◆IL DIVO◆ モンテヴェルディ / 5声のマドリガーレ集 第1巻 (1587年)
[CD・楽譜 Studio-Papalin]
Claudio Giovanni Antonio Monteverdi (1567-1643) / Il primo libro de madrigali a cinque voci (Venice 1587)
URL : http://papalin.yas.mu/W252/#M003
◇公開日: 2014年6月8日
◇演奏時間: 33分32秒
◇録音年月: 2014年6月
上のURLをクリックして、
Papalinの音楽室にてお聴き下さい。
モンテヴェルディが20歳のときに出版された曲集が、現代譜で全曲公開されていましたので、非常に興味深く演奏しました。モンテヴェルディはルネサンス音楽の教育を受けて作曲を始めましたが、学んだルールの範疇で音楽を作ることに留まらなかった人です。殆どの作曲家がそうだったとは思いますが、モンテヴェルディの作品を見ますと、革新したいという気持ちが随所の音になって表れているように感じます。モンテヴェルディは生涯にわたって幾つかのマドリガーレ集を出版しており、そられの現代譜が公開されていますので、時代を追って演奏していくのがとても楽しみです。
さて、この第1巻ですが、出版されたのは1587年ということで、その7年後の1594年には、ジェズアルドが最初のマドリガーレ集を出版しています。ジェズアルドがモンテヴェルディの作品を見ていたかどうかは知りませんが、ほぼ同じ時代のマドリガーレ集を比較することができるのは楽しみでもあります。
ジェズアルドがその個性を強烈に発するようになったのは、17世紀に入ってからの第5集・第6集だと感じています。つまり彼の第1集から第4集までは、晩年のこれらの作品を知ってしまうと比較的穏やかな音楽に聴こえますが、それでも今回取り上げたモンテヴェルディの作品と比べると、"劇的"という面では比べようもありません。
モンテヴェルディの作品に、非常に不可解な音が登場します(例を挙げると、6曲目の1'41"辺り *1)。それが作曲者によるのもなのか、以降の楽譜作成におけるものなのか悩ましいところですが、もしこれが正しいとするならば、当時の聴衆は、聴くに耐えないと感じたかも知れません。モンテヴェルディは後の第5巻の序文で、「従来の協和音と不協和音の規則に基づく作曲法に代わるものだ」と述べています。第4巻辺りからその新しい作曲法(彼自身が第2作曲法と呼んでいる)に基づく(本当の)作品が登場するようなので、それを楽しみにしています。
もう一つ気づいたのは、この曲集はマドリガーレ集ですので、声楽アンサンブル作品です。トップはソプラノ、最低音パートはどれもバス、内声は作品によって異なりますが、いずれにしても、どのパートも音域が高すぎる作品が多く存在します。アカペラで実際に歌われた時には、今のA=440Hzでの音高ではなく、2度・3度、ひょっとしたら4度・5度くらい低い音で歌われたのかも知れません。
4フィートと8フィート、それぞれのアンサンブルで交互に演奏してみました。
(*1)
その後、IMSLPに掲載されている原譜を調べてみました。やはり誤記でした。アルトの47小節冒頭の2分音符はEではなく、Aでした。他にも誤記と思われる音はこの曲以降の曲でも登場し、それは明らかな間違いだと気付いたので、それらは勘で音を変えて演奏しています。この曲だけそのままにしてしまったのが気持ち悪いし、第一それは演奏する際に本来確認しておくべきことでしたが、確認のしようがないと諦めていました。IMSLPに原譜が掲載されていることを今知りました。申し訳ないです。
ということで、第6曲だけ録音し直しました。 (*^_^*)
楽譜はChoralWiki掲載のものを使用しました。
使用楽器
ソプラニーノ キュング ローズウッド
ソプラノ モーレンハウエル グラナディラ
アルト メック オリーヴ
テナー 全音 チェリー
テナー メック ボックスウッド
バス ヤマハ メイプル
グレートバス キュング メイプル
コントラバス キュング メイプル
サブ・グレートバス キュング メイプル (+エフェクタ)
サブ・コントラバス キュング メイプル (+エフェクタ)
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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