◆IL DIVO◆ 『世界音楽史 四つの世界』 (ヴィオラ著)
≪毎日がコンサートの本番です≫
Die Vier Weltalter Der Musik (Walter Wiora)
URL : http://papalin.yas.mu/W708/
◇公開日: 2012年12月18日
◇演奏時間: ???
◇録音年月: 2012年12月
上のアルファベットの曲目名をクリックして、
Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)
古代から中世までの西洋音楽をずっと演奏してきました。手持ちの楽譜やインターネットで手に入る楽譜で、私が演奏可能なものは、そこそこ演奏できたと思います。なんて言っていますが、本当はグレゴリオ聖歌だけでも相当な数があります。そういったものには手をつけていませんので、偉そうなことは言えませんね。
さて、本格的にルネサンス音楽に移る前に、ちょっと寄り道というか脱線をしたいと思います。昔の鉄道の機関庫にあったターンテーブルをご存知でしょうか。私を誘惑する様々な線路が目の前に広がっていて、どこにも向かいたい気持ちなのですけれど、まずは一つ選びました。
今読んでいる音楽の歴史の本に、譜例が掲載されています。楽譜中毒の私ですから、やっぱり読むだけではなくて、それらを音にしてみたい、そして自分で聴いてみたい・・・そう思うのです。
そういうわけで、『世界音楽史 四つの時代』(原書:Die vier Weltalter der Musik, 1961)に掲載されている譜例を演奏し始めました。
従来、私がとりあげてきましたのは、西洋音楽の歴史の本です。アーペルが著した『ピアノ音楽史』については、演奏し始めたものの、中世の作品のところで中断しております。そちらも追々演奏していきたいと思っておりますが、その前に別の新しい本(本当は古い本)に向かいます。これが何とも刺激的なタイトルです。
ちなみに、"四つの時代"とは、次のように区分されています。
第一の時代 : 先史時代と初期の時代
第二の時代 : 古代の高度文明および東洋における音楽
第三の時代 : 西洋音楽の特別な位置
第四の時代 : 技術的世界的産業文化の時代
譜例の掲載順序(それは私の演奏順序と等しいのですが)に関しては、上記の時代区分と必ずしも一致せず、後の音楽であっても関連性が認められるもの(それは偶然であったとしても)として登場することがありますので、ご注意下さい。
著者であるドイツの音楽学者のヴィオラ(Walter Wiora 1906‐1997)は、従来の西洋中心の音楽史に対して、更に目を広げ、世界の音楽史を提唱しました。人類の音楽を、上記のような(私には十分意外で変わったものでしたが)四つに分けて、世界の音楽について論じています。原書の出版は1961年、何と私がこの世に生を受けた年です。柿木吾郎さんによって、邦訳版が1970年に出版されています。ヴィオラ氏によれば、西洋音楽は中世初期から20世紀初頭に至る約千年間、それ自身で一つの時代を形成するユニークな存在であり、西洋以外の諸地域の音楽と並存する地理的現象ではなく、一つの歴史的現象であり、地球上の他のいかなる音楽にも類を見ない独自の性格を備えていると述べています。私には哲学的にさえ感じる理論ですけれど、誤解も恐れずに少し噛み砕いて生の音とブログにすることができたら幸いです。
ヴィオラ氏による序言の冒頭の一文と、四つの時代区分に関する説明を引用します。
音楽は西洋世界の特権ではなく、また音楽史は西洋音楽だけの歴史ではない。
Ⅰ.先史時代と初期の時代
先史時代および初期の時代、その残存物は自然民族のあいだや高度文化の古風な
民族音楽の中に残っている。
Ⅱ.古代の高度文明および東洋における音楽
古代における高度諸文化の音楽、スメルおよびエジプトから後期ローマ時代まで。
また同様に、東洋の高度諸文化におけるその多様な継続といっそうの発展。
Ⅲ.西洋音楽の特別な位置
中世初期以降の西洋の芸術音楽、それはポリフォニー、ハーモニーやシンフォニー
のような大規模な諸形式、その他の特徴によって、他の高度文化とは異なっている。
Ⅳ.技術的世界的産業文化の時代
地球上のすべての国々に広がった技術および産業文化の時代における音楽。
それは一種の「万国博物館 universales Museum」のように従来のすべての文化
遺産を結集し「世界的公衆」を前にして、技術、作曲、研究などをいっそう発展させ、
国際的な演奏生活を遂行する。
さて、この私に世界を、歴史を俯瞰して語ることができますでしょうか。 (^_^;)
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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