◆IL DIVO◆ テレマン 「二本のアルト・リコーダーのためのソナタ」第4番 ニ短調

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Telemann  Duet Nr.4 d-moll
URL : http://papalin.yas.mu/W202/M004/

  ◇公開日: 2006年1月2日
  ◇連続演奏時間: 8分58秒
  ◆録音日: 1984年08月14日 (23歳)
  ◆上記の英語の曲目名をクリックする
    と、Papalinの音楽サイトに直行でき
    ます。


 物憂げな第1楽章。Papalinお得意の短調の曲です。高い音を多用した曲ではありますが、短調の響きがします。不思議ですね。

 第2楽章はVIVACE。相変わらずの飛ばし屋です。32分音符がちょっと雑ですね。こうして今聴き直してみますと、結構あらが気になります。この楽章は、リズム感が均一でないといけないのですが、自分のリズム音痴に呆れてしまったことを思い出します。

 第3楽章は、長調で始まります。優雅に、優美にという意味の"GRATIOSO"です。さぁお待たせしました。ばりばりのフランス・バロック装飾をしてみた楽章です。3楽章ともなりますと、いかに聴き手を眠らせずに、興味をひきつけておくかということが重要になってきます。第3番に続いてのフランス風バロックです。種明かしをしますと、付点のリズムを倍の鋭い付点に読み替えて演奏します。そして、フランス独特の、下からのトリル。この二つに、フィンガー・ヴィブラートを組み合わせたら、はい、フランス風の味付けの出来上がりです。お味はいかがでしょうか。

 終楽章であるALLEGROは、8分の9拍子という特徴ある曲です。前半の16小節目からの4小節、後半の52小節目からの4小節は、2本のリコーダーが、一拍ずつ交互に演奏を分け合うのですが、モノラルで聴くと、各々が同じ音形を繰り返しているように聴こえます。こういうステレオ効果も、テレマンの粋な作曲技法のひとつの特徴ですね。

 20年前の第4番の演奏は、解説でも喋っていますが、大分いやらしい演奏ですね。よく言えば、冒険に満ち溢れた演奏、悪く言えば時代考証を無視した、作曲家の意図したところとはかけ離れた演奏と言えるのではないでしょうか。

 全6曲というソナタの中の、中間部となる、第3番と第4番を、Papalinはフランス風に料理してみました。大きな作品全体という中でのこれらの曲の位置づけとしては、手前味噌ですが、趣味の良し悪しはあるかもしれませんが、面白い試みだったといえましょうか。こういった演奏は、やはり仲間と合わせても、イントネーションは合いません。それは仕方のないことです。なので、アーティキュレーションを完璧にそろえた二人のPapalinの演奏だからこそ実現したものだと思います。

   1-Largo  2-Vivace  3-Gratioso  4-Allegro   (5-Narration)

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【写真】 1983年 ちょっとな~に、この流し目は。最後の大学祭にて。

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この記事へのコメント

2006年01月03日 09:41
4番に至ると、そのフランス風な、退廃的な、世紀末風な演奏は極みに達します。ちょっとだけ種明かししますと、5,6番は、イタリア風にかな? 1番,2番はドイツ風でした。 Papalinのイメージですよ、これが正しいとか言っていませんよ。
aosta001
2006年01月03日 12:53
新春の”IL DIVO”はテレマンですか。
正直やられた!と言う感じです。
テレマンさま相手にこんなに遊んじゃってよろしいのですか(笑)?
でも、「papalin風テレマン」楽しんで聴かせていただきました。
もともとドイツの人なのにその曲のイメージはなぜかイタリア的なテレマン。今回はフランス風の衣装でご登場というわけですね。

第一楽章。私は」この楽章が一番好きです。
どこかメランリックな響き。
たゆたうようなリズム。カノン風に呼び交わすメロディー。思わず目を閉じてその優雅な旋律に浸りたくなります。
第二楽章。「飛ばし屋」papalinさんの面目躍如といったところでしょうか。
papalinさんの若さがきらきらと眩しい演奏です。
第三楽章。papalinさんいわく「フランス風の味付け」ですね。
やられた、と思ったのはこの曲です。
「付点のリズムを倍の鋭い付点に読み替えて・・・」
それだけで、まるでクープランのクラヴサン曲をきくようです。リコーダーの音色とともにクラブサンの響きがしてくるような演奏です。テレマンの「意図」はともかく素敵な演奏です!
aosta001
2006年01月03日 13:06
第四楽章。
「二本のリコーダーが、一拍ずつ、演奏を交互に分かち合う」テレマンのステレオ効果。
思いがけない勉強です。ただ演奏を聴いているだけでは、そのことに全くきがつきません。
楽譜を読んで、演奏して、初めてわかることなのでしょうね(納得)

全曲通して、音がすごく綺麗です。
アルト・リコーダーの音が好き、ということもあるかもしれませんが。
今、また第一楽章に戻って聴いていますが、個人的にはやっぱりこの曲がいいですね。
リピートして聴く事はできないのでしょうか?
2006年01月03日 13:35
僕はテレマンという作曲家は、同時期のバッハが巨匠と呼ばれるなら、テレマンは大衆作曲家だったと思っています。彼は、今で言うなら、月刊誌のように、毎月新しい曲を作曲して公開していたのです。これらリコーダー用の曲も然りで、当時(18世紀前半)の一般家庭での家族での合奏に、リコーダーが使われていたようですが、彼らアマチュア演奏家のためにも作曲していたようです。今月は1楽章を発表したから、来月の2楽章が発表されるまでに、頑張って練習して吹けるようになってね...そんな意図があったようです。

 それで、何が言いたいのかというと、こういう作曲の性格から、"何でもあり"の演奏が許される・・・そんな気がするのですね。
2006年01月03日 13:36
このソナタの第3楽章でフランスを感じ取って頂いたのは、狙い通りであり、それを受け取って下さって光栄です。

 フランスの当時の作曲家で、オトテールという人がいました。彼の曲は、まさにこの第三楽章のように演奏するのです。Papalinは、それがテレマンの作品にも可能かどうか実験したわけで、結果は良好だったということです。もしかしたら、テレマン自身がフランス風の曲を意図して書いたのを、Papalinが感じ取ったのかも知れないですね。

 曲の速度と表現記号(Allegroなど)の中に、シシリアーナという表現があります。これなどはまさにシシリア風に演奏しなさいという直接表現であり、そしてその"シシリア風"というのは、抽象的な表現ともいえます。演奏者が既にどう演奏したらシシリア風になるのかを知っていることが前提ですからね。

 音楽の話題になると、つい力が入ってしまいます。おたく・・・ですかね。(笑)
2006年01月03日 13:45
aostaさん、演奏者は楽譜から入るのが通常です。中には耳から入る人もいるようですが。そうすると、いろいろが見えてくるんですね。

 有名なのは、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の第4楽章です。
 ミ~レドシ~ラシ~~って聴こえるんですが、楽譜を見ると、み~レどシ~らシ~、と、ひらがなの部分は第2バイオリンが、カタカナの部分は第1バイオリンが弾いているのです。これなどは、楽譜を見ないとまったくわかりません。
 ちなみに僕が IL DIVO で公開しているプーランクのア・カペラも、二つのパートがオクターブの行き来をしているですが、聴く人には、片方のパートが高い音を連続して出していて、もう片方のパートが低い方を連続して出しているように聴こえるんです。これが、聴き手と、演奏者との違い、「のだめカンタービレ」のブログへと話は続くのですね。
aosta001
2006年01月03日 15:11
バッハのシシリアーナ。
フォーレのシシリアーナ。
レスピーギのシシリアーナ。
「シシリアーナ」と名のつく曲に惹かれます。
物憂く、緩やかなメロディー。なんとも言えない哀調を帯びた曲ばかりです。

シシリーといえばなぜかナポレオンやマフィアを連想してしまう私です。
(誰ですか?シシリアといったら”たらこスパゲッティ”でしょ?なんていってるのは!)
音楽で言うところの「シシリア風」というのは何か具体的な共通イメージがあるのでしょうか?
>演奏者が既にどう演奏したらシシリア風になるのかを知っている・・・
この辺りのご説明をお願いいたします。
2006年01月03日 16:04
aostaさん、難しい宿題を頂きました。
 シシリアーナ/シチリアーナというのは、17,18世紀頃にシチリアで踊られていた舞曲が起源なのです。8分の6とか、8分の12、つまり、大きな拍だと、2拍子(3連符*2)もしくは4拍子(3連符*4)なのですが、その各拍子の中が3連符で構成されています。クララ ウララ クララ ウララ という拍子です。これに、ターリ ラーリ ソーリ ラーリ という付点の旋律が乗っているのです。他には、"ナポリの六"と呼ばれる特徴的な和音があるのですが、これは文字で書いても理解できないと思いますので、何かのついでの時に...。

 いずれにしても、舞曲が出身の曲ということですから、ダンスをイメージできる演奏でないといけないのですね。
sakura
2006年01月03日 21:49
こんばんは。
今 曲を聴きながらコメント書いていますが ほんとうに清らかな音色です。Papalinさんが演奏しているところを想像できるようなできないような感じはしますが。(実際演奏しているところみたことないので)
sakura
2006年01月03日 21:55
途中Papalinさんの声も入っていてびっくりでした。でもいい声でしたよ。
2006年01月03日 23:28
sakuraさん、ドイツ人を誘って、フランスを旅したような気分になれましたか? もう20年以上前の録音です。でも、録音が残っているというのはいいもんですよ。もうあの頃には戻れませんからね。写真と同じようなもんですかね。
2006年01月03日 23:31
sakuraさん、若い声でしょう? 学校を卒業して、社会人一年生の時の声です。実は僕は、中学生の頃から、自分の編集したテープを作るのが好きで、オタクしてました。(笑) さすがに中学生の時の声は可愛らしいですよ。変声期の途中って感じのもあってね。
aosta001
2006年01月05日 23:00
papalinnさん...
シシリアーナの説明ありがとうございました。
といってもその実、わかったような、わからないような・・・というところが本音です。
「ナポリの六」と呼ばれる特徴的な和音・・・
その和音は、このシシリアーナのみ使われる和音という意味なのでしょうか?
2006年01月05日 23:57
aostaさん、"ナポリの六"というのは、シシリアーナの曲をシシリアーナたらしめている特徴的な和音だと思って下さい。六というのは、六度のことで、隣り合うドとレの関係が2度と呼びますので、ドとミの関係が3度・・・ドとラの関係が六度ということになります。この六度に秘密が隠されているのです。(結局説明になっていませんね。またいつか。)
 "ナポリの六"がシシリアーナにだけ使われているわけではありません。あくまで特徴付けている一つの和音に過ぎません。
2006年01月20日 00:07
素晴らしい...。初めて最後まで通してじっくり聴かせて頂きました。良いセンス。
virtuoso Papalin...大変良い趣味です。
2006年01月20日 01:07
◆◆ 初めて最後まで... 天使♪さん

 ありがとうございます。お忙しい人がまぁよくも4楽章を聴いていただけたものです。

 あれはPapalinがまだpre-Papalinだった頃の演奏です。今のPapalinは、また解釈が変わっています。先々10年のうちには、グレン・グールドのように、味わい深い2度目の録音をしたいと思っています。54歳になるまでに。お褒めの言葉、嬉しいです。
2006年01月25日 18:00
こんばんは~♪
今日は、第4番まで聴かせていただきました。
驚いたのは、すごく速いところでも、少しもずれていないこと。
すばらしいです~

なんか、咳がひどくなってきました。(^^;
またね・・・
2006年01月25日 18:45
◆◆ 今日は、第4番まで... レイさんへ

 ひょっとして、Papalinの演奏を聴いて、風邪が悪化しました? そうだとしたら、早く5番と6番も聴いて、完結させた方がいいですよ。(?)

 レイさんは、一人多重奏の経験がおありですよね。僕が驚いたのは、メトロノームに合わせて演奏すると、普段の演奏がいかにテンポが一定でなかったかに気づいたことです。ある音型になると遅れたり、逆にまたある音型のところでは"走ったり"。自分がいかにリズム音痴なのかに気づきました。それ以来、メトロノーム博士には頭があがりません。ですから、非常に苦労して録音しました。昨日のことのように覚えています。
2006年12月13日 20:54
去年1月に聴いて以来、久々に聴いてみました。癖のある演奏ですが(失礼!)、楽しめます。うまいを通り越して唖然とする感じもあります。
 handelは来年1月からこの曲を練習しようと思います。でも、とてもPapalinさんみたいに速く演奏はできそうもありません。わたしなりに楽しめればと思います。
2006年12月14日 00:03
◆◆ 久々に聴いてみました... handelさんへ

テレマンよりも、最近はヘンデルのリコーダー曲の渋さがお気に入りのPapalinです。

ようこそお出で下さいました。そして、拙い演奏を聴いて下さって、ありがとうございます。23年も前の録音ですが、録音を残しておいてよかったなと思う瞬間でもあります。

僕はテクニック的にはこれで一杯いっぱいなので、速いですけど、誤魔化しだらけです。handelさん、納得のいく演奏をお祈りしております。

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