◆IL DIVO◆ わが青春はすでに過ぎ去り
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Mein junges Leben hat ein End
URL : http://papalin.yas.mu/W206/M001/
◇公開日: 2007年9月12日
◇連続演奏時間: 6分15秒
◆録音日: 2007年9月 (46歳)
◆上記の英語の曲目名をクリック
して、Papalinの音楽サイトから
お聴き下さい。(視聴?・試聴?)
8フィートの楽器があったら、是非とも演奏してみたい曲だった。
リコーダー・アンサンブルの英雄:アムステルダム・ルッキ・スターダスト・カルテットのCDでこの曲を聴いたときに、グレートバス&コントラバス・リコーダーの音色に魅せられた。
実はその昔、僕が高校生だった1970年代に、FM放送で、ウィーン・ブロックフレーテ・アンサンブルというリコーダー・コンソートの演奏の模様が放送された。そのときに初めてこの低音楽器の音を聴いた。身体が震えた。鳥肌がたった。でもそのときはゆったりとした曲ばかりだったように記憶している。
ところが、このルッキはすごい。大きな楽器でよくもこんなに指が回るなぁと思ったものだった。そしてアンサンブルの音色もとっても美しかった。
昨日、エオリアンさんのホームページで、この曲の楽譜を見つけた。これはエオリアンさんがアンサンブルをより充実させるために手を入れられた楽譜だ。
素晴しい。
どうしても演奏したくて、夜更けに演奏録音してみた!
難しい。
何が難しいのか。コントラバス・リコーダーの左手の親指だ!
他の全てのリコーダーは、高音を出すときに、左手の親指のホールをやや開けて音を出す。ところがこの楽器は、左手の親指のところにキーが二つ付いていて、1オクターブ目は一つのキーを押す。高音はもう一つのキーを押すのだ。これがなかなか慣れない。またこのキーの動きが実はよくない。ぺたっとくっ付いてしまって離れなくなる。F⇒Gという音の進行で雑音が入るのはそのせいである。なんとかクリーニングしたいと思ってる。
というわけで、結局コントラバスの左手親指の限界スピードで演奏せざるを得なかった。本当はもう少しテンポを上げて演奏したい。ただでさえ、延々と変奏が続く曲だ。しかも一曲で6分を越える・・・。
本村先生による、あるリコーダー・コンソートのグループのレッスンを聴講した。そのときに聴いた言葉が、頭に残っている。正しく言葉までお伝えできるかどうかは別として、こんなことを仰っていた。
「アマチュアの皆さんには、アマチュア・テンポというのがあって、大抵においてそれは、指がまわらないとか、タンニングが追いつかないとか、そういう後ろ向きの理由によって決まるようですね。でも僕は、その曲にはその曲に相応しいと感じるテンポというのがあると思うんです。まずはそのテンポはどのくらいなのか、しっかり見据える必要があると思います。そして、そのテンポで演奏できれば一番いいし、できなければそれに近づくような練習をするべきだと思います。」
まったく異存はない。僕もその通りだと思っている。
テナー・リコーダー (プラスティック製:ヤマハ)
バス・リコーダー (木製:メック)
グレートバス・リコーダー (木製:ヤマハ)
コントラバス・リコーダー (木製:全音)
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この記事へのコメント
だからフレミッシュか、イタリアンです。(笑)
というわけでスヴェーリンクは大好きです。
ちょっと哲学的イメージもあるなぁ・・・・
速いパッセージチェンバロで弾く時は親指を使わないで中指と薬指の連続とかのフリンガリングを使います。めちゃくちゃ練習しました。
不自由な指で表現する語法が面白い独特の流れを作るんだと感じていました。
後半のリコーダーの速いところがそれにあたるんだけど、ぞくぞくしちゃいました。駆け上がるところにも哀愁がただよう感じ。スラスラできればいいってもんじゃないんだよね。でいってポジティブなエナジーが湧き上がってくる感じね。 よかったです。
かおるさん、ありがとうございます。
僕が練習嫌いなのはよくご存知かと。(^_^;)
これでもトレーニングというか、何回か録音しながらですが練習したのですが、こんなもんですわ。
リコーダー、それもバロック時代に改良された楽器は、オーボエやクラリネットと違って、管が先細りです。だから低音が響かないんですね。上昇音階は嫌でもクレッシェンドに聴こえてしまいます。(^_^;)
> エナジーが湧き上がってくる感じ
ありがとうございます。
めちゃくちゃ練習してもです
親指を使わない当時の習慣は現代の音楽にはない、ちょっとデコボコで独特な音の流れを作ったんだと思います
私はそのスラスラとはいかない音のしゃべり具合が
時代を語っているようで大事なことだと思っています。
リコーダー奏者は耳で聴い耳で感じて判断するのでしょうね
楽器の特徴が影響することもあるでしょう
チェンバロのこの運指は、親指を使うとデリケートな鍵盤の下のバーが曲がってしまうからだということです。
しっかりした作りのジャーマンチェンバロで演奏するならともかく、繊細なフレミッシュやイタリアンで演奏するスヴェーリンクやフレスコバルディの場合の音の語りですね
美しい音の流れはただ練習だけで生まれてくるものではないと実感します。
かおるさん、ありがとうございます。
音程について耳をそばだてるというのは、管楽器やヴァイオリン族などでは当たり前にやっていることだと思うのですが、そうでない演奏を聴いたときに違和感を覚えます。鍵盤楽器では自分で調律する以外、演奏が始まったらどうしようもないことですね。
チェンバロの弾き方、楽器の構造上の問題でもあるのですね。今の復元楽器なら何らかの補強はしてあるんでしょうね。
やっぱり楽器の構造って、管楽器とか、弦楽器とか、鍵盤楽器とかで、音楽作りにも大きな影響があるんだなぁと思って読ませてもらいました。
不可能と思うでしょ?
でもいろんなアンサンブルをして合わせをしていると私はピアノだからなんて偉そうな事言っているわけにはいかないと常々工夫しています。
低音の響かせ方旋律の歌わせ方、ペダリングなどでハーモニーや音程って随分変るものなんです。倍音の使い方です。
同じ音を同じ楽器で演奏してもソリストに合わせて音を変化させることができます。音程もしかりです。
まさかと思うかもしれませんがピアニストの腕でハーモニーは変ります。
伴奏者としては
そのソリストが一番心地よく演奏できる状態を作りたいですね
そのためにもアコースティックのいいピアノで優れた調律。ピアニストとしては感涙ものですね。
チェンバロの復元楽器がなんらかの補強をしてあるなんて話は聞いたことがありません。補強をしただけで音の響きが変ってしまうのではないでしょうか。
ヒストリカルの意味がなくなってしまうと考えます。
音を聴くと、絵が浮かんでくるのですが、ルネサンス期の絵が、何となく目の前に浮かんでいました。
かおるさん、ありがとうございます。
ピアニストの腕でハーモニーは変わる・・・
非常に新鮮な言葉です。
私たちが聴いている本物のプロの演奏は、こういうことに神経を払っているのかもしれませんね。理屈で考えると、倍音とリアルに弾いている音とはぶつかっているはずですから、倍音を活かすためにはきっとリアルの音を殆ど響かせないでしょう。これこそ芸術の奥義かもしれませんね。
チェンバロは補強もなしで昔のままですか・・・。
欠陥を抱えていてもヒストリカルが優先・・・。
これに関しては私は大いに異論のあるところでして、何が本物かという議論になってしまうのですが、難しい選択ですね。
沙羅さん、ありがとうございます。
音楽から絵が見えるなんて、とっても光栄!
さて、どんな絵だったのでしょうね。
芸術も学問も歴史も全部つながっているって感じがしますよね。嬉しいです。
何気なく録音したように言われながら細かい節回しを聴いていますと、ふと襟を正す思いがします。微妙に音が重なったときその揺れをとらえながらアドリブ的に音の重なりを楽しんで居られるところも。
このページを開いてまだ一週間になりませんが急に違う世界に入っていく期待感を味わっています。
エオリアンさんのページをのぞかせて頂いたのも新鮮な驚きです。
これから少しずつ色々感じて行くことにします。
まずは皆様に敬意を!
musicaさん、ありがとうございます。
本人も無意識でいるところを、そんな風に感じ取って戴いて、言葉もありません。音楽を生業とされている方から、私の音楽は間違っているといわれてショゲていたところだったので、救われる思いです。でも襟を正すような演奏ではありませんので、そこのところはお間違いなきよう。(^_^;)
本当は多重録音ではなくて、生で4人で、微妙にテンポも変えながら演奏したいです。
明と暗なのですが。生業とする人は、いろいろの形で暗をまき散らしているのかも???
musicaさん、ありがとうございます。
何だかなぁって感じですね。
生業とされている方も、本当に謙虚で人間的に素晴しい方もいらっしゃいますし、一方で鼻持ちならない方もいらっしゃいます。まぁ音楽家に限ったことではありませんが、自分の胸にも常に人差し指を当てて確認していかねばならないと思っています。
musicaさん、ありがとうございます。
musicaさんは、鍵盤奏者なのですね。
どんなジャンルがお好みなのでしょう。
ちなみに私はルネサンスから近代音楽まで、雑多な好みでございます。(笑)
> 一年中でピアノくんもチェンバロちゃんも
> 一番ご機嫌です。
この時期って、楽器も鳴るのでしょか?
いいですね!
しかし、50歳を目前にしてこの曲を耳にすると、何か非常に切なくなり、思わず涙が出そうになります。最近、何かと肉体の衰えを感じます。酒も女もめっきり弱くなりました。40台前半は、90分2回勝負など平気だったのですが。
自称筋肉マンさん、ありがとうございます。
本当にいい曲です。当時の人も、この曲を聴きながら、過ぎ去った日を慮ったのでしょうか。回春の妙薬にでもなったらいいのにね。
ウィーン・ブロックフレーテ・アンサンブルは僕にとっても衝撃的でした。こんな低い音の出るリコーダーがあるんだと、まだバスリコーダーも見たことのなかったPapalinは驚いたものです。