《本のレビュー》 『すてきにコミュニケーション』 経田 博子 著
そうです、FMいみずのパーソナリティとして、Papalinを招待してくださった経田(きょうでん)さんが書かれた本です。Papalinが去年プライベートでちょっと大変なときに、遠くから励まして下さいました。そのときに戴いた本です。
これは、平成7年に、25回にわたって北日本新聞の朝刊、生活面に掲載されたエッセイ(でいいのかな?)をまとめられたもの。毎回のエッセイーに登場する人物は、経田さんが実際にお会いしたり、経田さんのお友達であったり、経田さんの人脈そのものです。出会い、触れあい、感動し、感謝し・・・、そういったものが、この本には満載でした。読んでいて心が温かくなります。使われる言葉にとても気遣いを感じて、でも言葉に力がある・・・。素晴しい方と知り合うことができました。彼女のそんな人脈の中の末席に僕も加えていただけたのかなと、僕も嬉しくなってしまいました。何も力はありませんが。(笑)
今回の富山行きで、何人かの人とお会いしました。経田さんから紹介された方々です。その中のお一人に、富山県で工房を構える彫刻家、笹川むもんさんがいらしゃいました。当日の朝アポを取らせて戴いたにも関わらず、快く迎えて下さいました。ご自身は分野を特定されない彫刻家とご紹介したらよいのでしょうか、木も鉄も石も、何でも作品の材料にしてしまう方です。僕の音楽に対する取り組み方と似ているなと思いました。深さは比べようもないと思いますが。いま製作中のものも、材料の質感、形、色合いなどを活かしたものばかり。
その、笹川むもんさんについて、経田さんが書かれています。むもんさんが、木から羽ばたいたときのお話でした。拝借しましょう。
経田 博子さん
笹川 むもんさん
これは、平成7年に、25回にわたって北日本新聞の朝刊、生活面に掲載されたエッセイ(でいいのかな?)をまとめられたもの。毎回のエッセイーに登場する人物は、経田さんが実際にお会いしたり、経田さんのお友達であったり、経田さんの人脈そのものです。出会い、触れあい、感動し、感謝し・・・、そういったものが、この本には満載でした。読んでいて心が温かくなります。使われる言葉にとても気遣いを感じて、でも言葉に力がある・・・。素晴しい方と知り合うことができました。彼女のそんな人脈の中の末席に僕も加えていただけたのかなと、僕も嬉しくなってしまいました。何も力はありませんが。(笑)
今回の富山行きで、何人かの人とお会いしました。経田さんから紹介された方々です。その中のお一人に、富山県で工房を構える彫刻家、笹川むもんさんがいらしゃいました。当日の朝アポを取らせて戴いたにも関わらず、快く迎えて下さいました。ご自身は分野を特定されない彫刻家とご紹介したらよいのでしょうか、木も鉄も石も、何でも作品の材料にしてしまう方です。僕の音楽に対する取り組み方と似ているなと思いました。深さは比べようもないと思いますが。いま製作中のものも、材料の質感、形、色合いなどを活かしたものばかり。
その、笹川むもんさんについて、経田さんが書かれています。むもんさんが、木から羽ばたいたときのお話でした。拝借しましょう。
■ 彫刻家の自分との出会い
直径1.5メートルの卵型をした御影石の前で、笹川さんは立ち止まった。「この石で彫ってみよう」。そう決めたのは、現地に着いて三日目のことだった。
井波町に住む彫刻家・笹川育也さんがポートランドで開かれた野外石彫刻ワークショップに横山善一さんと二人で参加したのは二年前のことだ。のみを持って二十余年になる笹川さんも意思を彫るのは初めて。どの石を見ても冷ややかに感じ、素材に馴染めないまま時間が過ぎていった。
「この石を指して『バルト海を渡って、スウェーデンから氷河に乗って流れついた石』って現地の人が説明したわけ。なんか惹かれてね・・・。ようやく会えたって感じだった」
この日から、道具を購入して石との対話が始まった。ジャッという鈍い音をさせてダイヤモンドカッターを石に入れると、石埃がもやっと立ち昇る。石埃の中で自分のイメージを追いながらジャッ、ジャッとカッターを当てていった。
彫り始めて二週間、対面していた石にほんのわずかだが表情が出てきた。冷ややかだと思っていた石にぬくもりが感じられるようになった。「なんていったら良いのかな・・・。ずっと筆で絵を描いていた人が、初めてクレヨンで描いたような不思議な感覚なんだよね」。彼はバルト海沿岸諸国を結ぶ心を表現した「アクア・フレンズ」を創りあげた。
ずっと木を彫り続けてきた彼がポートランドで人に出合い、医師に出合い、そして花や風に出合って、一つの作品が誕生した。いろいろな出合いが新しい出合いをつくっていったのだ。
今月二十二日から「いなみ国際木彫刻キャンプ」が始まる。国内外からの作家十九人に町内から百六十人の作家も加わって作品を制作する。笹川さんも作家の一人として参加すると言う。
木彫りの里でコツコツとのみを握りしめてきた笹川さん。彼のこれからの歩みの前に、どのような出合いが待っているのだろう。
経田 博子さん
笹川 むもんさん
この記事へのコメント
経田さん、むもんさん、本当に素敵な方たちでしたね。
ふんわりと暖かく包み込むような笑顔で話される経田さん。柔らかなかなお話の仕方はアナウンサーというお仕事によって身についたと言うより、本来彼女が持っていらっしゃったものと言う気がいたします。
ご本を拝見してもそのお人柄が伝わってきますね。
今回初めてお目にかかったむもんさん。
彫刻家と伺って、しかつめらしいお顔を連想していたのですが、さにあらず。
とびきり人懐こい笑顔と優しい眼差しの方でした。お作りになる作品には、激しい「気」のようなものを感じるもの、穏やかで慈しみにあふれたものと多様でしたが、そのどれもがむもんさんでした。
経田さんのお人柄ゆえの素晴らしい人脈。
その末端につながれたことが、とても嬉しいです。
aostaさん、ありがとうございます。
本当にそうでしたね。
いい人には、人が集まってくる・・・
本当にそう感じましたね。
むもんさん、魅力的な方でした。
昆虫採集、しかも珍しい標本を見せて戴いて、専門的なお話でお二人だけで盛り上がっていらっしゃいましたね。(笑)
僕らがモンシロチョウチョウだと思っている蝶々は、実は違うんだというお話、目からウロコでした。
元祖タンポポと、西洋タンポポみたいだなぁって思いながら、お話を聴いておりました。
私もまさか古えの記憶を引っ張り出して、むもんさんと蝶や蛾のお話で、盛り上がるなんて、っても見ませんでした(笑)。
考えてみれば蝶も蛾も非常に美しい意匠のものがあります。創作のイメージを触発されてもおかしくはないのですが・・・
何十年も前の標本が当時の美しさそのままに保存されたいたのにはビックリ!
私が作ったものは、とうの昔に虫に食べられちゃいました。
でも、お部屋の片隅に楽譜があったことにも、おどろきました。偶然とはいえ、むもんさん、フルートを演奏なさる方だったんですね。
Papalinさんにとっても嬉しい驚きだったことと思います。
aostaさん、ありがとうございます。
確かではないのですが、1970年代、80年代に採取されたものが多かったように思います。そうしますと、30年とか、40年近いかもしれませんね。僕みたいな素人には、どの蛾や蝶が貴重なのかはわかりませんが、それでも、お二人が「非常に珍しい」と仰っていた"蛾"は、確かに美しかったです。蛾を美しいと思ったのは初めてのような気がします。
フルート、ありましたね。
しかも驚いたのは、むもんさんが、ご自分で改造なさっていたこと。漆を塗ってみたものや、圧巻だったのは、頭部管以外の部分をご自分で造られたというフルート。金属よりも厚い"木"で造られていましたから、持ちやすいように、ところどころ無理とへこませていたり・・・。
どんな音がするのか、聴けなかったのが返す返すも残念です。次回ですね。(笑)