上でひらめく左右の手指のように、心躍るドラマがありそうです。
2006年01月03日 15:33
aostaさん、楽譜とは、見る目をもって見れば、色々なことが見えてくるのです。それは、下敷きになる知識をもっているか否かに関わらず、見る側の興味の度合いによって変わるのだと思います。

 自分も含めて、まず新しい楽譜に出会ったときに、いきなり音を出してしまうのが常です。でも、じっと楽譜を見てみるとか、頭の中で音を鳴らしてみるとか、そういうことをすれば、音楽の深みはもっともっと増すでしょうね。

 それに加え、"あの"時代の歴史的背景や、音楽を奏でるTPOなどに関する知識があれば尚更であることは言うまでもありません。(浅学なPapalinでした)
2006年01月03日 15:41
aostaさん、どういたしまして。それより、2度も書かせてしまったのですね。Papalinもよくあります。特に、このブログではありませんが、文字数の制限をオーバーしていたり、画像掲示板では、文字は問題ないけど、画像ファイルの名称に問題があったりして、元に戻ってくれればいいものを、キーインした文字が全部パー。そういうのが続くと賢くなって、ボタンを押す前に、一旦、書いた文章をコピーしておいたりします。悔しさがわかるから、賢くなるんですよ。
2006年01月03日 15:46
aostaさん、速い曲の指や腕の動作は、どの楽器でも似たかよったかで、少なくとも音の数だけ動かしているわけですよね。リコーダーは、他の木管楽器に比べると、穴の数が少ないです。一方サックスなんかは、キーの数はものすごく多いんだけど、覚えてしまうと楽だと聞きます。音と音とのつなぎ、連続動作が楽なんでしょうね。リコーダーは...十分難しいです。
aosta001
2006年01月03日 21:01
>楽譜とは・・・下敷きになる知識を持っているか否かに関わらず、見る側の興味の度合いによって変わるのだと思います。

このpapalinさんの言葉は啓示のように私の心に響きました。
十分な知識のないわたしでも、興味を持って楽譜を「読もうと」すればそこから何らかのメッセージを発見することができるのでしょうか?
だとしたら、それは私にとって新しい冒険です。
楽譜は楽器を演奏する人のものと思い込んで、今まで楽譜を手にすることのなかった私ですが、papalinさんの言葉に勇気付けられた気がいたします。
 楽譜を読むこと。
今年の目標の第一番にしたいと思います。
2006年01月03日 23:19
aostaさん、素晴らしい目標です。応援しましょう。いきなり大変かも知れませんが、まずは、オーケストラ譜のポケットスコアを買ってみましょう。自分の好きな曲、そう、短い曲の方がいいかな。すると、普通見慣れた楽譜って、ピアノ譜のように、一ページに何段もありますよね。ところが、オーケストラ譜は、大抵が一ページ一段なのです。もっとも、バッハくらいまで遡りますと、オーケストラといっても楽器の編成が小さいので、一ページに複数段あるものもあります。さてと、これをどうやって読みましょうか...。
2006年01月03日 23:24
まずは、楽譜が書いてある前に、少々の解説がついていることと思います。そしてその解説は、第○楽章の△小節目がほにゃらら...というような書き方をしていると思います。これは、主題の提示、展開、再現など、音楽の形式の理解にとても重要なので、楽譜に書き込んじゃいましょう。単純に言葉から連想できるもの・・・まず「提示」とは、メロディの美しさを誇示する、いわば結論です。起承転結じゃなくて、この曲を支配する主題が必ず冒頭に近いところでまさに"提示"されます。続く「展開」は、私って、こんなに想像力が豊かなのよ・・・という部分ですね。ものによっては、もはや主題の影すらないものもあります。そして最後の「再現」・・・人間は必ず出発点に戻ってきます。いろいろ"展開"してみたけれど、やっぱり因数分解の形が美しいなぁ...という部分。この再現部によって、メロディや曲を聴き手の頭の中に叩き込むんですね。
2006年01月03日 23:25
言葉だけからも、こんな想像がいとも容易に出来ますでしょう? 楽しいですよ。 ちなみにこれは、ソナタ形式と呼ばれる形式の楽曲のお話でした。じゃぁ、ロンド形式って何? フーガって何? リチェルカーレは? コラールは? 疑問がどんどん膨らみます。 楽しそうですね。(笑)
aosta001
2006年01月03日 23:52
papalinさん、
お話を聞いているとどきどきしてきます。
新しいことを始めるってすごく楽しいですよね。
実を言えば「スコア・リーディング」、以前から興味はあったのです。
「N響アワー」の渡辺晋一郎さんの「オーケストラの読み方(スコア・リーディング入門)」という本をずいぶん前に買ってはあったのですが・・・
私がスコア読んだところで、果たしていかほどの効果、また楽しみがあるのか疑問になって、手付かずのまま書棚に入っておりました。
papalinさんの応援を頂いて(そんなつもりはないですか?)早速読んでみようと思っています。
スコアはモーツァルトの「レクイエム」のみ。
ただ「大好きな曲だから」というだけの理由で買ったものです。
さて、どこまで行かれることでしょうか。
2006年01月04日 00:06
aostaさん、何だ、もう持っていたのですね。しかも、私がピアノ伴奏譜しかもっていない、モツレクですね? いや素晴らしいことです。 一番好きな曲からお勉強するのがいいですよ。ラクリモ-サ、とかね。

 スコアを読むと、したくなること、それは他でもない"指揮"です。指揮棒はそんなに高くないので、マイ・タクトがあると格好いいですね。女流指揮者の西本智実さん、格好いいですよ。黒服がとってもお似合いで。
aosta001
2006年01月04日 00:46
papalinさん、
スコアを読むまでもなく、音楽が、それもクラシックが好きだったら、だれでも指揮に憧れるときがあるのではないでしょうか。
私自身、初めて「振って」みたのはベートーヴェンの・・・(あとは、内緒)
ちなみに、高校生のころでした。指揮棒などというものはありませんでしたので、ボールペンか何かで間に合わせていました。女性の指揮者、西本さんではなくて・・・なんという方でしたか、とにかく女流の草分け的存在の指揮者が、ときどきN響を振るのを見てあこがれていました。尾高さんもまだお若かったころ、もちろん大御所、岩城さんもバリバリのころでした。
aosta001
2006年01月04日 00:50
でも、スコアを読んでいないのですから、耳だけが頼りのお遊びでした。
ボールペンを振りながら、記憶の中で鳴る音を上手に捕まえたときはすごく嬉しかったことを今でも覚えています。
aosta001
2006年01月04日 07:55
papalinさん
おはようございます。
尾高さん、お父上ではなく、息子さん、忠明さんのほうですよ!
(一応言っておかないと、papalinさんのことです。絶対変な突っ込みいれてらっしゃるから、予め予防線を張りました)
2006年01月04日 08:06
小澤征爾、岩城宏之、山本直純の3人は、ちょうど年恰好も似ていて、クラシック界の指揮者御三家でしたね。僕は、山本直純さんが司会をする"オーケストラがやってきた"という日曜朝のテレビ番組が大好きでした。クラシック・オタクになれそうなネタを教えてくれたのと、演奏者からみた作品、指揮者から見た作品、いろいろ目からウロコの話が聴けましたね。

 aostaさん、僕はちゃんと指揮棒を持っていました。レコードを買ったときについてきたプラスティック製の指揮棒(正確には指揮棒が欲しくてレコードを買った)と、合唱祭で指揮をしたので、合唱用の短い指揮棒(持つところにコルクがついていて、30cmもない指揮棒)を買って持っていました。これで、ステレオ相手に指揮のマネをするんだな。見事なオタクの中学生でした。
2006年01月04日 08:13
aostaさん、ちゃんと第一バイオリンに旋律が回ってきたときには、左を向きましたか? チェロやコントラバスに歌わせたいときには右を向きましたか? 右奥のホルンには、胸を張って指示しましたか? ほぼ正面の木管のアンサンブルは、優しく誘導しましたか? ティンパニの入るタイミングを合図しましたか?

 そして、曲が終わったら、全員を起立させる仕草はしましたか? せいせい、オタクだなこりゃ。
2006年01月04日 08:16
尾高忠明さんは、先の3羽カラスの次の世代でしたね。早くから才能を認められ、もちろんaostaさんが書かれたように、お父様が音楽家という血統書つき。僕も何度かテレビやFM放送(これが貴重な情報源でした)で聴きましたよ。東京フィルだったかな、手兵をリードしての演奏でした。目が可愛いんだよね、彼。

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