◆IL DIVO◆ 『楽譜の歴史』 (皆川達夫 著)

≪毎日がコンサート本番!≫

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1.Music Score in ancient times and the Middle Ages - 1.Ancient Greece
URL : http://papalin.yas.mu/W708/#M101

 
  ◇公開日: 2013年10月05日
  ◇演奏時間: ???
  ◇録音年月: 2013年10月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。




楽譜の歴史に関しては、様々な文献がありますが、皆川達夫さんが
1985年に執筆され、音楽之友社から出版されたこの本は、厚さ5mm
くらいのお手頃なものですが、写真が非常に美しく掲載されていて、
とても気に入っています。

この本には、約2千年前から現代に至るまでの"楽譜"が掲載されていますが、ヨーロッパ古代から中世にかけての"楽譜"は、何かしらの手掛かりがないと解読できません。その手掛かりですが、割とよく目にする4線ネウマ譜などの時代になりますと各音の高さやそれらの関係は明確になりますが、音の長さは不明な点が多いことは知られています。しかし、それ以前、つまりネウマ譜でも初期の1線のものや更に時代を遡ると、音の高さや各音の関係、すなわち音程すらわからないというのが現状で、21世紀になった今も、音楽学者たちの議論の材料となっているのです。その謎を何らかの方法で、例えば他の楽譜との比較等によって、こういう音程やリズムだったに違いないという、ある程度の確証をもって示せる箇所(つまり部分)を現代譜に置き換えて、著者である皆川さんは著書に現代譜を掲載しています。私はその現代譜を見て演奏するわけですが、古代から中世へと時代が進むにつれ、私でもルールを解してそのまま演奏できる"楽譜"になりましたら、翻訳された現代譜ではなくて、往時の"楽譜"を見ながら演奏したいと思っています。

個人的には、セイキロスの墓碑銘に刻まれた音楽と同時代の、ギリシアの音楽に出会えて、非常にうれしく感じているところです。

著書に明確な章立てはありませんが、音楽室の方では、次のように区分して演奏を掲載したいと考えています。

  第1部 古代と中世の楽譜      Music Score in ancient times and the Middle Ages

  第2部 定量譜             Mensural notation

  第3部 奏法譜(タブラチュア)    Tablature,Tabulature

  第4部 近代記譜法          Modern staff notation


そうそう、初期のネウマ譜に関する記述で、「○○タイプのネウマ譜」という分類が出てきますが、私自身も馴染みがないので、一覧表を載せておきます。この表も、この本に掲載されているものです。

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【各地域のネウマ】


どんな音が響いてくるのか、リコーダーと歌でしか表現できないと思いますが、ときに打楽器やその他の手持ちの楽器が登場するかもしれません。また、テンポや表現は、往時のものとは当然のことながら異なるでしょうけれど、そうしたことを全部ひっくるめて、わくわくしています。


楽譜は、音楽之友社のISBN4-276-38008-1 C0073を使用しました。


Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



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この記事へのコメント

takasi
2013年10月10日 05:56
初めて見ました。
こんな記号で演奏していたんですね
(10月6日 6:12)
Papalin
2013年10月10日 05:56
◆◆ takasiさん、そうなんですよ。現在私たちが目にする、いわゆる”おたまじゃくし”の楽譜は、ヨーロッパにおいて2000年近く改良に改良が重ねられてできたものなのです。現代から見ると、不都合極まりないとも思える昔の楽譜ですけれど、当時の人々にとってはこれが普通であり、ありがたいものであり、かつこれを見ながら演奏していたということに驚かされます。
(10月6日 6:30)

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