◆IL DIVO◆ アヴェ・マリア / トスティ

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Ave Maria / Francesco Paolo Tosti
URL : http://papalin.yas.mu/W905/M101/

  ◇公開日: 2010年1月3日
  ◇演奏時間: 3分17秒
  ◆録音日: 2010年1月 (48歳)
   上のアルファベットの曲目名を
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    からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)



聴いたことのないアヴェ・マリア:3曲目です。

トスティだから、期待しました。
でも、トスティのアヴェ・マリアって、どうなんだろう?
官能的過ぎやしないだろうか。

歌詞を読みます。
なるほど、これは普通のアヴェ・マリアではないですね。

同じイタリア語のアヴェ・マリアでも、ルッツィのそれとは、全く違います。
歌詞と訳詞を載せましょう。

Ave Maria    Carmelo Errico (1848-1892)

Per le fulgenti cupole dorate
La melodia dell’organo suonava;
Lento moriva il dì sulle vetrate;
Una nube d’incenso al ciel volava,
E dolcemente da ogni labbro uscia:
Ave Maria.

Nella blanda mestizia di quell’ora
Tutta serenità di paradiso,
Il cavaliere che sospiro ognora
M’apparve, e a lungo ci guardammo in viso:
Fu vana allora la preghiera mia,
Ave Maria.

Dall’azzurro del ciel stendi la mano
A me infelice dal dolore affranta;
Deh! ch’io non pianga e non t’invochi invano,
Arridi all’amor mio, Vergine santa:
Abbi pietà di me, Vergine pia.
Ave Maria.



アヴェ・マリア    カルメロ・エルリーコ

金色に輝く円屋根に
オルガンの旋律が響いていた
日はゆっくりと玻璃窓に死んでゆき
香の雲が天に舞い
どの唇からも やさしく洩れていた
アーヴェ・マリーア。

すべてが天国の清らかさに浸された
その時間の静かな悲しみの中に
私がずっと憧れているあの騎士が現われ
私たちは長いあいだじっと顔を見つめ合った。
その時 私の祈りは虚しかった
アーヴェ・マリーア。

悲しみに打ちひしがれた不幸な私に
空の青さから手を差し伸べてください。
どうか 涙ながらに祈るのが無駄にならないように
私の愛にほほえんでください 聖なる処女。
私を憐れんでください 慈悲深い処女
アーヴェ・マリーア。



聖母マリアを讃える歌でなくても、いいじゃないですか。
人間の女性が主人公の歌でも、いいじゃないですか。
カトリックの神聖な教会で祈祷台に跪いてアヴェ・マリアと祈る人の声が、
遠くからちゃんと聴こえてきます。

"その時 私の祈りは虚しかった"
ものすごく人間味を感じます。


こんな美しいアヴェ・マリアが他にあるでしょうか。
この曲集に収められた作品の中では群を抜いています。


恥ずかしながら、自分の歌を聴きながら、瞼が熱くなりました。
本当は歌っているときから、涙が出そうになって、こらえました。

ミミミとかドドドとかが続く、単純な旋律の曲なのに・・・、
なぜ?


1番の終止のアヴェ・マリアのところ、歌った時にドキッとしました。
こんな和音にするのは、トスティくらいでしょう。

2番の終止はどうなの?
同じことは2度はしません。

3番の歌詞は僕にとっては、col cantoそのものです。
さすがです、降参です。


お聴き下さい。 <(_ _)>


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この記事へのコメント

ichi
2010年01月07日 23:40
**単純な旋律の曲なのに・・・

・・・という言葉で、ふと思ったのは「さだまさし」の音楽でした。じわっと潤う感じがあります。
アヴェ・マリアの曲の共通項って何だろう?曲づくりに決まりはなさそうだけど、ゆったりしていてくつろげますね。元気がない時にいいかもしれません。
Papalin
2010年01月10日 09:06
◆◆ ふと思ったのは「さだまさし」

ichiさん、ありがとうございます。
なるほど。「雨やどり」なんかそうですね。
でも、さだまさしの場合は、言葉優先で、小節の中に言葉を押し込んでいるといった感じかな。そういう意味では、オペラのアリアの間でうたわれるレチタティーボに近いかも。こちらトスティは、音型に美しく乗っています。

> 共通項って何だろう?

作曲者の信仰心そのもの・・・なのでしょうね。神イエス・キリストに直面できず、マリアを通して神様に取次ぎを請う、そうした対象のマリアを讃える歌なのですから、絶大なる信望を寄せての作曲となりますでしょうか。

この時代の作曲家は殆どが男性ですから、聖母マリアへの愛情、それは人間愛だけに留まらず、男女の愛に近いものであっても構わない、だからこの上なく甘く切なく官能的なメロディがついている・・・そんな風に感じるのですけれどね。
初めまして。
2020年07月17日 09:01
初めまして。たまたま来週日曜日、tositiのave mariaを歌う予定のものです。
2020年07月17日 09:02
Papalin
2020年07月17日 09:50
◆◆ 来週日曜日、tositiのave mariaを歌う予定

いいですね。大好きなアヴェ・マリアです。(*^_^*)
2020年07月17日 11:29
初めまして。
来週日曜日にライブがあり、たまたまTostiのAve Mariaを歌います。
私はクラシック系ではないのですが、今回はオペラ歌手3人をゲスト迎える
ということで、クラシック系の歌も入れています。
TostiのAve Mariaはクリスマスのシーズンなど、時々歌っていました。
音合わせの時、普段はオペラを歌ってる3人が、この曲は歌ったことがない、でもとてもいい曲、と言ってくれました。
レナード・コーエンのHallelujahをご存知でしょうか?
Papalinさんの訳詞の紹介を読んで、ハレルヤの歌詞の世界に近い印象を感じました。
これまで詩の意味をよく理解せず、音楽の流れで歌っていました。
訳詞を読んで、とても感動しました。
Papalin
2020年07月17日 11:41
藤島新さん、ご丁寧なコメントをどうもありがとうございました。このアヴェ・マリアが”持ち歌”のご様子、羨ましく思います。私も一回だけ人前で歌ったことがありますが、これほど歌に歌詞に入り込んでしまう歌も珍しい。それはメロディが単純で無駄を極限までそぎ落としているせいかもしれませんね。

ご盛会をお祈り致します。♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

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