◆IL DIVO◆ 五線譜でたどる音楽の歴史 C:トロバドールとトルヴェール
≪毎日がコンサート本番!≫

Music History in Examples. From Antiquity to J.S. Bach (Otto Hamburg) / Trobador and Trouvère
URL : http://papalin.yas.mu/W711/#M003
◇公開日: 2014年3月15日
◇演奏時間: 2分34秒
◇録音年月: 2014年3月
上のアルファベットの曲目名をクリックして、
Papalinの音楽室でお聴き下さい。
オットー・ハンブルク(Otto Hamburg)著による『五線譜でたどる音楽の歴史(Music History in Examples. From Antiquity to Johann Sebastian Bach)』に掲載された楽譜を用いて演奏しています。
【C:トロバドールとトルヴェール】
6. トロバドール:「5月1日」 / ラインバウト・デ・ヴァケイラス
Trobador "Kalenda maya" / Raimbaut de Vaqueiras (1155-1207)
トロバドール(trobador, troubadour)たちの芸術の発祥地は南フランス、もっと正確に言えば1100年前後のプロヴァンス地方、つまりオック語地方であったが、12世紀になるとトルヴェール(Trouvère)たちの芸術が北フランスのオイル語地方に広まった。両芸術とも洗練された宮廷詩と音楽であった。それは騎士たちとそれに音もの、多かれ少なかれ天分豊かな楽人たちにおって考え出され(trobar, trouver=見出す)、育まれた。その代表的な人物の名前はかなり多く今日まで伝えられている。ここに取り上げたヴァケイラスのエスタンピーダ「5月1日」は、伝説によれば、彼がモンフェラトの宮廷で聞いた旋律によるもので、その旋律は2人のプラン巣のフィードラー奏者によって演奏されていたという。エスタンピー(estampie)というのは、元来は楽器で演奏される舞曲であり、セクエンツィアと同様に一連のいわゆるプンクトゥム(punctum)という対をなす旋律から成り立っている。対をなす旋律は同じものだが終わり方が違う。初めの場合は開いて(ouvert)、次の場合は閉じて(clos)いる。
拍子の感覚が取りにくい曲でした。歌詞で歌えばまた違うのでしょうね。
7. トルヴェール:「囚われ人は決して己が証しを語らないだろう」 / リシャール獅子心王
Trouvère "Ja nus hons pris" / Richard the Lion Hearted (1157-1199)
ルイ7世、次いでヘンリ2世の妃であったエレアノール・ダキテーヌがトロバドールたちを援助したので、ノルマンディにあった彼女の城には多数のトロバドールが集まった。彼女の息子リシャール師子心王は、この宮廷芸術に没頭し、トルヴェールとして名をはせた。彼の作である「囚われ人は決して己が証しを語らないだろう」は、当時よく用いられたバラード(ballade)形式で作曲されている。
現代人である私たちに馴染みの有節歌曲と似たものが、既に作られていたのですね。
8. 第2世代のトルヴェール:「ロビン(ロバン)とマリオンの劇」 / アダン・ド・ラ・アル
Trouvère "Le jeu de Robin et de Marion" / Adam de la Halle (c1237-1286)
所々に旋律の付いているこの素朴な牧人劇は、ひとりの騎士の介在ではばまれる村の男女の愛の物語であるが、民謡風の旋律が付いている初期のパストラール(pastourelle,牧人劇)の一例である。上演に際しては、おそらく楽器も使用されただろう。
8分の6のリズムは、およそ1世紀前のレオナンやペロタンの音楽の流れでしょうか。
楽譜は、アカデミア・ミュージックから1982年に徳永隆男・戸口幸策による共訳で1982年に出版された
『五線譜でたどる音楽の歴史』を使いました。
使用楽器
ソプラノ モーレンハウエル キンゼカー
アルト モーレンハウエル キンゼカー
テナー モーレンハウエル キンゼカー
バス モーレンハウエル キンゼカー
バス ヤマハ メイプル
グレートバス キュング メイプル
コントラバス キュング メイプル
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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この記事へのコメント
novus_amorさん、ありがとうございます。
随分と古くからの古楽ファンでいらっしゃいますね。
私にとりましても、これらのレーベルは本当に嬉しいシリーズでした。やがて、これらがCDでセット販売となり、その価格の安さに驚いたりもしましたが、ありがたいので購入しました。今は、聴く側から演奏する側になって参りました。(*^_^*)