◆IL DIVO◆ ダフィト・フンクチウス / リコーダー四重奏のための組曲
[CD・楽譜 Studio-Papalin]

"SCHOTT'S ARCHIVE of RECORDER CONSORTS" (LONDON) / David Fuccius (Funck?, 1648-1699) / Suite for four Recorders [S&Co.5661]
URL : http://papalin.yas.mu/W274/#M015 (ショット社)
◇公開日: 2014年7月17日
◇演奏時間: 5分42秒
◇録音年月: 2014年7月
上のURLをクリックして、
Papalinの音楽室にてお聴き下さい。
ダフィト・フンクチウスという名前は、おそらくフンクをラテン語のように表したものだと思います。本名はきっとダフィト・フンクでしょう。彼に関してもインターネットでは殆どわかりませんでしたが、あるCDのクレジットに、ダフィト・フンクの名と、1648-1699という生涯だったことが載っていました。今回の楽譜に、作曲年は1677年と載っていましたので、おそらく同一人物ではないかと思われます。
このシリーズの楽譜は、スコアのみであるのが普通なのですが、例えば今回の組曲では、アルト・パートをソプラノで演奏することもできるということで、スコアはアルト表記で書かrていますが、スコアとは別にソプラノで演奏する場合のパート譜が添付されています。何のことはなく、表記がオクターブ違うだけなのですが、楽譜が出版された1952年当時は重要なことだったのかも知れませんね。
私は多重録音の際にはめったなことがない限りパート譜は使用しないので、今回もそうしました。演奏後に楽譜を収納するためにパート譜を手に取ったら、裏にNOTEとして、この作曲家と作品についての解説が載っていました。あやうく見過ごすところでした。私の訳ですが・・・。
ダフィト・フンクチウスは、彼の時代のもっとも著名な音楽家であったマッテソンとワルターの見解では、現在のオーストリアとの国境に近いドイツのライヒェンバッハで1630年頃に生まれたとされています。彼は演奏家であり、教師でもありました。彼はヴァイオリン、バス・ヴィオール、オルガン、ギターをほぼ同等の腕前で演奏したようです。若い頃は、ライヒェンバッハの聖歌隊のメンバーでした。彼の作品は様式の面で非常に優れていたと記されています。また彼の教会音楽は非常に高く尊敬されていました。
この組曲はおそらくヴィオール組曲の転用と思われます。しかしながら、リコーダー四重奏として演奏されるために、完璧に仕立てられています。バッハ以前のドイツの4声による和声作品として興味深い例とも言えましょう。この組曲は、非常に豊かな効果と対比を成し遂げています。
教会音楽と器楽作品の作曲の他に、彼は"Compendium Musicus"という名の音楽理論の論文を書いています。
フレージング、装飾指示、表現方法、メトロノーム速度記号、そして組曲の最終曲"Air"の変奏は、編集者であるカール・ドルメッチによるものです。
実は演奏するに当たって、この最後の一行に惑わされて難儀致しました。楽譜が出版された1952年という時代を考えますと、これらのいわば演奏上のアドヴァイスは非常に有用なものであったでしょうし、私がリコーダー演奏を初めて間もない高校生の頃に出会っていましたら、何の疑いもなく、その通りに演奏したことでしょう。しかし、この時代を含む多くの作品に接するようになった今では、おそらく音の表記しかなかったであろう原譜に、これらの助言が細かく書き込まれたことによって、何と演奏しずらくなったことか。さらに、途中で狂おしいテンポに豹変するアルマンドには驚いています。あくまでカール・ドルメッチ氏の指示通りのテンポで演奏していますが、こんな劇的なアルマンドは初めてです。今でも頭の中には?マークが3つくらい渦巻いています。
ものごと良し悪し、色んな面がありますね。自分で判断しなさいということなのでしょうけれど。
元はヴィオール用の作品だったと思われますので、オクターブ下げて演奏しています。
1. Itrada
2. Akkemande
3. Courante
4. Sarabande
5. Air
楽譜は、手持ちのロンドンSCHOTT社のピースを使用しました。
使用楽器
ソプラニーノ キュング ローズウッド
ソプラノ モーレンハウエル グラナディラ
アルト メック オリーヴ
テナー 全音 チェリー
テナー メック ボックスウッド
バス ヤマハ メイプル
グレートバス キュング メイプル
コントラバス キュング メイプル
サブ・グレートバス キュング メイプル (+エフェクタ)
サブ・コントラバス キュング メイプル (+エフェクタ)
Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m
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