◆IL DIVO◆ 23: 『楽譜の歴史』 奏法譜(タブラチュア) 【スペイン鍵盤奏法譜】
≪毎日がコンサート本番!≫
Music Gallery 3.Tablature - 7.Tablature for Keyboard works in Spain
URL : http://papalin.yas.mu/W708/#M127
◇公開日: 2013年10月13日
◇演奏時間: 3分4秒
◇録音年月: 2013年10月
上のアルファベットの曲目名をクリックして、
Papalinの音楽室でお聴き下さい。
スペインで使われた鍵盤楽器用の奏法譜は、また変わったものです。
【55.徳ある乙女 (ジョスカン・デ・プレ作曲 アントニオ・デ・カベソン編曲) (16世紀 スペイン)】
スペインのアントニオ・カベソン(c1500-1566)の<音楽作品集>です。作曲家の死後1578年に刊行されたもので、このページにはフランドル楽派のジョスカン・デ・プレ(c1440-1521)作曲のモテトゥス<ヴィルゴ・サルティフェラ(徳ある乙女)>の鍵盤編曲と記しています。横の5線は5つの声部を、数字は押すべき鍵盤の位置(1がヘ音)を表示しています。リズムの指示はありませんが、数字の位置から音の動きはおのずから明らかです(Antonio de Cabezón, Obras de musica)。
アントニオ・カベソンの音楽は、私も結構演奏してきましたが、いずれも解読譜である現代譜で演奏してきました。彼がこんな楽譜を書いていたことなど、知る由もありませんでした。それにしてもこの5線で5声部を書かれたという楽譜は、普段目にする5線譜と線の数が同じであることが、却って混乱を招きそうな気がしますが、皆さんはそんな風には感じませんでしょうか。また、これが6本線だと、今度はギター用のTAB譜のようにも見えてしまいそうです。いずれにしても、この楽譜で鍵盤楽器を弾いていたというのが信じられないです。
鍵盤用に編曲する前の元のデ・プレの楽譜も含めて探したのですが、見当たりませんでした。<徳ある乙女>は有名な歌らしいのですが、見つけ方に問題があったのかもしれません。ということで、解読譜の3小節余りの演奏で恐縮です。
【56.賛歌「舌よ、ほめよ」 (アントニオ・デ・カベソン作曲 エネストロサ編曲) (16世紀 スペイン)】
1557年刊行のスペインのベネガス・デ・エネストロサ編の曲集です。カベソン作曲の賛歌<パンジェ・リングァ(舌よ、ほめよ)>を記譜しています。2声部のための2本の線を引いて、鍵盤中の押すべきキーの位置を示す数字を付しています(V.de Henestrosa, Libro de cifra nueva para Tecla, Harpam y Vihuela)。
下側の声部が伴奏を受け持つ曲と思われますが、結構忙しく動き回りますね。上の旋律がゆったりとしたものなので、この楽譜でも何となく演奏できそうな気がしますが、複雑なリズムの曲だったりしますと、ちょっとお手上げかなと思います。
解読譜の方は4小節余りの演奏ですが、カベソンの<パンジェ・リングァ>の他の楽譜がありましたので、そちらも演奏して載せました。
楽譜は、音楽之友社のISBN4-276-38008-1 C0073を使用しました。
使用楽器
ソプラニーノ キュング ローズウッド
ソプラノ モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
ソプラノ モーレンハウエル グラナディラ
ソプラノ フェール パリサンダー
アルト モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
アルト メック オリーヴ
テナー モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
テナー メック ボックスウッド
テナー 全音 チェリー
バス ヤマハ メイプル
グレートバス キュング メイプル
コントラバス キュング メイプル
チェンバロ ギタルラ社 フレミッシュ・タイプ
鍵盤ハーモニカ 鈴木楽器 メロディオン
ギター クラシック・ギター
打楽器 大小ジャンベ、鐘等
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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