東山魁夷 「白い馬の見える風景」
驚きました。1999年に逝かれた日本画家、東山魁夷。彼が描いた、一頭の白い馬が風景の中に佇む18枚の画。それらを見たとき、デジャヴ、そうかつてこの光景を見たことがあると、確かに思ったのです。
正しは、僕は光景を見たのではありません。この画集に、つい最近図書館で遭遇しました。彼には数々の名作があるのですが、このシリーズを目の当たりにしたとき、僕はまるで自分の撮った写真とそっくりなのに気づいたのです。
もちろん彼が先に画を描かれており、僕が後から写真をとったのは間違いないのですが、僕は彼の画を知りませんでした。唯一知っていて、「あ、この景色はあの画と同じだ!」と思って撮ったのがこの写真です。
ネットで18枚の画を、かなりくまなく探しました。美術館、画廊、絵画販売関係など。でも、殆ど画像は揃いませんでした。僕は彼の青緑の写真に、ことごとく惹かれました。そんな僅かに手に入った画像との対照になりますけれど。ここからは不思議な体験の実例になります。
以上は景色そのものも似ていますが、次のは構図の取り方がよく似ています。
魁夷は30年の時を経て、再び馬を描くようになりました。以前の馬は、画の中心にいました。でも、30年後に蘇った馬は、風景に優しく溶け込んでいます。唯一ではないかと思うのですが、宙に白馬を浮かせた画です。
画集には、彼の言葉が添えられていました。
僕は、以前ある知人にお話したことがあります。
図書館で一人興奮し、恐怖感すら抱いていたのは、言うまでもありません。
正しは、僕は光景を見たのではありません。この画集に、つい最近図書館で遭遇しました。彼には数々の名作があるのですが、このシリーズを目の当たりにしたとき、僕はまるで自分の撮った写真とそっくりなのに気づいたのです。
もちろん彼が先に画を描かれており、僕が後から写真をとったのは間違いないのですが、僕は彼の画を知りませんでした。唯一知っていて、「あ、この景色はあの画と同じだ!」と思って撮ったのがこの写真です。
ネットで18枚の画を、かなりくまなく探しました。美術館、画廊、絵画販売関係など。でも、殆ど画像は揃いませんでした。僕は彼の青緑の写真に、ことごとく惹かれました。そんな僅かに手に入った画像との対照になりますけれど。ここからは不思議な体験の実例になります。
以上は景色そのものも似ていますが、次のは構図の取り方がよく似ています。
魁夷は30年の時を経て、再び馬を描くようになりました。以前の馬は、画の中心にいました。でも、30年後に蘇った馬は、風景に優しく溶け込んでいます。唯一ではないかと思うのですが、宙に白馬を浮かせた画です。
画集には、彼の言葉が添えられていました。
「絵になる場所を探すという気持を棄てて、ただ無心に眺めていると、相手の自然の方から、私を描いてくれと囁きかけているように感じる風景に出合う。その、何でもない情景が私の心を捉え、私の足を止めさせ、私のスケッチブックを開かせる。」
僕は、以前ある知人にお話したことがあります。
「写真を撮るときに、僕は頭で考えてはいません。対象は花のことが多いのですが、例えば桜や梅をとるときは、花が僕を呼んでくれるんです。『私を撮って。』ってね。だから僕はそれに惹かれるようにして構図をとります。僕の場合は、構図が先にありきではないようですね。それはもう身体に染み付いてしまっているのかも知れません。誘われるがままに、僕はシャッターを切らされているように思います。」
図書館で一人興奮し、恐怖感すら抱いていたのは、言うまでもありません。
この記事へのコメント
これだけ、同じ構図があると、鳥肌が立ちませんでしたか?(^^ゞ
で、私の考えでは、これはPapalinさんが意図せず「美」というものを、知っていらっしゃるからだと思います。
絵と写真、同じように被写体に呼ばれることも、あの美しい音を作り出すことも、深奥に隠れているPapalinさんの「美意識」のなせる技と思いますが。いかがでしょうか。
東山魁夷、20代前半でしょうか夢中になったことがありました。
それも今回のブログタイトルになっている「白い馬の見える風景」が一番好きでした。
それまで洋画ばかりを偏愛していた私にとってまず入りやすかったのがこの「白い馬」の連作だったのでしょうね。
そうしたこともあって、この作品集の絵は大体のところ頭の中に入っておりました。
魁偉の絵とpapalinさんの写真に共通しているものは構図だけではないと思います。
お二人の作品にはともにリズムがあります。
音楽と言い換えてもいいかもしれません。事実魁偉はこの画集の序文でモーツァルトのピアノ協奏曲K488について言及しています。
魁偉のイメージの中の「白い馬」は、あたかもモーツァルトのこの曲の中で繰り返される主題と変奏のように、繰り返し現れ彼に語りかけます。
被写体に呼ばれるごとに胸を高鳴らせてシャッターを切る瞬間、モーツァルトは聴こえてきませんでしたか?
はい~、鳥肌なんてもんじゃなくて、全身総毛だってしまいました。「全員、起立!」って感じでしたよ。
う~ん、僕の美意識ですか?
それは、IL DIVO Papalinのポートレイトに代表されるかと思います。ひどいね。(笑)
電線が大嫌いなので、風景の写真は、おのずと限られちゃうんです。魁夷の画もそうですが、素晴らしい画家の画は、光の捕まえ方が上手いです。
魁夷がモーツァルトを始めとするクラシック音楽に造詣が深く、彼の画と特定の曲が結びついていることを、画集で知りました。K488の第二楽章については、「緑響く」と強烈な関係があるようです。
あ~あ、次回のネタにとっておいたのに、書かれちゃった。(笑) でもよいのです。きっと書きますから。一年以内に...。
はい、残念ながら、モーツァルトは聴こえて来ませんでした。僕の耳に響いたのは、CANONのEOS20Dの、ちょっと、いやかなり大袈裟な、ちょっとチープなシャッター音です。次のカメラを物色するときは、シャッター音も重要な判定要素にします。(笑)
一瞬、カノンかと錯覚してしまいました(笑)!!
そうそう。カメラのキャノンです。
カノンと同じスペルですね。
田舎の開業医として休む間もなく働いてきた義父はとうとうゆっくりしないまま亡くなりました。
夫も私も魁夷の青い絵が大好きです。
近くの棒道を流れる雪の日の湧水からの流れも、先月訪れた精進ケ滝の細く長い流れも、また先週行った南相木ダムへの道中の唐松林の紅葉も・・・こちらに来て眺める景色は魁夷さんの絵のようと何時も思います。
東山魁夷と同じ感性を感じられたPapalinさんの心に、一筋の光が流れ込んだ事でしょうね。
これからの写真楽しみです。
ダムと言うより道中の山々、唐松林が素晴らしかったんです。
進むたびに車中は大歓声!
次のカーブを曲がると無言!
全員息をのむほどの神秘的な美しさでえしたから。
前夜来の霧雨があの素晴らしい紅葉グラデーションを作り出したのだと思いました。
(絵には描けない美しさ!)
これを表現するのが芸術なんですね。
お久しぶりです。またほっつき歩いていたのですね?(方言)
ここにアップした画像の色が、本物とはかなりかけ離れたものだとお気づきでしょうね。魁夷の青、緑は、もっと深みのある色ですね。是非、みなさんにもちゃんとした画集でご覧になっていただきたいですね。
お義父さまの遺言、ファースト・フード、ファースト・ライフの現代にこそ、重みがあります。
随分と急なお話ですねぇ。でもこのコメントをご覧になって行かれる方がいらっしゃるかも知れませんね。
そうかぁ。芸術は現物をも凌駕することがあるのですね。確かに、画は、最高の条件です。写真は偶然の賜物かも知れません。
アリストテレスのようですね。
他に、こんなのもありますよ。
「芸術は使命は、自然を模倣することではなくて、自然を表現することである。」バルザック
「芸術は、盗作であるか革命であるか、そのいずれかだ。」ゴーギャン
「術は技芸ではなく、芸術家が体験した感情の伝達である。」トルストイ
僕は、トルストイの言葉が好きです。
今K488の第二楽章を聴いたところです。
文化勲章受賞の吉田秀和さんが天上の音楽と称えた章でしたか。
私もこの「緑響く」が大好きです。
それにしても写真を撮られてこんなに重なるというのは驚きですね。信州と言う懐深い自然の中にいると見る人は自ずと同じ構図に感動し、捉えるのでしょうか。
音楽家、写真家、園芸家などなど1日48時間活躍していらっしゃる・・・凄い人ですね!!
思わず、懐かしいなあってつぶやきました。papalinブログとどう関連するのか、ワクワクして読みました。わたしもaostaさんと同じように大学の頃か、社会人成り立ての頃、夢中になりました。杉木立の青い絵が好きでした。papalinの写真と重なるのは、信州の美しい自然、山並みをモチーフにしていたからなんですね。きれいだなあって思ってましたが、信州だったんですね。
当時、大枚をはたいて、画集を買いました。お嫁に行くとき、持っていこうとしたら、母が、「これは、とても気に入っているから置いてって」と言われました。その後、やはり手元に置いて、今、パソコン横に置いて、見つめ直しています。
あ~、きれい。papalinはきっと、「晩鐘」も気に入ると思いますよ。
週末の朝にK488。いいですね。
天上の音楽ですか。納得です。
魁夷とモーツァルトについては、またそのうちに書こうと思っています。
「緑響く」・・・惹かれる画です。僕が撮った写真に、白馬を合成しようかと思いました。(笑)
へぇ、すごいなぁ。皆さん若いときから魁夷のことをご存知なのですね。感心致しました。
僕は、ルーブルもウフィッツィも大英博物館も訪れていますが、日本画家の画にこれほど惹かれたのは初めてです。
結局、お嫁入り道具にはならなかったのだけれども、今は手元にあるのですね。よかったですね。僕と魁夷の繋がり、それは"信州"を介在していたのかもしれません。実はもう一つあるのですが・・・。それはきっとモーツァルトでしょう。
「晩鐘」・・・魁夷のドイツ在住の頃の画は、もう一つの楽しみでもあります。北欧を描いた作品も素晴らしいですね。今回は、殊更目に飛び込んできた「白馬の・・・」にスポットを当ててみました。
ハリーポッターの第1章で出てきたユニコーンが登場した森の雰囲気に似ています。白馬の不思議な雰囲気も。
ほんとだ、そうですね。
ハリーポッターの作者も魁夷を知ってたかもね。
お2方の生まれ持った感性、同じです♪
アーティスト・・・素敵な響き♪
これからも楽しみにいたしておりますね♪
同じかどうかは疑問ですが、感性って、おっしゃる通りに、生まれ持ったものかも知れないと思うことがあります。研ぎ澄まされるのは後天的かもしれませんが、感性の根幹って、天性のような気がします。
はじめまして。ようこそ。
え、そうなのですか?
僕が図書館の魁夷の画集の解説で読んだのは、信州~甲斐を旅した際の作品であるとだけ書かれていました。ですから、御射鹿池だとは知りませんでした。
僕のこの写真、何を隠そう、御射鹿池です!!!
そうだったんですか。
同じものを見たんだ。
我が家から車で10分です。
(ブログは初めてで、エチケットを知りませんが、すこし脱線してもいいのでしょうか?)・
昨日文化の日、テレビでたまたま見た二つの番組(モーツァルトの一代、渥美清の人生)からこの二人には哀しさや優しさによく似た点があると思いました。勿論二人とも大好きです。
はい、遠慮なさらず、どうぞ。(微笑)
このブログは脱線を無意識にすることが得意なオーナーと、脱線を実践するのが得意なコメンテイターとで成り立っております。
モーツァルトと渥美清・・・・・これは新説ですぞ! 僕は渥美清=寅さんという認識ですが、二人とも哀しさと優しさがあると...。なるほど、僕は今日まで二人の共通点を見出せずにいましたが、そうでしたか。φ(..)メモメモ
僕がいまこうして、りでけんさんからコメントを戴いて思う二人の共通点は、哀しさと優しさ、特に哀しさの方は、二人とも表に出さない、行間を読ませるタイプだなということでしょうか。
お粗末でした。りでけんさんの感じられたこと、ここで展開&発展されて構いませんですよ。
PS:ちょっと関心事。"りでけん"で、ネットで検索をしてみたのですが、一件もヒットしませんでした。どんなネーミングなのかなぁって思いました。
一つ書き忘れました。
僕は"軽い奴"ですので、お見知りおきを。
これには感動し、しびれました。了解しましたよ。
さて、”りでけん”は僕の以前のメールアドレスの一部です、お経の文句のような響きが気に入っています。
蓼科には、もう30年近く、毎夏に出かけています。蓼科山のふもとに、親類の別荘を使わせてもらっています。ですから、あの辺りには、沢山の思い出があって、とても懐かしいところです。
僕も,人後に落ちない"軽い奴”です。雑学大好き人間です(かなり偏りはありますが・・)。
では、Papalinさんのホスピタリティに乾杯!
どもども。(照笑)
"りでけん"検索。実はヒットしたものがありました。「 ワタシもいつもゎほなにばっちりでけんけど...」という、とある関西地方在住か出身の方の日記でした。笑っちゃった。
そうですか、こちらに来られるのですね。おいしい空気を吸いに、ドシドシお出かけ下さい。このブログで満足・・・されてはいないでしょうから。(笑)
東山魁夷・白馬幻想 建悟
”緑濃き御射鹿の池や馬の影”
”馬映ゆる御射鹿の池面緑濃し”
並べ終わって、鹿と馬の語順がひとつの問題になるなあと、滅入っています。
Papalinさんはどう思いますか?
あはは。
最近のブログで、似たようなことを書いたばかりだったので、つい笑ってしまいました。
そうかぁ、あの絵が御射鹿池だとすると、魁夷は馬とのマッチングを既に頭に入れていたのかもしれない...。そんな馬鹿(!)な。
"白馬見ゆ 現と幻 御射鹿池"
こんなんできましたが、どうでっか?
季語が入っていませんね。(笑)
無季の俳句形式として「魂の一行詩」提唱を、角川春樹さんは進めています。私は無季も大好きだから、一行詩は大歓迎です。
昨日は、高柳和江医師の講演を聴いて、度胆を抜かれました。すごい人でした。
癌でさえも治せる万病向けの処方箋は、1日に5回大笑いし、5回感動すること、ただし副作用があって、腹がよじれる恐れありと。
先生の実験の一つによると、気に入った絵を眺めていると免疫力が平均17%アップする由、すると東山魁夷絵画は実効がありますよ。
また昨日数えてみると、私は5回感動していました。Papalinさんのブログもその中の1回でした。
笑った回数は数知れずでしたので、癌対策は万全です。
また脱線してしまいましたね。
そうですかぁ?
おだてられるとすぐ木に登ってしまいます。
瞬間的にひらめいた句(と呼べるかどうか)にしては、なかなかいいじゃんと、自句自賛しておりました。お~ナルシスト!
高柳和江医師、個性的なお医者さんですね。患者との距離感を感じさせないお人柄がいいです。笑いが健康にいいってこと、様々なところで読んだり聴いたりします。癌も免疫力で撃退したいものです。いい絵も沢山観て、いい音楽も沢山聴いて・・・・・。
そうだ、いい音楽を沢山アップしよう。IL DIVO Papalinのサイトにね。あれ、みんな免疫力が低下しちゃったりして。(笑)
うまいことを仰いますね。
このブログ、一昨日辺りからちょっと動きが鈍いんです。僕も同じお返事を2通送ってしまいましたもの。一つ、削除させていただきますね。
はじめまして!
嬉しい~♪こんなデジャブ~♪
いろいろ見せていただき感激です!
東山魁夷の大ファンなのです!
また、お邪魔虫させてくださいね!
はいはい、いらっしゃ~い。
魁夷さんがお好きなのですね?
僕はご覧の通り、まだ駆け出しです。
デジャヴ、自分が一番驚いたでしょう。
実は他にも、秘蔵の写真が・・・・・。
また気が向いたら載せますね。
お気軽にどうぞ。
(^_-)db(-_^) ユビキリゲンマン