◆IL DIVO◆ 14世紀『シャンティー写本』から
≪毎日がコンサートの本番です≫

Chantilly Codex (14c. France)
URL : http://papalin.yas.mu/W026/
◇公開日: 2012年11月25日
◇演奏時間: 3分14秒
◇録音年月: 2012年11月
上のアルファベットの曲目名をクリックして、
Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)
誤解を招くといけないと思いまして書きます。
IL DIVO Papalinのサイトでの分類の癖をご理解戴きたいと思いまして・・・。
ヨーロッパ各地に残されている『写本』には、様々な作曲者の作品が収められています。それらの写本に掲載されている楽曲の中で、特別に取り上げたい作曲者の場合は、独自のページを設けています。その判断基準は、Papalinの主観に基づいています。きちんと線を引けない、誰が重要で、誰は大した作品を残していない・・・そういったことが分類の基準ではなく、強いて言えば、「この人は独立させて、局所的にあれこれ書きたい!」ということがあるかないかによる分類・・・でしょうか。
さて、そうした前書をここで書きますと、ここで取り上げた作曲家であるキュヴリエについては、写本という括りでまとめ書きをしたいのか・・・ということになりますけれど、それはまんざら嘘でもありません。キュヴリエに関しての情報は非常に乏しいです。そして、この1曲だけで感想を述べることも憚られます。
しかし!
この不協和音の連続と複雑なリズムが、私にとって心地よいのは否めません。
シャンティー写本(Chantilly Codex)は、アルス・スブティリオル様式の曲を含む中世西洋音楽の写本。ほとんどの曲には1350年から1400年までの日付がつけられている。全部で120曲あり、大部分がフランスの作曲家の曲で、そのすべてがポリフォニー(多声)である。収められている曲は当時最も人気のあった舞曲形式が多く、バラード、ロンドー、ヴィルレー、イソリズムの手法によるモテットである。モテットの幾つかはリズムが非常に複雑で、難解かつ厳格な記譜法で書かれている。ボード・コルディエの2曲は他で見たことがないような独特の形で書かれていて、その曲の内容を視覚的に表している。ちなみに、その1曲『美しく気立て好く賢い女(ひと)よ』の楽譜の形は、コルディエ Cordier の Cor(心臓、の意味)から取られた遊びである。
コルディエ以外には、ヨハネス・シモン・アスプロワ、ジョン・シュゼー、ピエール・デ・モラン、ゴスカルシュ、ソラージュ、グリマス、ギヨーム・ド・マショー、ジャン・ヴァイヨン、フランソワ・アンドリュー、キュヴリエ、トレボール、ジャコブ・ド・サンレーシュといった作曲家の作品が含まれている。
楽譜は、まうかめ堂さんから借用致しました。
使用楽器 (A=440Hz)
ソプラノ モーレンハウエル キンゼカー
テナー モーレンハウエル キンゼカー
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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この記事へのコメント
意図したのか、こうなっちゃったのか全くわかりませんが、少なくとも当時音にして、これを良しとしたんでしょうから、面白いですね。また、楽譜はとても美しいですが、演奏家にとっては甚だ迷惑なもので・・・これもまた芸術的ですね(笑)
ichiさん、ありがとうございます。
中世の音は、長調短調の音楽に慣れ親しんだ私たちにとっては少なからず違和感があると思いますが、それが心地よく感じるようになったら、立派な中世中毒患者となります。私はかなり重症です。(^_^;)
最近思うのですが、長3度の響きを"美しくない響き"だとしていたのは、無理やりそう決めていたのではなくて、本当に美しくなかったのではないか。そしてその原因は、当時の調律法であるピタゴラス律にあったのではないかと思うのです。それについては、また拙説を別ブログに書こうと思っています。
こうした芸術的な楽譜って、写本だからなのでしょうか。私には、実際にこれで演奏する(歌う)とは思えないです。演奏用には、ちゃんとした(?)楽譜があったのではないかと思うですが、如何なものでしょう。