◆IL DIVO◆ 14世紀『モンセラートの朱い本』から

≪毎日がコンサートの本番です≫

画像
Llibre Vermell de Montserrat (14c. Spain)
URL : http://papalin.yas.mu/W022/

 
  ◇公開日: 2012年11月24日
  ◇演奏時間: 15分15秒
  ◇録音年月: 2012年11月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)




モンセラートの朱い本(カタルーニャ語:Llibre Vermell de Montserrat)は、中世ヨーロッパの歌曲集です。14世紀の手写本で、スペインのバルセロナ郊外にあるモンセラート山の、黒い聖母像で知られるモンセラート修道院に伝承されるものです。13~14世紀頃、モンセラート修道院へ参ずる巡礼者たちによって歌い踊られた10曲の歌謡を含んでいます。

モンセラートの朱い本は、1399年ごろに作製されたものです。モンセラートの朱い本という通称は、この曲集が19世紀に赤い表紙によって装幀されたことを表しています。個々の曲の作者はわかりません。モンセラート修道院には、当時の巡礼地の遺構である「モンセラートのマリア」聖堂が建っており、曲集中でしばしば聖母マリアに言及されているのはこのためです。

さて、この曲集を大分類のどこに収めたらよいか迷いました。「中世 ③アルス・アンティクヮ」のところに強引に押し込んだのは、そこに当時の写本に収められた作者不詳の作品を掲載しているということだけがその理由です。アルス・アンティクヮに分類される音楽ではありませんので、お間違いなきよう。一つ前のラス・ウェルガス写本もそうですが、スペインに残されたこれらの資料は、中世ヨーロッパの音楽を知る上で、とても重要です。貴重なものが残されていました。

この写本に収められている曲は、どれも現代人にとって、そして私たち日本人にとって、ほとんど違和感のない歌だと感じています。日本の民謡だといっても騙されてしまうかのような曲もあります。
(輝ける星よ;"Stella splendens in monte")

また、今回いくつかの曲を演奏して追加しました。かつて演奏したことのある曲の異なる演奏バージョンのものも含めました。同じリコーダー・アンサンブルでの演奏といえども、どの楽器を使って、どんなテンポで、どんな表情をつけるかによって、こんなにも異なる印象になるという例かもしれません。
(母なるマリアよ;"Mariam Matrem Virginem")

曲集にはカノンの曲もあって、楽しく演奏させてもらいました。これらの歌を歌った当時の人たちは、もっと楽しかったことでしょう。



楽譜は、手持ちのものと、IMSLPから借用致しました。



使用楽器 (A=440Hz)

   ソプラノ       モーレンハウエル   キンゼカー
   アルト        モーレンハウエル   キンゼカー
   テナー       モーレンハウエル   キンゼカー
              全音            チェリー
   バス         ヤマハ          メイプル
   グレートバス    キュング         メイプル

   ほかに打楽器など




Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



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この記事へのコメント

2012年11月24日 13:39
「どれも現代人にとって、そして私たち日本人にとって、ほとんど違和感のない歌」ですね。
Papalin
2012年11月24日 15:23
◆◆ ほとんど違和感のない歌」ですね。

ちばこうきさん、ありがとうございます。
こういう音楽を耳にしますと、西洋と日本は昔から文化の交流があったのではないかと思ってしまいます。(^_^;)

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