【スタジオ・パパリン メルマガ Vol.24 2016/09月号】

スタジオ・パパリン [CD・楽譜]  [武藤哲也 リコーダー&オカリナ教室]


2014年11月から始まったスタジオ・パパリン・ショップのメルマガ。
ショップのお客様だけでなく、皆さまにもご紹介したいと思いましてこちらにも掲載致します。

画像私の生徒さんの多くは私よりも人生経験の長い方々です。ある日のレッスンことでした。

生徒さん「実は私、今スランプなんです。」
P「ほう。スランプなんですね。」

生徒さんはスランプの自分について語り始めました。私はリコーダーとオカリナの講師ですが、そんなとき私は生徒さんのカウンセラーでもあることを自認します。そしてそれは無駄な時間ではなく、ひょっとしたらもっと大事な人生のひとコマであると思います。

ですので「さぁさぁ、楽器を演奏しましょう!」とはすぐには言いません。生徒さんが喋りたいことを訊くことも、レッスンを通じて知り合ったその方を知る大事なことで、我が生活にも参考になりますし、何よりも私と話すことで生徒さんがスランプから脱していただけたら嬉しいと思います。演奏に集中できる時間も大切ですね。

そんなやり取りの中で私は言いました。「忙しい日常生活の中での楽器演奏のような非日常の営みは、とても大事なことだと思っています。」規則的な生活をされている生徒さんも頷いておられました。そして私は訊かれました。「先生の非日常は何ですか?」

実はこの質問に私はたじろぎ、即答できない自分がいました。時間を稼ぎたいこともあって、こんな風にしゃべり始めました。「私は5年前までサラリーマンでした。サラリーマンだった頃は、リコーダーを演奏することが非日常でした。そしてそれを至福の時間だと感じていました。でもそれが今は生業となりました・・・。」こんな風に喋りながら、自分の非日常について考えていました。そして思いついたのです。「私の非日常は、生徒さんのレッスンです。」

芸術の分野だけではなくサラリーマンの仕事もそうでしたが、すべての基準は自分なんですね。自分が当たり前にやっていたことや当たり前にできていたことが、他人にとっては当たり前ではない。もちろんその逆も真なりです。生徒さんがどこでつまづかれるのか、何が鬼門なのか、課題を克服できない理由はどこにあるのか、そういう場面にレッスンで直面したときに、まずは真摯に生徒さんを見ます。そして思いっきり頭を回転させて、その真因を探し出します。

もちろん、こんなに理路整然と答えられたわけではありませんが、私はそうした場面に身を置くことができることを嬉しく感じています。先日、すらすらと新らしい曲を演奏されたある生徒さんに「この音は2拍で切って」と言ったときに、生徒さんが言われました。「もう少し短くということですね。」この会話をきっかけに、その生徒さんが実は楽譜が苦手だということを知りました。こんな経験はできません。その場でレッスンの方針を急転回させます。またある方は子供の頃には綺麗なものを見て「まぁキレイ!」と言えた自分が過去のものとなっています。劇的な変化など日常生活にはないかもしれませんが、音楽はそれを表現してこそ音楽になることもあります。そういう場面に一瞬で出会うことが私にとっての非日常です。これは自分一人でスタジオに閉じこもっていたのでは味わえません。私にとっては非常に大切な非日常なのです。(*^_^*)


スタジオ・パパリン Studio-Papalin
武藤哲也 (山の音楽家 Papalin)
http://studio-papalin.com/



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