◆IL DIVO◆ レオンハルト・オルガン・リサイタル

≪生演奏を公開しています≫

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Gustav Leonhardt (1928-) Organ Recital in Meiji Gakuin Chapel 2011.5.29
URL : http://papalin.yas.mu/W701/

  ◇公開日: 2011年6月4日
  ◇演奏時間: 54分28秒
  ◆録音日: 2011年6月 (50歳)
   上のアルファベットの曲目名を
    クリックして、Papalinの音楽サイト
    からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)






氏は、2012年1月16日にご逝去されました。ご冥福をお祈り致します。





リコーダーのお友だちが、グスタフ・レオンハルトの
来日演奏会を聴いて来られたと伺いました。

83歳という高齢にもかからわず、日本各地で、しかも連続演奏会をなさるレオンハルトに驚きました。

レオンハルトを初めて知ったのは、フランス・ブリュッヘンのリコーダーのレコードで、アンナ・ビルスマと共に通奏低音を演奏しているのが初めてでした。しかし当時(高校生の頃)の私は、耳の99%がリコーダーに向いていましたから、レオンハルトとビルスマの演奏については、あまり印象は残っていませんでした。

その後、古楽のレコードやCDを幾つか聴くようになって、名前を知っていたから買い求めて聴きました。彼の音楽はその風貌からも発せられるように、時に堅苦しく感じたこともありましたが、厳格でいながら心を揺さぶる勘所を掴んだ憎い演奏でもあると感じたことを思い出します。



そのレオンハルトが、今回の来日公演で一回だけオルガン・プログラムを組まれたことを知りました。(お友達はチェンバロ・リサイタルを聴かれたようです。) 彼が演奏した曲を、彼のオルガン・リサイタルを、私も聴いてみたいと思いました。ほぼ同時に、リコーダーで自らこのリサイタルを再現してみたいと思いました。チェンバロ曲より、オルガン曲の方が遥かにリコーダー・アンサンブルに向いていると感じています。でも、そのオルガン・リサイタルの再現という目論見は、いくつかの点で困難を伴いました。

まずは、バロック時代の作品であろうから、ネットに楽譜が公開されているに違いないと思った当てが外れたことです。9つのプログラムでの全13曲中、それだと正確に探し当てることができたのは、たったの5曲でした。大部分がみつからなかったのは仕方ありません。同じ作曲家の他の曲を演奏することにしました。

次は、オルガン曲を甘くみましたことです。私はトッカータが超苦手です。これは自ら演奏する音楽ではなくて、聴くべき音楽だと思っていますので、トッカータを演奏するのは容易ではありませんでした。

しかしながら、今回の試みで、初めて耳にする作曲家を知ることができました。鍵盤曲に特化した作曲家と出会うことは、私にとっては稀なこと。ですので、このリサイタルのことを紹介して下さったお友達に感謝しています。プログラムをなぞって演奏してみることによって、レオンハルトがどんな思いで、どういう風に、このリサイタルの曲目を組み立てたのか、ちょっとだけ共感できた気がします。最後の曲にはコラールをあつらえ、レオンハルトらしく渋く幕を閉じたのですね・・・。

今回の試みで感じたことですが、リコーダー愛好家は、オルガン曲をもっともっと演奏すべきかも知れません。リコーダーのために書かれた曲だって沢山あるではないかと仰られるかも知れませんが、オルガン曲もバッハの作品なんてほんの一部に過ぎなく、今回のプログラムにあるような素晴しい曲が沢山あるのですね。そうそう、理論的にはオルガンよりもリコーダー・アンサンブル(管楽器によるアンサンブル)の方が、ハーモニーが美しい筈ですものね。(^_^;)



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それでは、ちょうど一週間前になる5月29日に、東京の明治学院チャペルにて行なわれたリサイタルを想像しつつ
Papalinによる"レオンハルト・バーチャル・オルガン・リサイタル"、お聴き下さい。



楽譜は、IMSLP、WIMA、ChoralWiki、エオリアンさんのサイト等から拝借しました。
アラウホのティエントが非常に心地よく演奏できたという一点で、★5つです。



Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



オリジナルのプログラム

ProgrammeⅣ Organ

スウェーリンク: プレルーディウム
   J.P.Sweelinck: Praeludium

シャイデマン: プレルーディウム(1637)
   H.Scheidemann: Praeludium(1637)

アラウホ: ティエント 第54番(1626)
   F.Corea de Arauxo: Tiento 54 (1626)

ラインケン: トッカータ ト短調
   J.A.Reinken: Toccata in g minor

フィッシャー: シャコンヌ ヘ長調
   J.C.F.Fischer: Chaconne in f major

ブロウ: 3つのヴォランタリー
   J.Blow: Three voluntaries

ケルクホーフェン: ファンタジア 第131番、第132番、第129番
   A.van den Kerkhoven: Fantasia 131, Fantasia 132, Fantasia 129

パーセル: ヴォランタリー ト長調
   H.Purcell: Voluntary in g major




Papalinのプログラム と 楽器編成

スウェーリンク / プレルーディウム  【T・B・B・GB・CB】
    J. P. Sweelinck (1562-1621) / Praeludium

シャイデマン / プレアンブルム 第3番 ニ短調  【A・T・B・GB】
    H. Scheidemann (ca1595-1663) / Praeambulum No.3 in d

シャイデマン / プレアンブルム 第4番 ニ短調  【A・T・T・B・GB】
    H. Scheidemann (ca1595-1663) / Praeambulum No.4 in d

シャイデマン / プレアンブルム 第5番 ニ短調  【S・A・T・B・GB】
    H. Scheidemann (ca1595-1663) / Praeambulum No.5 in d

シャイデマン / プレアンブルム 第13番 ト長調  【S・A・T・B・GB】
    H. Scheidemann (ca1595-1663) / Praeambulum No.13 in G

アラウホ / ティエント 第54番 (1626)  【T・T・B・B・GB】
    F. Corea de Arauxo (1584-1654) / Tiento 54 (1626)

ラインケン / トッカータ ト長調  【S・A・T・T・B・GB】
    J. A. Reinken (1643-1722) / Toccata in G major

フィッシャー / シャコンヌ ハ長調 (「春の日記」第1組曲より)  【A・T・B・GB・CB】
    J. C. F. Fischer (1656-1746) / Chaconne in C major (Le Journal du Printemps)

ブロウ / 世の救い主よ  【T・T・B・GB】
    J. Blow (1649-1708) / Salvator mundi

ブロウ / プレリュード ハ長調 (大英博物館所有の楽譜より)  【T・B・GB・CB】
    J. Blow (1649-1708) / Prelude in C major (British Museum Add. MS.22099)

ブロウ / エア ハ長調 (大英博物館所有の楽譜より)  【T・B】
    J. Blow (1649-1708) / Air in C major (British Museum Add. MS.22099)

ケルクホーフェン / ファンタジア 第131番  【T・GB・CB・CB】
    A.van den Kerkhoven (1618-1701) / Fantasia 131

ケルクホーフェン / ファンタジア 第132番  【A・A・T・B・GB】
    A.van den Kerkhoven (1618-1701) / Fantasia 132

ケルクホーフェン / ファンタジア 第129番  【T・B・B・GB・CB】
    A.van den Kerkhoven (1618-1701) / Fantasia 129

パーセル / 詩篇第100にもとづく ヴォランタリー  【T・B・GB・CB・CB】
    H. Purcell (1659-1695) / Voluntary on the 100th Psalm, Z.721

ベーム / コラール前奏曲 「キリストは死の絆につかせたまえり」  【T・B・GB・CB】
    G. Bohm (1661-1733) / "Christ lag in Todesbanden"



使用楽器 (440Hz)

    ソプラノ      モーレンハウエル   グラナディラ
    アルト       メック          オリーブ
    テナー      全音           チェリー
    バス       メック           メイプル
    グレートバス  キュング         メイプル
    コントラバス   キュング         メイプル




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この記事へのコメント

アルト笛
2011年06月05日 15:50
レオンハルトのオルガンリサイタルの再現を試みてくださってありがとうございます。感激したことを日記に綴ってみてよかったです。たまたまPapalinさんがご覧くださって、思いもかけずこうやって聴かせていただくことができました。こちらこそ感謝感激!ありがとうございます。

それにしても、鍵盤楽器の楽譜からリコーダー譜にパート分けされる手間と、仕上がる状態を想定してパート録音していかれる作業とを想像するだけで気が遠くような気分になります^^;
ラインケンのトッカータ、聴いていてとても楽しいです。昔の時代の曲なのにとても新鮮に感じるというのも不思議なものですね。
Papalin
2011年06月05日 18:42
◆◆ 想像するだけで気が遠くような気分になります^^;

アルト笛さん、ありがとうございます。
アルト笛さんに教えていただかなければ、レオンハルトが来日して演奏会を開いたことさえ知りませんでした。(^_^;)

これだけ多重録音をしてきますと、リコーダー用の譜面をわざわざ起さなくてもアンサンブルができるようになります。最近は、ピアノの楽譜を見てそのまま演奏したり、オケや弦楽アンサンブルでのヴィオラのハ音記号や、中世ルネサンスのテナー記号やメッゾ記号も読めるようになってきました。職業ではありませんが、職業病でしょうか。

それと、レオンハルトのリサイタルで取り上げられた時代の曲であるポリフォニー(多声音楽)は、各声部が非常にわかりやすいんですね。ですから、その曲が4声だとわかったら、わざわざリコーダー用の譜面に落とさずに演奏できるんです。慣れ・・・ですね。

ラインケンのトッカータには参りました。マイクの前でオロオロしているPapalinの姿が目に浮かばれたのではないでしょうか。(^_^;)
アルト笛
2011年06月05日 21:44
>マイクの前でオロオロしている
いいえ、聴いていて楽しいと申し上げたのはその逆でして、演奏を聴いて素直に楽しい曲であるという意味で。
私にはほんのこの10年位の素人経験しかないもので、自分の素直な直感を頼りに感想を申し上げるしか出来ないのです。耳にする音楽が何を感じさせてくれるか、それだけしか基準がないというのは稚拙でお恥ずかしいです。どうぞお気を悪くされませんように<(_ _)>
Papalin
2011年06月06日 04:27
◆◆ 耳にする音楽が何を感じさせてくれるか・・・

アルト笛さん、ありがとうございます。
直感、何を感じるか、それって素晴しいことではないでしょうか、どこぞの誰々が絶賛したとかいう情報が頼りだと、音楽を左脳で聴くようなものだと思うんですね。コンサートも然りで、自分の耳で聞いて右の脳が何をどう感じたかが大切だと思います。

稚拙だなんて思いません。
かえって心配させてしまったようで、すみませんでした。
ichi
2011年06月06日 12:26
楽譜の順番、全曲もいいけれど、こういうコンサート形式の選曲で音楽が聴けるというのは、なんとも新鮮でいいですね。年に1回くらいやってもらえませんかね。ベスト10ではなくて、演奏した曲目から自選でコンサートみたいに聴けるページを作ってください。聴く人がセレクトできるようにYasさんに作ってもらったほうがいいんですか?
ichi
2011年06月06日 12:46
アウラホいいです。戦いのアウラホと一緒ですよね。戦いよりこっちのほうが好きです。ボクは前にあまり良く言っていませんでしたが、Papalinさんが只者ではないといっていましたね。
Papalin
2011年06月06日 22:19
◆◆ なんとも新鮮でいいですね。年に1回くらいやって・・・

ichiさん、ありがとうございます。
確かに、IL DIVO Papalin のサイトでは新鮮な感じがしますね。自分が出たリアルのコンサートだと、それを再現したようなプログラムもありましたが、他人の演奏会のプログラムを再現したのは初めてです。

> 聴く人がセレクトできるように
> Yasさんに作ってもらったほうがいいんですか?

今までも多くの要望をし、実装してきて戴いているので、私からは申し上げにくいです・・・。(^_^;)
2011年06月06日 22:24
◆◆ Papalinさんが只者ではないといっていましたね。

ichiさん、ありがとうございます。
よく覚えていましたね。2009年の笛のベストテンに入れた作曲家でした。その時に演奏したのは、確かに"戦い"でした。

アラウホのティエント、面白そうです。(^-^ )
ichi
2011年06月07日 12:28
アラウホをアウラホと書いても直せないもどかしさを感じながら、恥の上塗りをすると、戦いのアラウホとティエントのアラウホは別人でしたね。戦いのアラウホはペドロだった。
エラストマーをエストラマーと言ってみたり、井上さんを田中さんと呼んでみたり、自分の中ではほぼ同じイメージのもの、間違えやすいものってありますよね。ちなみに井上さんも田中さんもボクの分類は黄色です。武藤さんは赤です。
Papalin
2011年06月07日 23:16
◆◆ 戦いのアラウホとティエントのアラウホは別人でしたね。

ichiさん、ありがとうございます。
あらま、ほんとだ。(^_^;)
よく見たら、スペルも違うではないですか。
Araujoさんと、Arauxoさん。
私もいい加減なもんです。(^_^;) (^_^;) (^_^;)

私は赤ですか? そういえば最近、赤とはご無沙汰です。
ちなみに、ichiさんはクレー・トーンです。しつこいっすか?

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