◆IL DIVO◆ 14世紀 『ロバーツブリッジ写本』から

≪毎日がコンサートの本番です≫

画像
Johannes Ciconia (c1373-1412) / Mass movements, Motet, Ballata
URL : http://papalin.yas.mu/W032/

 
  ◇公開日: 2012年11月27日
  ◇演奏時間: 10分1秒
  ◇録音年月: 2012年11月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)




イギリスの写本です。珍しいですね。

この写本に含まれている曲は、鍵盤楽器すなわちオルガン用の作品と思われますが、当時の音楽は声楽作品が主流といいますか、ほぼ全てがそうだったようです。後塵を配した器楽作品それもオルガン曲に関しては、その後も遅々としてあまり発展しなかったようです。

ここで演奏したエスタンピーは、平行5度が特徴的な響きをもたらせています。しかしこれは14世紀に始まったものではありません。遡ること500年前の9世紀に行われたポリフォニー(多声音楽)の最初の実験段階特有のものでした。

第1曲は、最初が部分的な演奏であり、完全なものを第2曲目に入れました。エスタンピーはもともと舞曲であったり、舞踏のための歌でしたが、この写本に掲載された曲は、後期の発達段階のものだったようです。すなわち、既にエスタンピー本来の意味は失われ、所々に技巧的な節づけをはさんだアブストラクト(抽象的)な楽曲形態になっているのですね。

ところで、エスタンピーは軽快に演奏しないと、エスタンピーに聴こえません。
以前演奏した1曲目(take1)は正直言って失敗作です。駄目な演奏例です、すみません。
2曲目(take2)、3曲目は、久しぶりのト音記号・ヘ音記号の楽譜で、嬉しさが溢れています。

一緒のディレクトリに収納されていたFelix namque という曲を演奏しましたが、これはロバーツブリッジ写本に含まれている曲ではないような気がします。もう一曲の方は明らかにバロック時代の曲と思われます。



楽譜は、手持ちのものと、こちらから借用致しました。
エスタンピーという曲の形式を知らないと、ちょっと癖のある楽譜かも知れません。



使用楽器 (A=440Hz)

    ソプラノ       モーレンハウエル   キンゼカー
    アルト        モーレンハウエル   キンゼカー
    テナー        全音            チェリー
    バス         ヤマハ          メイプル
    グレートバス    キュング         メイプル




Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



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