◆IL DIVO◆ 13世紀の音楽 / カルミナ・ブラーナ ほか
≪生演奏を公開しています≫
Music of 13th century
URL : http://papalin.yas.mu/W027/
◇公開日: 2011年1月22日
◇演奏時間: 2分11秒
◆録音日: 2011年1月 (49歳)
上のアルファベットの曲目名を
クリックして、Papalinの音楽サイト
からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)
この「中世ヨーロッパの音楽」という
コーナーは、作曲者(作曲家ではない)の
生年順に掲載していくつもりです。
しかしながら、作曲者が不詳であったり、
または写本に掲載された曲のような場合は
どこに入れるべきか悩むところです。
そこで、明らかに○○世紀の音楽である場合は、このように「○○世紀の音楽」というところに入れることにしました。他は作曲者の生年順にしていますので、順序が逆転する場合もあろうかと思います。悪しからず。
ちょっと得意の脱線をしますが、中世ヨーロッパにおいて、音楽とは何ぞやというお話です。
ちょっと目からウロコだったりします。
1240年にパリで作られた細密画があるのですが、そこには、3階層の音楽が描かれています。最上段は宇宙を司る「ムジカ・ムンダーナ」、中段は人の心身を司る「ムジカ・フマーナ」、そして最下層が実際の音楽「ムジカ・インストゥルメンタリス」です。私たちが音楽と考えているのはムジカ・インストゥルメンタル、すなわち最下層のものなのですね。実際に音として鳴る音楽などどうでもよいものであり、本当の音楽すなわち重要なのは、その背後の秩序のことだとされていたのです。これは古代ギリシアにおける音楽の考え方の潮流を汲むものです。では背後にある秩序とは何ぞやということですが、それは取りも直さず、神のことでした。当時の音楽は、もっぱら三拍子系で書かれています。三位一体・・・です。ペロタンの曲も、三拍子系ですよね。そして不思議に思うのが、到底それとは気づかないほど長く引き伸ばされたグレゴリアン。これでは歌詞(聖句)も聞き取れないではないかと思うのですが、それはこう解釈すべきです。実際の音など、ある意味どうでもよいものであり、どっしりと基盤にグレゴリアンが構えている、その秩序こそが重要であった・・・とね。でもこの考え方は、後の大作曲家たちにも引き継がれているのです。バッハが好んだ数の象徴や、バルトークの黄金分割、そしてシェーンベルクの12音技法なども、単なる音を超越した秩序と言えます。
もう一つ脱線しましょう。1100年頃の音楽書(デ・ムジカ)によると、音楽を「ムジクス=理論を熟知している人」と「カントール=理論なしにただ音楽をするだけの人」の二種類に分類しています。音楽とは"楽しむもの"ではなくて、科学や哲学に近い学問であったようです。さしずめ私はカントールですね。(^_^;)
さて、13世紀の音楽にどんなものが登場するのか、それは私にとっても楽しみなのですが、まずは近年その存在が知られた「カルミナ・ブラーナ」があります。カール・オルフの有名な曲の元が、この曲集です。ここでは2曲を演奏していますが、演奏後に思ったのは、テンポ設定を間違えたかなと。もう少し研究する態度が必要ですね。
13世紀の音楽の中心はフランスなのですが、この時代にオルガヌムが発展しモテットと呼ばれるものが生まれました。オルガヌムと似ているのですが、違うのは歌詞です。3声のモテットが主流だったようですが、最低音にはオルガヌムと同様に、グレゴリアンがラテン語のまま敷かれます。その上に、グレゴリアンの意味を俗語であったフランス語で注釈した歌詞をもった旋律を乗せ、さらに一番上の声部には、およそ神とはかけはなれた恋の詩や風刺的な詩による声部が乗っていました。神(聖)と人間(俗)が同居した時代だったのですね。
楽譜は、いろんなサイトから拝借しています。(横着!)
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
曲目と楽器編成
1. アダン・ド・ラール / Fi, Maris de vostre amour S・A・B
2. 作者不詳 / 「カルミナ・ブラーナ」より "バッカスよ、ようこそ" A・B
3. 作者不詳 / 「カルミナ・ブラーナ」より "酒場にいるときには" S・B
4. 作者不詳 / 中世の踊り T・B
使用楽器
ソプラノ 竹山(メイプル 415Hz)
アルト 鈴木(ボックスウッド 415Hz)
テナー 竹山(メイプル 415Hz)
バス ヤマハ(メイプル 415Hz)
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
この記事へのコメント