◆IL DIVO◆ 五線譜でたどる音楽の歴史 B:グレゴリウス聖歌

≪毎日がコンサート本番!≫

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Music History in Examples. From Antiquity to J.S. Bach (Otto Hamburg) / Gregorian chant
URL : http://papalin.yas.mu/W711/#M002

  ◇公開日: 2014年3月15日
  ◇演奏時間: 4分46秒
  ◇録音年月: 2014年3月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。




オットー・ハンブルク(Otto Hamburg)著による『五線譜でたどる音楽の歴史(Music History in Examples. From Antiquity to Johann Sebastian Bach)』に掲載された楽譜を用いて演奏しています。

【B:グレゴリウス聖歌】

2. 交唱「私は賛えます」付 詩篇 第146[145]番「私の魂よ、主を賛えよ」
   Psalm 146 "Lauda, anima mea" with Antiphon "Laudabo"


水曜日(Feria quarta)の夜の聖務日課--賛歌(ad laudes[晩課,Vesperas])--5番目の口語詩篇唱。これは、キリスト教会で非常に普及している旋律的には極めて単純な詩篇唱法の一例である。この場合はイ音を保続音(tenor)とする保音部に、第4旋法(ホ音を終止音とする変格旋法)による発唱部(initium)と中間部(mediatio)、それに saeculorum, amenという文句を唱える終止部、いわゆる変化終止形(differentia)が付いている。交唱は、元来は詩篇の各句の後でそのつど繰り返し歌われるリフレイン風の短い歌だったのだが、トレントの宗教会議(1545-63)以降は詩篇全体の前後だけでしか歌われない。

私の演奏では、リフレインは省いています。



3. 「主よ憐れんで下さい」
   Kyrie eleison (IV)


キリエ(Kyrie)は、ミサ通常文(ordinarium missae)--どんな日でも文句が変わらない5つの部分--の最初の部分である。これはそれぞれ3回繰り返される3つの祈願文からなり、入祭唱の後で歌われる。第1旋法によるヴァティカン版のキリエ第4番(イーテ・ミサ・エスト第4番)は、楽譜が筆写されるようになりはじめた頃から、すでに一般によく知られていたものである。メリスマ(melisma,1音節につけて歌われる一群の音符)に富むこの旋律は、様々にトロープス(tropus,新たな説明文を付けること)されていた。

私の演奏では、リフレインは省いています。



4. キリエ・トロープス「全能の創造主」
   Kyrie Trope; Cunctipotens


旋律線は前の譜例3とほぼ同じだが、メリスマの箇所は新たな歌詞がつけられていて、音節的になっている。このようにして、また新たな部分--とは言っても必ず元の旋律と関係がある--が付け加えられたり間にいれられたりしたので、ミサと聖務日課で歌われる聖歌は中世期に徐々に変化し、新しいものとなった。新たに付け加えられた歌詞は、トレントの宗教会議によってすべて使用禁止になったが、出だしの文句だけはよくそのまま表題として書き留められている。キリエ第4番につけられた「全能の創造主」という文句は、その一例である。

メリスマ部分(言葉の1音節に複数の音符がつけられた箇所)を、他の一音節1音の部分と区別して楽器で演奏するのは難しいです。



5. セクエンツィア「過越の犠牲(いけにえ)にキリスト者は賛美を」
   Sequentia "Victimae paschali laudes"


セクエンツィア(続唱)、別名プローザ(prosa)は、トロープスと並行してカロリング王朝期に発生した創造物である。これは、アレルヤ唱を母体とsh知恵生じたもので、当時も今もミサの中で福音書朗読の始まる前にアレルヤ唱に引き続いて歌われている。セクエンツィアと呼ばれていた長い結尾のメリスマ、すなわち(Allelu)iaの音節上に長く展開されているユビルス(Jubilus)に、プロズーラ(prosula, prosula ad sequentiam=セクエンツィア用のプロズーラ)と称する歌詞が付けられるようになり、その結果たいていの場合は、繰り返される一連の旋律線に一連の一対の短い詩句が当てはめられるようになった。そしてその結果、既存のアレルヤの旋律をかすかにしのばせるだけの、詩的構造のものが生み出された。復活祭後の第4日曜日に歌われるアレルヤ唱「復活するキリスト」(Christus resurgens)に基づくヴィーボ(Wipo, ?-ca.1050)サックとされる「過越の犠牲(いけにえ)にキリスト者は賛美を」は、その一例である。セクエンツィアは、トレントの宗教会議以降5つ(初めは4つで18世紀に一つ追加)のものを除いて典礼では使用されないようになったが、旋律だけは、後世の聖歌や讃美歌として数多く活用されている。

この旋律は有名なのでしょうね。私も前に一度演奏しています。



楽譜は、アカデミア・ミュージックから1982年に徳永隆男・戸口幸策による共訳で1982年に出版された
五線譜でたどる音楽の歴史』を使いました。



使用楽器

   ソプラノ         モーレンハウエル   キンゼカー
   アルト          モーレンハウエル   キンゼカー
   テナー          モーレンハウエル    キンゼカー
   バス           モーレンハウエル   キンゼカー
   バス           ヤマハ          メイプル
   グレートバス      キュング         メイプル
   コントラバス       キュング         メイプル



Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m


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