◆IL DIVO◆ ヘンリー・パーセル / 4声のファンタジー Z.735-744

≪毎日がコンサート本番!≫

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Henry Purcell (1659-1695) / Fantasies à4 Z.735-744
URL : http://papalin.yas.mu/W189/#M735

  ◇公開日: 2014年1月20日
  ◇演奏時間: 32分22秒
  ◇録音年月: 2014年1月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。




一つ前の「3声のファンタジー」だけでも、十分に驚い
たのですが、こちらの4声の方は更に私をして楽しま
せてくれる音楽でした。

違和感を感じる音という意味では、3声の作品よりも、こちらの4声の作品の方が顕著です。演奏にあたっては、3声の作品の方で既に溜飲を下げていたので、驚くことなく演奏できました。そして未完のZ.744の作品を含めた10曲を演奏してみて、私の仮説もまんざらではないのかなと思うようになりました。

パーセルのこうした作品を、あたかも作曲の勉強の途上の稚拙な作品と思われる方もいらっしゃるようですが、ある意味で私は彼よりもはるかにその素性が明らかになっているモーツァルトと同じように、パーセルは天才的な音楽家だと思っています。しかるに、モーツァルトがそうであったように、勉強の途上であっても、稚拙なものなど作曲できない(!)のです。更にいうなら、これはパーセルが確信をもって世に送り出した作品だと思います。

確かに稚拙な演奏だと、あたかも音を間違えたかのように聴こえてしまう音楽かもしれません。これらの作品はヴィオールのアンサンブルのために作曲されています。ヴィオールの何とも言えない優雅でいながら影を感じさせる音質でこれらの曲を聴いたなら、不協和音もすんなり楽しめるのかもしれません。その証しに、リコーダー・アンサンブルで演奏した場合、トップをソプラノで演奏する4フィート・アンサンブルよりも、トップがテナーになる8フィート・アンサンブルの方が、問題と思われるような箇所でも落ち着いた響きに聴こえませんか。

ヴィオール用の作品なので、音域はかなり広く、リコーダー・アンサンブル用の楽譜でも2オクターブの音域を要求しています。必然的に楽器も選ばなくては演奏できませんね。そうした意味で、3声の作品の演奏で、全音の桜材のテナーを使用したのは失敗でした。途中から音域をみながらメックのボックスウッドに変えました。アンサンブルの音としては全音の楽器は捨てがたいのです。



楽譜は、IMSLPに掲載されたものを使用しました。


  Z.735 Fantasy in G minor [arr. br Kompy]
  Z.736 Fantasy in B-flat major [arr. br Kompy]
  Z.737 Fantasy in F major [arr. br Kompy]
  Z.738 Fantasy in C minor [arr. br Kompy]
  Z.739 Fantasy in D minor [arr. br Kompy]
  Z.740 Fantasy in A minor [arr. br Kompy]
  Z.741 Fantasy in E minor [arr. br Kompy]
  Z.742 Fantasy in G major [arr. br Kompy]
  Z.743 Fantasy in D minor [arr. br Kompy]
  Z.744 Fantasy in A minor (incomplete) [arr. br Kompy]


使用楽器

   ソプラニーノ      キュング         ローズウッド
   ソプラノ         モーレンハウエル   グラナディラ
   アルト          メック           オリーヴ
   テナー          全音            チェリー
   テナー          メック           ボックスウッド
   バス           ヤマハ          メイプル
   グレートバス      キュング         メイプル
   コントラバス       キュング         メイプル
   サブ・コントラバス   キュング         メイプル (+エフェクタ)



Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m


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