◆IL DIVO◆ 29: 『楽譜の歴史』 近代記譜法 【メンデルスゾーン自筆楽譜】
≪毎日がコンサート本番!≫
Music Gallery 4.Modern staff notation - 3.Felix Mendelssohn Bartholdy original score
URL : http://papalin.yas.mu/W708/#M133
◇公開日: 2013年10月21日
◇演奏時間: 28秒
◇録音年月: 2013年10月
上のアルファベットの曲目名をクリックして、
Papalinの音楽室でお聴き下さい。
メンデルスゾーンと言えば、バッハの<マタイ受難曲>を掘り起こして、演奏会で復活演奏をした人物です。なぜ<マタイ受難曲>なのかというのは、子供の頃の誕生日のプレゼントに、両親からこの曲の楽譜をプレゼントされたことが発端のようです。当時は、音楽作品は完成した時からさほど時間を経ずに消えて行くのが普通でしたので、1829年という、バッハ没後79年も経っての再演は非常に稀なことでした。著書で、バッハの<マタイ受難曲>のすぐ後にメンデルスゾーンの楽譜を取り上げているのは、何も書かれてはいませんけれど、皆川達夫さんの意図を感じ取ることができます。
【69.Vnエチュード、または 2Vnのためのカノン (メンデルスゾーン作曲) (19世紀 ドイツ)】
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ(1809-1847)が、1844年に著名なヴァイオリン奏者ヨゼフ・ヨアヒム(1831-1907)に送った自筆楽譜です。ひとつのヴァイオリンで演奏しても良いのですが、ふたつのヴァイオリンでカノンとすることもできます。いかにもメンデルスゾーンらしい、やさしい女性的な筆つかいです(遠山音楽図書館所蔵)。
確かに美しく書かれています。この自筆譜が日本にあるというのもいいですね。
皆川達夫さんの文章から、メンデルスゾーンがヴァイオリニストのヨアヒムにこの曲をプレゼントしたのは、ヨアヒムがまだ12、3歳の時と計算できます。そのころからヨアヒムの才能を彼は見抜いていたのでしょうね。メンデルスゾーンは親しい人に、こうした短い曲をその場で作曲してプレゼントするという特技があったようです。私ももらいたかったなぁ。
さて、上に書きましたように、この曲はカノンで演奏しても良いとあります。現代譜のカノンならば、「2番目の奏者はここから入りなさい」と書かれていますが、この自筆譜にはその指示が見当たりません。私は演奏するにあたって、ソロとカノンと両方をやってみたいと思ったのですが、さて困りました。楽譜を一生懸命眺めて、2番目のパートがどこから入るのかを考えました。7小節目の1拍目で終わる短い音楽ですから、カノンは最大で1小節ずれだろうと見当をつけました。そして考えますと、1小節ずれだと、3小節目と4小節目で1拍目の音が全く同じになって、面白くありません。次は1拍ずれを考えましたが、和声の変化を考えますと、これも違う・・・そうしてたどり着いた私の推論の結論は、「16分音符遅れ」でした。
最初はソロで、次いでこの推論に基づいてカノンで演奏をしてみました。これで合っているような気がします。ヴァイオリンにふさわしい音の並びをした、一回聞いたら耳に残る印象的な曲だと思います。
楽譜は、音楽之友社のISBN4-276-38008-1 C0073を使用しました。
使用楽器
ソプラニーノ キュング ローズウッド
ソプラノ モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
ソプラノ モーレンハウエル グラナディラ
ソプラノ フェール パリサンダー
アルト モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
アルト メック オリーヴ
テナー モーレンハウエル キンゼカー(メイプル)
テナー メック ボックスウッド
テナー 全音 チェリー
バス ヤマハ メイプル
グレートバス キュング メイプル
コントラバス キュング メイプル
チェンバロ ギタルラ社 フレミッシュ・タイプ
鍵盤ハーモニカ 鈴木楽器 メロディオン
ギター クラシック・ギター
打楽器 大小ジャンベ、鐘等
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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