【スタジオ・パパリン メルマガ Vol.22 2016/07月号】
スタジオ・パパリン [CD・楽譜] [武藤哲也 リコーダー&オカリナ教室]
2014年11月から始まったスタジオ・パパリン・ショップのメルマガ。
ショップのお客様だけでなく、皆さまにもご紹介したいと思いましてこちらにも掲載致します。
今回も長いです。(^_^;) 昨日はNHKカルチャでの2つの初級講座がありました。一夜明けた今朝、家人が「あなた、昨日は本当に嬉しそうだったわ。」と話してくれたほど、私にとっては涙が出そうなほど感動したレッスンでした。
いつもは曲集を使ってリコーダーを演奏する講座ですが、今回は座学をしました。前回の講座で皆さんに、次回はラインマーカーを2色持ってくるようお伝えしてありました。そして今回、ハーモニーについての知識習得と、その実践をしました。講座のテーマは「長3和音の長3度の音(ドミソのミ)を見つけよう!」です。
まず私が受講生の皆さんに爆弾発言! 「実はピアノのドミソの和音はハモってないのです!」先月購入したキーボードを持参して実際にドミソの和音を弾いてみました。予想通り、皆さん怪訝そうな顔をされています。「え~、ハモってないんですか?」「先生の仰ることがわかりません。」「私は耳が悪いのでわかりません。」しめしめ、いい反応です。私は「実は犯人はミなんだなぁ。」とちょっと匂わせてから、平均律だの純正な響きだのをちょっとお話した上で、まずは30個の和音について、ドミソのミを見つけるトレーニングを行いました。根音(ド)にある色でマーキング、そして長3度の音(ミ)に目立つ色でマーキングしました。転回形の和音や2度、7度、9度が入ってきたりすると難しかったようですが、それでもドミソのミを見つけることができました。ソシレのシも、ファラドのラも同じ(長3度の音)だということもわかりました。
さてアルトリコーダーでの長3和音を3人で出す実践です。まずは2人に同度(ドとド)のハモリを体験してもらいます。次は8度(ドとオクターブ上のド)、そして5度(ドとソ)。ここまでで、受講生の皆さんは「ハモっている」ときの自分の音の聞こえ方を体験できました。そして受講生2人による5度(ドとソ)の和音の中に、私が長3度のミを奏でます。最初は純正にハモっているときの音、次は平均律に近いようなミの音を。
どうでしょう、誰もが「美しいドミソ」と「美しくないドミソ」を聴き分けたのです。この実践を順繰りに受講生3人の組で行ってもらいました(3人でというところが実は大事です)。ドもソもミも体験してもらいます。そしてわかったこと・・・「ドミソのミは頑張って吹いちゃいけないんだわ。」「今までこんなことを一度も考えたこともなわったわ。」「ミッて、ほんのちょっとの息だけでいいんだ。」「私たちでもきれいなハーモニーが作れるのね。」「え~、昨日までの私は何だったんだろう。」などなど。
内心は初級のクラスでこのレクチャはちょっと早いかなとも思っていました。でもそれは私の悪い先入観で、むしろタイムリーでした。講座の終了近くに、生徒さんが何と言われたと思いますか?「先生、そのピアノの和音きたないですね。」ですって。(^_^;)
中級やかなりの難曲を演奏するアンサンブルであっても「私は耳が悪いからわかりません。」とか「正しい音程が取れていないのがバレやすい緩徐楽章は苦手です。」とか「自分の音が高いか低いか全然わかりません。」と仰る方がいらっしゃいます。その結果、指はよく動くのに、ハーモニーになっていないリコーダー・アンサンブルを多く見かけます。それは「ハモる」という経験がないか乏しいかハモらせる術を知らないからだと思います。ハモっていないのが誰にもバレてしまうのがリコーダーの音色であり、リコーダー・アンサンブルなのです。私は学びました。綺麗なハーモニーを知って奏でるのに、時期尚早ということはないと。
全員の共同作業で美しく和音を響かせることを知り、ハモることを覚えてしまった受講生のみなさん、実は大変なのはこれからなんですよ。私にとっては嬉しい悩みなのですけれどね。(*^_^*)
スタジオ・パパリン Studio-Papalin
武藤哲也 (山の音楽家 Papalin)
http://studio-papalin.com/
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