◆IL DIVO◆ 13: 『楽譜の歴史』 定量譜 【14世紀イタリア定量譜】
≪毎日がコンサート本番!≫

Music Gallery 2.Mensural notation - 5.Italian Mensural notation in 14c.
URL : http://papalin.yas.mu/W708/#M115
◇公開日: 2013年10月12日
◇演奏時間: 32秒
◇録音年月: 2013年10月
上のアルファベットの曲目名をクリックして、
Papalinの音楽室でお聴き下さい。
この時代の音楽には新鮮さがあって、随分と沢山演奏したように思うのですが、それでもまだ知らない曲が譜例として上がっていますとワクワクします。逆に知っている曲が登場するとホッとしたり。ということで、以前演奏した録音を流用させてもらったものもあります。悪しからず。
【27.2声のバラータ (ジョヴァンニ・ダ・フィレンツェ作曲)】

イタリアのジョヴァンニ・ダ・フィレンツェ(14世紀)作曲の2声バラータです。上声部が写真の上4段、下声部がした3段に記されています。リズムは4分の4拍子です。6本の譜線を用いるのが、この時期のイタリア記譜法の特徴でした(パリ 国立図書館)。
譜線の本数については、何本が適切なのか、当時の音楽家も色々と考えを巡らせたことでしょう。私は、この6本の譜線は、教会旋法の音域である1オクターブと1音が、譜線の中にすっぽりと収まる、ちょうどその本数を意識したものではないかと思います。私たちは5線に慣れすぎていますので、初めて見ると違和感を感じるかも知れませんが、慣れると4本でも6本でも問題なく感じるようになります。本数の多い6本でも、ヴィジュアル的に、音符の位置は中央より上なのか下なのか、それぞれの中で上中下のどこにあるのかは迷わないで識別できます。これが8本とか10本を超えるようになりますと、私には識別不可能になります。
この作曲家とは初めて出会いました。別名は、ジョヴァンニ・ダ・カッシャです。14世紀イタリア、トレチェント音楽の初期の音楽家で、イタリアに初めて多声音楽をもたらした作曲家の一人とWikipediaには書かれていますが、時代的にちょっと本当かな?という気もします。イタリアは14世紀までグレゴリオ聖歌のようなモノフォニー音楽だけだったのでしょうか。
この作曲家の何か他の曲も演奏してみようと思ったのですが、インターネットで見つかったのはファクシミリ譜だけだったので、萎えてしまいました。この曲、しかも4小節だけで判断するのはあまりにも危険ですが、同時代のマショーのいたノートル・ダム楽派の音楽と比べますと、より前時代的な発展途上の音楽という感じがしました。
【28.3声のマドリガーレ (フランチェスコ・ランディーニ作曲)】

14世紀イタリアの代表的な音楽家フランチェスコ・ランディーニ(1335ごろ-1397)による3声マドリガルの楽譜です。手にオルガンを持った作曲家の肖像が目を引きます。楽譜は6線を引き、音符の並び方がフランスの定量譜と多少異なっています。上声部が写真の第9行目まで、つづいてテノールがはじまり、中声部は次のページに記されています(フィレンツェ メディチェア=ラウレンツィア図書館所蔵)。
ランディーニと言えば、あのランディーニ終止でその名を覚えた作曲家です。ランディーニ終止に関しては、こちらでちょっとだけ触れています。
曲はシンコペーションの使い方など、同時代のやや先輩であるマショーの作品によく似た感じがします。それにしても、手に持ったオルガンの絵が印象的です。空気をどうやって送っていたのか、絵ではよく分かりませんでしたが、発音機構の違いは別として、形状としてはアコーディオンや鍵盤ハーモニカの原型とも言えそうです。
楽譜は、音楽之友社のISBN4-276-38008-1 C0073を使用しました。
使用楽器
ソプラニーノ キュング ローズウッド
ソプラノ モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
ソプラノ モーレンハウエル グラナディラ
ソプラノ フェール パリサンダー
アルト モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
アルト メック オリーヴ
テナー モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
テナー メック ボックスウッド
テナー 全音 チェリー
バス ヤマハ メイプル
グレートバス キュング メイプル
コントラバス キュング メイプル
チェンバロ ギタルラ社 フレミッシュ・タイプ
ギター クラシック・ギター
打楽器 大小ジャンベ、鐘等
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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