◆IL DIVO◆ セイキロスの墓碑銘 (1世紀頃の音楽)
≪生演奏を公開しています≫
Seikilos (Ancient Greek : 1c.) EPITAPHE DE SEIKILOS
URL : http://papalin.yas.mu/W001/
◇公開日: 2011年1月18日
◇演奏時間: 3分30秒
◆録音日: 2011年1月 (49歳)
上のアルファベットの曲目名を
クリックして、Papalinの音楽サイト
からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)
バロックからルネサンス後期、前期、
そして中世の音楽と遡っていきますと、
西洋音楽は一体どこまで行けるのか、
興味が湧きます。
私たちが慣れ親しんだバッハ以降の
いわゆるクラシック音楽のルーツです。
楽譜を公開することが目的のサイトをあれこれ見てみましたが、どうやら1世紀まで遡れるようです。
音楽作品の断片であれば、楔形文字の碑によるものも残っていて、更に2000年ほど遡ることができるようです.。また、古代エジプト第5王朝(紀元前2500年くらい)の王様のお墓の彫刻には、ハープや横笛を演奏する人、合唱する人、それを手を挙げて指揮する人などが描かれているようですが、残念ながら楽譜に相当するものは残っていないようです。今、私が手に入る完全な形の"楽譜"としては、これは最も古いものになるのでしょう。
一方、古代ギリシアでは、プラトン、アリストテレス、アリストクセノス、ピタゴラスをはじめとする学者や理論家たちによる、音楽の本質、倫理性、音響性などが考察されています。古代の調性としてピタゴラスによる調律法というのがありますが、この時代の考察のたまものですね。古代ギリシアの楽譜は下のWikipediaのリンクからもお分かりのように文字譜です。一つひとつの文字が音の高さを示しているので、簡単に解読できたようです。音の長さについて記載されるのは、もっとずっと後になってからのことです。古代ギリシアからヨーロッパ中世に至るまで、音楽は音を楽しむものではなく、学問の1ジャンルであったということは、また後の曲のブログで書きます。
さて、私はおそらく古代ギリシアの血を引いていないため学研肌ではなく、ネウマ譜も含めて、こうした昔の楽譜を解読することや、それを見て、あるいは現代譜に自ら変換して演奏することまではしません。基本的に現代譜でないと演奏できないといっても良いでしょう。後期のネウマ譜がやっと見ながら演奏できる程度の知識しかありません。
そんな中で、この現代譜で表すと、たった一行の音楽に痺れてしまいました。また、この歌には何とも素敵な勇気付けられる詩がついているではありませんか。
生きている間は、輝け
何があっても、悲嘆に暮れるな
人生はつかの間であり
時はいつか終わりを求めてくるのだから
バックの音は、Papalinが勝手につけたものです。
しつこく何度も演奏しているのは、オタクの世界に誘うためです。
5度で鳴らしているのは、多分に中世ヨーロッパ音楽の影響です。
でも、現代の和声(3和音)をつけたら、それは変だと思いましたので。
楽譜はWikipediaから拝借しました。
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
曲目と楽器編成
1. Epitaphe de Seikilos T
2. Epitaphe de Seikilos (+1 note) T・B
3. Epitaphe de Seikilos (+2 note) T・B・S
4. Epitaphe de Seikilos (+3 note) T・B・S・Sn
5. Epitaphe de Seikilos (+4 note) T・B・S・Sn・GK
6. Epitaphe de Seikilos (+4 note) T・B・S・Sn・GK・CB
使用楽器
テナー 竹山 (メイプル 415Hz)
バス ヤマハ (メイプル 415Hz)
ソプラノ 竹山 (メイプル 415Hz)
ソプラニーノ キュング (ローズウッド 440Hz)
ガークライン キュング (ペアウッド 440Hz)
コントラバス キュング (メイプル 440Hz)
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この記事へのコメント
いつも素敵な演奏をありがとうございます☆ これからじっくり聴かせていただきます!
たまきさん、ありがとうございます。
古代ギリシアの曲は、他にも見つかっているようです。
どんな詩がついているのででしょうね。
IL DIVO Papalinのこの章 --- 中世ヨーロッパの音楽(ルネサンス以前)--- にハマった私は、ルネサンスの音楽が生ぬるく感じています。おそらく一過性のものだと思いますが、危険な香りです。(^_^;)
聴いたことはないのですが、悲劇が演じられる間、舞台後方である時は全知の神に代わるものとして、また解説者として歌ったと言われるコロスのことを思いだしました。
ちょっと本筋から外れますが、ギリシャの音楽、と言えば昔の映画「その男ゾルバ」に使われていたギリシャ人作曲家ミキス・テオドラキスの曲を思い出します。中近東風とも言える旋律とリズム、そして確かブズーキと呼ばれる弦楽器の響きです。
この「セイキロスの墓碑銘」からは墓碑銘だけあって哀感のようなものが感じられますね。最初はテナー一本で、次からだんだんリコーダーが重なっていく演奏もなかなか面白いと思いました。国籍不明の旋律と、高低二つのドローンのようなひびきがひとつに溶け合って、不思議な雰囲気でした。
現代に伝わる最古の音楽、はじめて知りました。
ありがとうございますm(__)m。
wikiで少したどりましたが、この言葉は墓碑が語っているのですね。
現代の私たちの和声感だとこのメロディはイ長調の7thの響きですが、当時の人にはどう感じられていたのでしょうね。和声感では同じなのかな?でも3度が確立されるはるか以前だとしたら…。う~む。
オタクの世界に引きずり込まれそうです(笑)
aosta、ありがとう。
本文にも書いたけれど、しつこく何度も繰り返しているのは、サブリミナル効果を狙ったものです。短い曲だから、このくらいしてもいいかなと。興に任せて歌っても良かったかな。それはやりすぎ?
たこすけさん、ありがとうございます。
そのようですね。石に刻まれているから残ったとも言えるでしょうか。古代ギリシアのこうした"音楽"は他にも発掘されているようです。聴いて(演奏して)みたいものです。
和音については、中世ヨーロッパの人々は、3度を使ったドミソの和音は不協和音だと感じていたようですが、古代ギリシアではどうだったのか、私も知りません。私としては"無難な"5度"で伴奏させてみました。
最後はこんなことになってしまいました。ブログ参照のこと。
旋律をもとに、適当な雰囲気でやってみたくなりました。
どんなもんでしょう。ぜひご笑覧ください。
たこすけさん、ありがとうございます。
聴かせていただきましたよ。
自由な雰囲気でというのがとってもいいですね。
私たちは歴史考証もしますが、忠実に再現することが目的ではありません。バッハの音楽をどう解釈しようと、自由なことと同じですよね。
チェロの音が以前にも増して、語っているように思いました。