◆IL DIVO◆ 木下牧子 / 春二題
≪生演奏を公開しています≫

"TWO SPRING SONGS" for Female Chorus / Shimazaki Toson & Kinoshita Makiko
URL : http://papalin.yas.mu/W305/M005/
◇公開日: 2010年9月15日
◇連続演奏時間: 8分58秒
◆録音日: 2010年9月 (49歳)
上のアルファベットの曲目名を
クリックして、Papalinの音楽サイト
からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)
木下牧子ワールドに戻ってきました!
無伴奏女声合唱、アカペラの曲です。
今は岐阜県となってしまいましたが、
かつての信州の馬籠宿で生をうけた
島崎藤村の「若葉集」の中から、
作曲者が、今読んでも新鮮な感覚の
二つの詩を選び、曲をつけたものです。
木下牧子さんいわく ---
「一曲目の"あけぼの"は、しっとりとやわらかい言葉の響き、一節ごとの色彩の変化を女声のやわらかい声で表現しようと思った。ピッチの正確さ、ハーモニーの密度に加えて多彩な音色の変化が必要とされる。また声部は基本的に三部だが、最高九声部にまで分かれる難曲である。」
どういうハーモニーなのか確認もせずに、下から一つずつ音を重ねて行きました。そうしてできあがって初めて、どういう曲なのかを知るという ・・・ な~に、いつも通りです。
こうした曲を多重録音するときには、仲間を誰一人信じていはいけないのです。信じると足元をすくわれます。わが道をどこまでもきちんと歩いていかねばなりません。でも苦手な進行というのがありまして、増4度とかが出てきますと、ちゃんと音が取れずに、知らないうちに超不協和音になってしまったりします。
今回のようなアカペラの場合、歌い手である一人ひとりのPapalinは、どうしても安定した協和音に行きたがるのです。ところが、曲全体を通して、不協和音の方が圧倒的に多いため、仲間を信じてついて行ってはいはいけない・・・ということなのです。その最たるところが、最後に二回繰り返される和音です。
3声に分かれるソプラノは、G-durの3和音を奏でています。
ところが、アルトの2声は、その半音上のAs-durの5度を奏でています。
間のメッゾソプラノは何をやっているかというと、これらの和音のどちらにも属さないFの音を、まるでドローンのようにずっと引きずって歌っています。女声合唱だと、この最後の和音は美しく響くのでしょうか? 僕がオクターブ下で歌うと、G-durの和音(G7)に聴こえてしまいます。アルトの2音だけ聴くと、ちゃんとAs-durを歌っているんだけどなぁ・・・・・。
ですので、2曲目の"春は来ぬ"は、ホッとするのです。
木下牧子さんいわく ---
「二曲目の"春は来ぬ"は対照的に、春を迎える喜びを歌った躍動的な作品。現代の散文詩に慣れた耳には、7・5音の反復による流れるようなリズムはかえって新鮮に感じられた。開始はユニゾンだが、五部にまで分かれる。輝かしいエンディングのためには、かなりの声量が必要とされる。」
曲目
1 あけぼの
2 春は来ぬ
大勢のPapalinたちによる多重録音にて、お聴き下さい。 <(_ _)>
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この記事へのコメント
さて、なんで老婆心というんでしょうか?
ichiさん、ありがとうございます。
老婆心、大歓迎です。
最近、目の不具合もあるとは思うのですが、演奏が終わるとかなり疲れてしまいます。昔だったら、こんな風に曲集で一つのブログなんていう手抜きはしなかったと思うのですが、はっきり言って、ブログ(本文)は手抜きになっています。
注:戴いたコメントへのお返事は手を抜いているつもりはありません。
メールでも、こうしたコメントでも結構です。
どんどん指摘して下さい。
自分で対策できない Papalinより。
この雰囲気、浮遊感は雅楽ではないか?
そう思って改めて聴いてみました。
万葉の昔から、「言葉」に宿る力を「言霊」と呼び慣わしてきた日本人。
言葉は、ある意味で「現在」に先行するもの。あらまほしき未来を招くための招詞。若しくは祝詞。春に先駆けて春をうたう、春を寿ぐ(ことほぐ)呪術的な輝きを感じてしまいました。藤村の詩だけでしたら、これほどの魅力はなかったでしょう(藤村さん、ごめんなさい)。この詩に、この曲!
木下さんの才能に脱帽です。
aosta、ありがとう。
まさにそうだと思います。
笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・笛(ふえ)・琵琶(びわ)など、雅楽の楽器の音を、人間の(女性の)声で表現しようという試みではないでしょうか。でも、僕は男声であっても、充分に魅力的だと思っています。男声の声の質に因るところも大きいとは思いますけれど・・・。