◆IL DIVO◆ ホルボーン / パヴァン,ガリアード,アルメーン,エア集 (58-65)

≪毎日がコンサートの本番です≫

画像
Anthony Holborne (1545-1602) / Pavans, Galliards, Almains and other Short Aeirs, both grave and light, in five parts, for Viols, Violins or other Musicall Winde Instruments (1599)
URL : http://papalin.yas.mu/W072/#M001V58

  ◇公開日: 2012年4月18日
  ◇演奏時間: 25分54秒
  ◇録音年月: 2012年4月 (51歳)
   上のアルファベットの曲目名を
    クリックして、Papalinの音楽サイト
    からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)



まずはアルメーンの残り3曲について。

長らくパヴァンとガリアードというペアの曲が続きましたが、今思うとこのペアは緩急の組なので、延々演奏しても、変わり映えがするのですね。一方、アルメーンが6曲も続くと退屈してしまいます。おそらく舞踏会であってもそうでしょうから、音だけの演奏なら尚更です。そこで、およそアルメーンとは思えないテンポで演奏した曲もあります。一応は速めのテンポで演奏してもさほど違和感のない曲を選んでそうしたつもりです。タイトルから想像する曲想とは全く異なる曲もあって意外でした。そうそう、"The Choise"の曲で、アップテンポで演奏することをChoiceしたのでした。題名からヒントをもらったというわけです。


続いてはエア(アリア)が5曲です。

比較的自由なテンポを選べるのがエアでしょうか。思い思いに演奏してみました。話題の"Heigh Ho Holiday"について書かねばなりません。どんな曲かと思いきや、殊更名曲という感じはしませんでしたが、一曲の中でパヴァンとガリアードが混在しているかのような作りでしたので、それをデフォルメして演奏するというアイディアが生まれました。そして、この曲が65曲から成る曲集の最後の曲でしたので、曲集全体を閉じる演出(?)をしてみました。楽譜はA-Bで終わりですが、A-B-Aとして演奏してみました。如何でしょう。


ミールさんから頂戴したリクエスト、まさか2時間もかかる曲(集)であったとは想定外でしたが、私も充分に楽しませて戴きました。知らない曲をリクエストされて演奏することは私にとっても幅が広がるチャンスですので、リクエストは嬉しいです。


そうそう、私の演奏を聴かれて、実際のアンサンブルの参考になさる方も、中にはいらっしゃると思います。今回のホルボーンの曲集もそうですけれど、私はこれらの曲を一連の曲集として捉えています。そして曲の順序には、作曲者による何らかの意味があると思っています。ですので、曲集の順番通りに演奏します。私にとってそのことは、仮想的な演奏会でもあります。演奏会では、必ず演出が必要です。演奏する曲の順番は、一生懸命考えて決めますよね。それと同じです。今回のような場合は、演奏の順番が先に決まりますので、曲想が二次的に決まってくるのです。つまり何が言いたいかですが、これらの曲の中からある曲だけを選択して「この曲はアップテンポで演奏されるべきものだ」というような誤解はされないようにお願いしたいと存じます。しつこいですが、その曲の前後の曲があって、はじめてその曲のテンポも曲想も決まるのです。

そしてもう一つは、この曲集の正式な名前は『ヴァイオルもしくはヴァイオリン属と管楽器のためのパヴァン集、ガリアード集、アルメーン集ならびにエア集』です。ヴァイオル(ヴィオール)でのコンソートと、リコーダーでのコンソートでは、自ずと表現方法も変わってきます。テンポについてもその一部と言えるでしょう。


リコーダーでも合唱でも同じようなことがあったのですが、リアルで初めての曲を演奏するときに、「この曲はもっと速い」とか「この曲はもっとゆったり」とか仰る方がいらっしゃいます。その理由をお尋ねすると、「誰々のCDではそうだったから」とか「YouTubeで聴いたのがもっと速かったから」などと仰います。これだけではつまらないですよね。それらの後に「聴いた演奏が快活でこの曲にピッタリだと感じたから、私もそうありたい・・・」と続くと話は変わるのですけれど、残念ながらお話はそこまで至りませんでした。

テンポや、テンポ感からくる曲想は、楽譜から読み取る(感じ取る)のが一番だと思います。しばらく前のことですが、私が演奏した曲を作曲者自身が聴いて下さり「テンポは○○の方がいい」というアドヴァイスを下さったことがあります。アドヴァイスを頂戴したことはとても嬉しいことでした。でも、作曲者の手を離れた楽譜(音楽)は、もう一人歩きを始めています。申し訳ないのですが、私は作曲者自身が仰ったテンポより、自分が決めたテンポでの演奏の方が、はるかに曲にピッタリだと感じました。アドヴァイスを聴く耳を持っていないわけではありません。独りよがりかもしれませんけれど、素直な気持ちで二つを比べてみて出した結論なら、それで良いと思っています。

まず自分の感性を磨きたいと思います。自分が楽譜から感じ取った音楽を、そのまま表現できたなら、テンポにしろ曲想にしろ、合理的な理由なんか何もなくても良いじゃないですか。楽譜を見ても何も感じないことの方が、音楽を愛好して演奏するものにとっては遥かに切ないことです。



参考になるかどうか分かりませんが、63番の"The Fairie-round"を例にとって、私の楽譜の見方を書いてみます。私は以下のことをおよそ1分もかけずに行なって、すぐさま演奏に取り掛かります。その方法に慣れているということと、一つでも多くの曲に接したいと思うが故の熟練(?)です。

ちなみに演奏の順序は上から下へ重ねていきます。最初にトップを演奏します。繰り返し前は楽譜通りに演奏しながら、繰り返し後の装飾のイメージを考えています。そして繰り返し後は、イメージを実際の音で表現するのですが、再現するのではなくて、創造している感じで演奏します。ですので、とんでもない失敗をしでかさない限り、一発録音に徹します。2回目の録音をすると、どうしても"再現"してしまうのですね。たとえ美しく決まったとしても、その演奏は初回と比べると、初々しさとか感動は薄れたもののように感じます。そうではないと仰る方が圧倒的多数でしょうけれど、私の場合はそうなのです・・・。 2つ目のパートからは、先に録音したパートとブレスが揃ってしまわないようにとか、逆に揃えようとか、そういうことも気にしながら演奏します。ですので、スコアでないと演奏できません。

おっと、話が脱線してしますね。楽譜を見て、どう演奏につなげるかというお話を書くのでした。(^_^;)


【私の場合、意外と軽視できない、前の曲との関係】
 『一つ前の曲は"The Widowes Myte"・・・貧者の一灯 (寡婦の乏しい賽銭)という何とも形容し難い曲だったっけ。中庸のテンポで演奏したっけ。あまりに貧相な曲名だったから、おもちゃの鈴を使って、少しばかり雰囲気を明るくしようとしたんだ。次の曲は快活な曲だといいなぁ。』

【意外と大事な先入観】
 まずタイトルを読んで、思いっきり先入観を持ちます。『ふむふむ、これは妖精のラウンド・ダンスだな。大勢の男女が円を描いて踊るのかもしれないぞ。きっとそんなに速くない踊りなのだろうけど、足を引きずるような踊りでもなさそうだ。前の曲との関係を考えると、中庸のテンポの曲が続いちゃうかもしれないなぁ。(^_^;)』

【曲想を決めるテンポ設定】
 いきなりトップパートを心の中で、もしくはハミングで歌ってみます。『ゆっくり歌うと冗長な感じがするなぁ。この曲はある程度躍動感があった方が良さそうだぞ、しめしめ。』・・・これで凡そのテンポが決まります。他のパートも一応ちらっと見ます。『コラールのように旋律だけがゆったりと演奏され、他のパートは忙しく動き回る・・・ということもなさそうだ。』『おやおや、10小節あたりからのTenorパートはやや忙しそうだぞ。でも最初に感じたテンポで大丈夫だろう。』『ほかにはないかな? お~あるある、21小節目からの上3パートの掛け合いが特徴的だな。ここは面白そうなところだ。2拍ごとに現れる音がちょうど階段を上がるみたいに1音ずつ上昇していくぞ。この部分をたたみ掛けるように演奏するか、それとも重厚に踏みしめるような感じで演奏するかは考えどころだな。私は前者が好みだ。この曲を表現するにはそれがいいと感じるから、これはアップ・テンポだ。幸い、最初に感じたテンポ感と同じだ。それで行こう。』

【雰囲気を決定付ける編成】
 速い曲は高音が映えると思います。『順当に考えても、前の曲との対比という意味でも、今度は4フィート・アンサンブルだな。』

【他にもさりげな~く考慮する点】
 この曲は終わり方がリズムを刻んでいます。何も楽譜通りに演奏する必要はありませんが、どう終わりにしようか、その点も予め決めておきます。
 『リズムはどうだろう。なるほど、大きな3拍子と2拍子が交錯している曲だな。このリズム感を上手く活かしたいものだなあ。』
 各パートの音域を見て、使う楽器を決めます。例えば、アルトでもテナーでも演奏できるパートは、目立たせたいところがあるなら、長い方の楽器(テナー)の高音を使います。逆に、ハーモニーの中にうまく溶け込ませたいなら、短い方の楽器(アルト)の低音を使います。
 『打楽器を使うかどうかは、リコーダー・コンソートの部分が完成してから、雰囲気で決めようっと。』



とまぁ、こんな感じです。ああ、演奏会で演奏する曲や、我が家の合宿で演奏するような曲の場合は、もっと時間もかけてちゃんと譜読みをしています。(^_^;) ちなみに今年の合宿は、8月25・26日@我が家です。



ということで、65曲、めでたく終了しました。(^-^ )



楽譜は、ドルメッチ(リンク先は重たいページです)から借用しました。



Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



使用楽器 (440Hz)

   ソプラノ       モーレンハウエル  メイプル(キンゼカー・モデル)
   アルト       メック          オリーブ
   テナー       モーレンハウエル  メイプル(キンゼカー・モデル)
   バス        ヤマハ         メイプル
   グレートバス   キュング        メイプル
   コントラバス    キュング        メイプル

   ロイヤル・シャン 鈴           子供の頃に使ったアレ
   大きい太鼓    ジャンベ         アフリカから密輸(ウソ) 



曲目

   58. The Fruit of Love [Almaine]
   59. The Choise [Almaine]
   60. The Honie-Suckle [Almaine]
   61. Wanton
   62. The Widowes Myte
   63. The Fairie-Round
   64. As it Fell on a Holie Eve
   65. Heigh Ho Holiday




"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""



Papalinの一風変わった人生を応援して下さる方、
このボタンをポチッと押して↓下さると嬉しいです。 m(__)m

にほんブログ村 音楽ブログ 楽器・音楽機材へ
にほんブログ村

この記事へのコメント

ミール
2012年04月19日 05:40
聴いている方はあっという間に終わりました。超大作モノだったようで、本当に真剣に取り組んでくださりありがとうございました。palinさんのコメントを踏まえて改めて拝聴したいと、今も聴きながらです(^.^) 一つの作品として全体構成がうまくなってるなぁ~と今更ながら感心しています。(20分前)
ミール
2012年04月19日 05:41
>楽譜を見ても何も感じないことの方が、音楽を愛好して演奏するものにとっては遥かに切ないことです。 ああ、、耳に刺さります(^^ゞ まずは楽譜を眺めて感じることだとよく耳にします。また見た目美しい並びの音符は曲も美しいのだとか・・・そのような感性を磨きたいものです。 (16分前)
Papalin
2012年04月19日 05:41
◆◆ ミールさん、今更ですがリクエストありがとうございました。私の方も充分に楽しませて戴きました。ヴィオールが欲しくなりmさひた。でも手は出しません。チェロも眠ってるし。(^_^;) 全体構成にはこだわったので、そこを評価して戴いて嬉しく思います。次は何百曲の曲集でしょうか? (o_ _)o パタッ(0秒前)
Papalin
2012年04月19日 05:42
◆◆ ミールさん、相変わらず言い過ぎましたが、でもそういうことです。リアルのアンサンブルでは、技術的な問題もあろうかと思いますが、それでもやっぱりメンバー同士で納得して、こういうテンポで、こう表現しましょう・・・くらいは共有したいですね。表現に正解はないので、まずは楽譜からインスパイヤする機会を!(0秒前)
P-san
2012年04月19日 08:37
これだけまとめてホルボーンを聴いたことがある人は、私も含めてほとんどいないんじゃないでしょうか。小品群と軽く思っていましたが、まとめて聴くととても存在感のある曲集ですね。
楽器の持ち替えやテンポについても、私たちのレベルや自由なひらめきで曲の表情が変わり、いろいろな楽しみ方ができるなあと一人で頷いているところです。
>表現に正解はないので…
まずはこの意識をもつことが大事なのかなと思いました♪
超絶技巧の曲集ではないだけに、自分たちにひきつけてあれこれ感じられるここ数日でした~♪♪
お疲れさまでした!
ichi
2012年04月19日 12:50
お疲れ様でした。ホルボーンの響きはリコーダー好きなら誰でも好むところでしょうけど、2時間持たせるのは大変なことだと思います。打楽器も歌も総動員でしたね。チェロか・・・そういえば、ずっと出番がないですね。
**表現に正解はないので・・・について、頭をよぎったことは、正解はないけど、不正解はあるんだろうな・・・ということ。野村克也が言っていた言葉で、勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負け無し・・・というのがありました。良いと思える演奏は、無意識にやったものであっても、経験などそこに至った必然的な裏づけがあるのだと思います。
Papalin
2012年04月19日 23:21
◆◆ いろいろな楽しみ方ができるなあ・・・

P-san、ありがとうございます。
仰る通りだと思います。そうして考えますと、プロってCDを作るときは、どれか一つの解釈に絞り込まないといけないので、窮屈だろうな・・・などと思ったりもします。幾通りの演奏もやってみたら面白いと思います。

超絶技巧の曲ではありませんが、恐らく"良識とセンスのある装飾"が試される(?)曲集かも知れません。私は程遠いですけれど。(^_^;)
Papalin
2012年04月19日 23:25
◆◆ 野村克也が言っていた言葉で・・・

ichiさん、ありがとうございます。
久しぶりに、ichiさんらしいお話が聴けたと思って喜んでいます。ノムさんの言葉、共感しますねぇ。φ(.. ) メモメモ

「そこに至った必然的な裏づけがある」
ichiさんのこの言葉も嬉しく思います。φ(.. ) メモメモ
確かに、ある程度の経験がないと、先入観も持てませんね。

2時間は、それなりに長うございました。(^_^;)
サワコ
2012年04月19日 23:30
65曲!すごいですね。 65番の曲が好きです。繰り返しの部分の変え方の色っぽさにキュン そして、打楽器がはいってからの躍動感にワクワクします。そして最後に、4フィートと、8フィートが加わり、幅がでてもうたまりません。何回もききいってます。(13時間前)
ミール
2012年04月19日 23:30
私も演奏してみたい曲は後半に沢山ありました、特に65番はPapalinさんの手法をもらいましょう(笑 (10時間前)
Papalin
2012年04月19日 23:31
◆◆ サワコさん、実は65番の演奏中に、最後の色っぽいと仰るところで、トップのテナーが詰まったのです。いつもだったら仕方なく録り直すのですが、その"枯れ方"が案外ツボだったので、そのままにしました。水滴が溜まって詰まったときに気を使うことは音程の上昇です。それだけ注意して続行しました。(16分前)
Papalin
2012年04月19日 23:31
◆◆ ミールさん、参考になるところがありましたなら幸いです。65番は、予め皆さんから期待されていたことが、こうしたアイディアを生むきっかけとなりました。サワコさんへのお返事の続編でもあるのですが、多重録音の際に、テナーが詰まったのに次いで、同じところでバスも詰まり出して。神憑りでした。(12分前)
アルト笛
2012年04月21日 16:39
寄せていただくのが遅くなってごめんなさい。やっとゆっくり聞かせてもらうことができました、ありがとうございます♪65曲全部となると演奏も2時間にもなるのですね。本当にお疲れ様でした。私もほんの数曲しか聞いたことがなく、こうやって全部を聞くことができるのもPapalinさんのおかげです。Heigh Ho Holiday、こんなふうにも出来るのだなぁと感激して聞いています。最初の低音部のところ、このタイトルは人生を振り返る一日のことを言っているのかと思わせるような、そんな色気があって素敵です!歌心あるテナーの音色、ゾクっとするほど魅力的です。

テンポと曲想を楽譜から読み取るお話、書いておられることを大いに共感しつつ読ませて頂きました。イメージを音にしていくのをPapalinさんのようにはうまく出来ませんけれど、ホルボーンの曲から組み合わせてサークルで練習するときに、一番指摘を受けたのがここに書かれているようなお話でした。「パバーヌだからこのテンポだとか、ガリヤルドだからこんな風とか、きまりはあってないようなもの。曲の組み合わせ方によって自由に変えていい。音楽が流れることが一番大事なのだよ」というお話を聞いて、それからの練習を皆でとても楽しんだのを思い出しました。
アルト笛
2012年04月21日 16:40
長くなりますが、つづきです。
>楽譜を見ても何も感じないことの方が、音楽を愛好して演奏するものにとっては遥かに切ないことです。
>2回目の録音をすると、どうしても"再現"してしまうのですね。たとえ美しく決まったとしても、その演奏は初回と比べると、初々しさとか感動は薄れたもののように感じます。
これと同じことをいつも先生が仰いますね。指の練習は必要だけど、暗譜することが目的になったら、もうそれは音楽じゃない。楽譜を見て、吹く度に流れを感じ、音の重なりを新鮮に感じる、それが楽しい。多少間違っても流れに乗って音の色を目一杯感じながら吹くほうが、何も感じないまま間違えないで吹けたことよりずっといいのよ。って、これはあちらこちら大いにボロを出しながら吹いてる私への慰めなんですけど(笑)(←きっと「指の練習が必要」ということを一番に仰りたいのに、毎度進歩がないので気の毒になるくらいです^^;)
夏の合宿、羨ましいです!以前プレトリウスのテレプシコーレから楽しげに吹いておられるのを上げていらっしゃいましたね。今年も盛り上がって楽しまれるのでしょうね(^_-)-☆
Papalin
2012年04月22日 07:25
◆◆ 自由に変えていい。音楽が流れることが一番大事・・・

アルト笛さん、ありがとうございます。
アルト笛さんのリコーダーに対する思いの伝わる丁寧なコメントを頂戴しまして、嬉しく思っております。

ホルボーン、初体験だったのですが、2時間8分33秒も演奏してしまいました。昔住んでいた家の電話番号が2833でした。関係ないですけど、やろうと思って出来ることではありません。ホルボーン、学生時代に後輩たちがよく演奏していて(練習させられていて)、なんか陰気臭い曲だなぁと思っていたことが、今まで手をつけなかった理由の一つでしょう。ホルボーンにとっては汚名返上というところでしょうか。パヴァンとガリヤードを演奏したい方から相談を戴いたら、この曲集をお勧めすることに致しましょう。

テンポと曲想に関しては、私が通常おこなっていることを簡単に書かせて戴きました。今は実際の演奏が、それも幾つもの演奏がネットで聴ける時代ですけれど、私は敢えて"知らない喜び"を感じていたいと思っています。初期の頃はブリュッヘンの真似とかしていましたが、ずっとそれだとつまらないですし、プロの演奏を聴いても、自分はこうしたいという思いが出てきましたし。

アルト笛さんたちに指摘というかアドヴァイスされたのは先生でしょうか。良いことを仰る方ですね。それ以降、皆さんが楽しめるようになったというのは、すごく大事なことですね。この一言で、皆さんが自走できるようになったとすれば、偉大なアドヴァイスだと思いました。
Papalin
2012年04月22日 08:06
◆◆ 暗譜することが目的になったら、もうそれは音楽じゃない。

アルト笛さん、ありがとうございます。
このことについて、面白いお話があります。

ピアノの演奏会を聴きに行きますと、モーツァルト以降のと言いますか、ベートーヴェンやショパンやリストなど、いわゆる古典派以降の作品を演奏される方は大抵暗譜で演奏されます。一方、バッハなどのバロックの作品を演奏される方はどうでしょう。譜面を見ながら演奏している人が多いのではないでしょうか。この違いがまさにアルト笛さんの仰ることと同じなのです。バロックの作品は、当然練習して暗譜するくらいになっていたとしても、演奏するまさにその時のインスピレーションを大切に表現する音楽なのだそうです。ですので、例えば装飾にしても、"再現"して弾いているのは聴衆を感動に導かないのだとか。バロックの音楽とはそういうものだそうです。面白くないですか?

さて、素敵なことを仰る先生です。アルト笛さんは指の練習云々と謙遜されていますが、ここは素直に受け取りましょう。アルト笛さん自身が"楽しい"と感じられているのですから。

夏の合宿、ご都合をつけて参加されませんか? (^-^ )
アルト笛
2012年04月22日 23:43
ピアノ演奏会の比較のお話、そう言えばそうですね。言われて気がつきました!
再現でなくその場で生み出される新鮮さが大事とは。演奏するたびに新鮮さを感じるのが「古楽」というあたりも面白いですね(#^.^#)
バロックがどういうものなのか無頓着のままたまたま始めたリコーダーですが、楽しみながら教えて頂けてラッキーです。

合宿のお誘い、ありがとうございます。
毎年その頃に娘が帰省するので、今夏はどうするのかなぁとまだ様子見しています。家族内で地均しが必要なところもあり(←ここが大事)もう少し考えるお時間を下さいませ~<(_ _)>
Papalin
2012年04月23日 06:00
◆◆ 演奏するたびに新鮮さを感じるのが「古楽」

アルト笛さん、ありがとうございます。
仰る通り、本当に不思議ですね。
バッハもそうですが、鍵盤楽器の楽譜は数字付き通奏低音が主流ですから、暗譜ということは考えられなかったのかも知れません。同じ数字を見ても、どうリアライゼーションするかは、演奏者のセンスですものね。もしリコーダー・カルテットの楽譜で、トップ以外は数字を見て演奏しなさい・・・なんてのがあったら大変なことです。(^_^;)

夏の高原での合宿ですが、もしご都合が宜しければということで、頭の隅っこにでも置いておいて下さい。地ならし、大事ですよね。(^-^ )

この記事へのトラックバック