◆IL DIVO◆ アントニオ・ザッカーラ・ダ・テーラモの作品
≪毎日がコンサートの本番です≫

Antonio "Zacara" da Teramo (1350-c1413) / Credo
URL : http://papalin.yas.mu/W021/
◇公開日: 2012年11月24日
◇演奏時間: 6分25秒
◇録音年月: 2012年11月
上のアルファベットの曲目名をクリックして、
Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)
アントニオ・ザッカーラ・ダ・テーラモ(Antonio Zaccara da Teramo またはザカーラ Zacara, Zacharaとも書く 1350-c1413)は、中世イタリアの作曲家・声楽家・教皇庁事務官でした。トレチェント音楽からルネサンス音楽への過渡期の作曲家であり、1400年頃に最も活躍したイタリア人作曲家の一人です。
いきなり脱線しますが、彼は教皇庁事務官であったにも関わらず、とても意外なこと(意外な作曲)をしています。それは『マンチーニ写本』に載っている《神々の中の神プルートよ Deus deorum, Pluto》という曲なのです。古代ローマの冥府の神を呼び起こす2声の歌曲なのですが、歌詞は地獄の死者の名で満たされています。これは「鬼神の王者プルートゥスへの情熱的な祈り」で、信心深いバチカンの秘書官にあるまじき音楽作品なのです。しかもザッカーラは、この曲を土台にしてクレド唱を作曲してさえいるのですね。まぁ世俗曲を土台にして聖なる聖歌を作曲するということはよくあったことなのですが・・・。
彼の作品は、宗教音楽と世俗音楽の両方が現存していて、1400年頃に活躍したどの作曲家にもまして多くの作品数が残されています。組ミサの数多くの断章(グローリア唱とクレド唱)が、1420年ごろに編纂された『ボローニャ写本Q15』によって伝承されています。ここで取り上げた"Credo"も、そうした中の一曲かも知れません。続くルネサンス音楽を感じさせる響きだと感じました。
2箇所に登場する非常に違和感のある音、さすがにそのまま演奏することはできず、1回目ではある音を演奏せず、2回目は音を変えてしまいました。現代人である私たちがやや違和感を覚えるようなハーモニーがこの時代の音楽にはよくあるのですが、この2箇所だけは楽譜の間違いではないかと思っています。
楽譜は、IMSLPから借用致しました。
使用楽器 (A=440Hz)
テナー 全音 チェリー
バス ヤマハ メイプル
グレートバス キュング メイプル
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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