【スタジオ・パパリン メルマガ Vol.106 2023/6月号】



2014年11月から始まったスタジオ・パパリン・ショップのメルマガ。ショップのお客様だけでなく、皆さまにもご紹介したいと思いましてこちらにも掲載致します。

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30歳になったとき、意を決して合唱団に入り、テノール・パートとして歌を始めました。団がお世話になっていたボイストレーナで声楽家の大志万明子先生に個人指導を受けた時のことです。「先生、私は高いファの音辺りから発声がきついんです。テノールではなくてバリトンかも知れません。」そう申しましたら先生は何もお返事されずに、いきなりスケールの発声練習を私に求めました。最初は低音域から、やがて中音域に。そして難所のファに差し掛かる辺りで一旦ピアノの指を止めて仰いました。「ここから先、テノールは胸声ではなくて頭声を使います。」そしてその発声方法を身振りを交えて教えてくださいました。それから私は今まで出したことのない声を出さざるを得なくなり、先生に引っ張られるまま、ファから5度以上も上のド#の音まで出すことになりました。そして先生曰く「武藤さん、これでベッリーニのアリアも歌えますよ。貴方はバリトンですか?」私はひれ伏しました。自分の知らなかった自分の頭声、そして頭声の出し方。そのとき先生の仰った「それで良いのです。」のお言葉、私にとって目から鱗とはこのときのことでした。

さて、今月の個人レッスンでリコーダーのお二人の方が、自分の知らなかった世界を体験されました。それは「柔らかなタンギング」の使い方です。リコーダーやオカリナの奏者にとってのタンギングの抽斗の多さは、他人にとっては些細なことかも知れませんが、奏者本人にとっては非常に重要ことであり、持つべき技術なのです。毎回のレッスンで生徒さんは徐々に上手になっていきますが、今月のレッスンは徐々にではなくいきなりジャンプアップしたという感じです。生徒さんは稀にこちらが想像もしていなかったステージに一気に駆け登ってしまうことがあります。でも本人は初体験なので、これで良いのだろうかと疑心暗鬼。表現するために大事な技術の習得。忘れないでくださいね、もう一度言います。「それで良いのです。」


スタジオ・パパリンでは距離をとり、プラズマ換気し、アルコール消毒をしながらレッスンしています。
SkypeやZoomを使ったインターネット経由のレッスンも随時受付けております。 (#^.^#)


スタジオ・パパリン Studio-Papalin
武藤哲也 (山の音楽家 Papalin)


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